冷静と冷たさは
別勘定だと思うけど


マヨネーズ舐める

から揚げ食って
マヨネーズ舐める


感情移入も優しさではない
目覚めの呼吸が
ぽこっとまあるい泡になって
光差す天井へ
ふわりふわりと上っていった

仰向けのベッドで
それが弾けて消えるまで
ぼんやりと目で追っていた

ここに置いたはずの眼鏡は ....
解りません
普通は白衣でしょ、先生


昼休み
今日も先生は芝生の上で寝ている
あいかわらずの黒いコート
先生、白衣は着ないんですか


理由を訊いたことがある
先生はにこり ....
さなぎになることにした
沈黙と言う薄い布をまとう
触れないで下さい
生まれる前に蝶が死ぬわ
小さな裂け目から指を突っ込んで
くるんと裏返しにしたら
醜い縫い目を隠して
つるりとした裏側の私が出てきたけれど
少し形がいびつです
平らな地面で
あなたのほうに転がって行ったら
笑われてしまう
私はウサギ
ただし全身フェイクファー
真っ赤な義眼をうるうるさせて
可哀想なふりをする

寂しくさせたら死んでやる
着ぐるみウサギの脅迫に
おどおどするのを見るのが大好き
何かを囁 ....
一度しか刺せないとしたら、誰を刺す?

助手席で
彼女は妖しく微笑む

一度だけなら、いつまで取っておく?

ちょっと待って
いま両手がふさがっているんだ

前輪がひとつ足りな ....
一番必要なのは「お金」なのだそうです

防寒具や薬が足りないとか
被災地の人がニュースで言っていても
支援物資の仕分けという
二次災害が起こるとか

夕べそんな話をネットで見て
今日、 ....
わたしのいきかたは
ひっそり
しずかに

ひっそり
ひそひそ
ひそひそひそり


ひっそり
ふざけていきてます
僕の背中に羽根はある?
背中に触れて確かめる勇気がない

ここは独房
臆病が足枷
窓越しの空を見上げる

もしかして羽根は折れてる?
広げてみる勇気がない

僕は空想する
窓の向 ....
耳をつむっているのです
だから見えます
あなたから生まれる
静寂の波

唇が動く
同じ距離にいたら
同じ速度で響いた言葉を

出来るだけ離れて

平等な冷たさをもって広がる
波 ....
雨の夢を見た
ひどい降り

傘が足りなくて
私たちは戻ろうとしたけど
硝子の扉はこちら側から開かなかった
金色の

呼吸が

金属から

美しく

小さくても

低音が

空を秋に

高く押し上げた

公園で

ぼろを着た

青年の

胸で光る

金色の ....
わたしは肋骨だ
              
肋骨はあなたを心から慕い

肋骨はあなたの心臓を守る

あなたの胸を打ち鳴らすものを

至近距離から呪いながら

肋骨はあなたの胸 ....
動かないで
うっかり逆鱗に触れないよう
紅を差してあげる

私の部屋に浮かび揺れる
赤い花びらに
首を傾げる友達

透明な竜を飼っている
躾はいいほうだ

私の帰りが遅いと寂 ....
ちががね、

(血がね、といいたいのだ)

ちががね、びよきだからね
あかちゃんのときからね
そうなの、ずっと

少女は枕に片頬つけて話す
ぼくは少女の枕に腰掛けている

ち ....
あいまい【曖昧】(形動)

ディティールはベールに隠す、たしなみ

真実は自分でもわかっていないことが美徳




いま【今】(名)

常に最優先させる感情の所在

 ....
一本のメールで
今日の予定がすべて狂った
夕べからの心の準備も
無駄になった

これからのからっぽの時間は
メールが来なかった方の未来に
嫉妬して過ごします
森園の飼育係が夢だった

森を扱う仕事だから
森の気持ちが解らなくてはダメだと

面接官は
いじわるそうに

あんなオヤジに森の気持ちが解るものか
経営にしか興味がないくせに
 ....
ぼくの恋人はスベスベマンジュウガニだ
すべすべした感触にぞっこんさ

だがぼくには妻もいるし
彼女に会うためにそうちょくちょく海に通うわけにもいかない

シャツの裾をつまむハサミを振り ....
なんだよ、ダジャレじゃねえか
と激しく笑われたので渡しそびれた

きっと勝つと、キットカット
受験合格のお守りだって
コンビニだって神社になる

簡単に買えたけど
その気持ちは簡単 ....
オレンジ色の光が
揺らいだり翳ったりするのを
目を開けることもなく
ただ感じていた

あなたは
薄い壁越しに私を愛撫する
そのたびに光は翳り
わたしは波に揺られながら
あなたの手 ....
かわいらしく盛り付けられた
ハンバーグのお肉の正体を
知らないほど子供ではなかったし

ベイビー
花は美しいから散るんだよ
という漫画の台詞を
くりかえし読んでいた



ヤマト ....
閉店まで迷って
結局最初のレターセット

会った事のない相手なら
少ない情報すら
印象になるから

探していたのは
好みのレターセットではなく
わたしの分身だったのでしょう
土曜の夜はカレーだった
カレーを食べながら全員集合を見る
土曜は、カレーで、ドリフだった
子供時代

兄が結婚して家を出て、春はもう三度目
週末には実家に子供をつれて帰ってくる
甥っ ....
そんな話は聴きたくないの
耳を塞いだ
飽き足らず
耳を削いで
箱にしまった

逃げ出さないよう
セロテープで蓋をして
紙で包んでしまいましょう
ラッピングは得意なの
普通に回転 ....
流れたくない、と
川がつぶやいたのを
聞いた詩人がおりました

詩人は
風が流れる詩を颯爽と
星が流れる詩を朗々と
時が流れる詩を粛々と
うたい紡いでは
流れる素晴らしさを川に説きま ....
嫌われてもいいから
相手にされたい
心にもない言葉で
君を怒らせた

君からだったら
なんでもいい
マゾヒスティックな
片思い

おかげでますます
君に嫌われ
君との距離は ....
観察は
手が汚れないから好き

滑稽だ
滑稽な悪足掻き
見られている事も知らない滑稽
見ている私も滑稽

興味というより
退屈しのぎ

水槽にへばりつく蛙の白い腹
食欲すら湧か ....
RT(106)
タイトル カテゴリ Point 日付
マヨネーズ舐める未詩・独白5*05/1/12 16:23
海を抱く自由詩505/1/8 11:47
カラスは仰向けに自由詩605/1/5 23:10
delicacy自由詩1004/12/22 22:41
裂け目から自由詩3*04/12/12 4:35
車輪人間自由詩13*04/12/10 21:55
着ぐるみフェイクファー自由詩304/11/19 18:31
BEE自由詩504/11/2 23:24
いいじゃん未詩・独白4*04/10/28 1:11
ひっそり自由詩204/10/25 23:34
窓越しの空自由詩4*04/9/29 12:31
自由詩3*04/9/25 5:04
雨の夢を見た未詩・独白2*04/9/24 2:29
秋晴れ、バリトンサックス自由詩4*04/9/24 2:06
わたしは肋骨だ自由詩9*04/7/28 3:40
透明な竜を飼っている自由詩10*04/6/30 15:35
こときり自由詩8*04/6/25 0:53
架空少女事典自由詩6*04/6/16 3:35
パラレル自由詩304/6/3 23:51
森園自由詩2*04/5/22 7:27
スベスベマンジュウガニ饅頭自由詩5*04/5/12 19:26
キットカット日和自由詩2*04/4/16 16:40
アクアリウム自由詩5*04/4/14 22:57
空の骨自由詩6*04/4/9 22:49
レターセット自由詩2*04/4/1 1:33
土曜日の子供たち自由詩4*04/3/23 20:55
歩く箱自由詩2*04/3/18 3:47
裏川自由詩3*04/3/16 22:35
マゾヒスティックな片思い自由詩304/3/7 0:23
マジックミラー自由詩104/3/5 22:09

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 
0.1sec.