しんと凍る大気の中
思わず足を止めた

鮮やかな赤い実は
雪ウサギの目

誰が作ったのだろう
儚げで美しいものだな

いつか溶けることも知らずに
可愛らしく私を見つめている 
尖った月を見上げて
寒さに首をすくめた

枯れた街路樹の枝のスキマから
冬の夜空が広がる

凍った街灯がぼんやり
あなたの影を映す

鋭い月を背負って
あなた怪物みたい

優し ....
優しさゆえに
幸せになれない気がした人は


優しさゆえに
「幸せやで」って笑う
足の爪に
塗っておいた海が
夏のどこかへちぎれて消えた

地図の上をなぞる指が
コーヒーの匂いをたどって
最果ての島に着く

ふと顔を上げれば
見慣れた街並み

寝過ごした朝のよ ....
愚痴を言う人を
心配はしない

吐き出してまわりを不快にしてでも
自分は楽になりたいという図々しさがある

むしろ心配なのは

愚痴を言わずに耐えてる人なんだ
魔法使いが
ドライバーを手にやってきて
雪原を走る夜汽車を止めました

壊れた換気扇の交換

最後に頑張って回る姿が
とても可哀相で
「よく頑張ったね」って二人で言いました

私た ....
温かい味噌汁を飲んで
おまえが泣く

何があったか
聞かないけど

私も台所で泣く

ご飯食べてけと
口うるさい母親に

気がすむなら味噌汁食べてやるよって
えらそうに言ってた ....
嘘よ
雨が優しいなんて
こんなに寂しい色見たことない

それとも私が凍っているから
こんなに雨が冷たいの?

傘を差して
沈黙の街を歩く

水の音しか聞こえない

会いたい人は ....
邪悪な自分が
恐ろしい

闇に埋もれた暮らしがイヤで
太陽の下に
憧れたのに

普通がいいって
普通を選び

普通だなって がっかりしてる
行きたい場所がある
フェンスの多分向こう
標識は黄色か赤
越えてはいけない場所だった
死んだトモダチが
みんなそこにいて
おまえもか
って笑ってる
警告はみんな受けた
でもみんな境界 ....
一等星か
人工衛星か
わからないから
嫌なんだ
この時代は
虚像が眩しすぎて
たどり着きたい未来を間違える
俺達は
まるで
月に向かって飛ぶ
命知らずの虫みたい
マッチを擦った
においが好き

懐かしいから

クリスマスのロウソク
ストーブ
父さんの煙草

子供の頃に

安心した匂いだ
尊いものを知る喜び

この世にある
数えきれないすべてのもの

命や自然や
歴史や宇宙や
誰かが誰かを想う小さな優しさまで

嘘をつけない人
じっと耐える人
誰かのために笑う人
 ....
冬が嫌いなのは
寒い夜に
暖かい思い出ばかり
思い出すから

父は
猫と一緒に
いつまでも
コタツに座っててくれると
ずっと信じてた
換気扇がぶっ壊れて
機関車みたいな音がする

台所であなたと目を合わせたら
困ったような笑顔がどこかへ旅立つ

暮らした年月を
思い出させるすべての劣化

年をとったわね


 ....
夕暮れの遊園地
ベンチに座って賑やかな景色を見ていると
走馬灯のように見えて
人生に終わりが来たのかと思う
でもそれはとても気楽で

気がつけば
いつかの自分が
ジェットコースターに乗 ....
祭りのあと
散らばったゴミを風がさらっていく

すぐ足元にある人の世の儚さ

喧騒の中で求める静寂
静寂の中で懐かしむ喧騒

記憶を巻き戻した時に
人の笑顔が次々と
万華鏡のように ....
闇が近づいて
満ち潮のように
音もなく
あたりを沈める

冷たい空気に
体を震わせて
やっと夜に気づく

なんという 孤独だ
飽きた
なんかいろいろ飽きた
ネットでつながるより
糸電話でつながりたい
いや違う
もう糸電話の糸すら切ってしまいたい
ケータイのゲームより
缶蹴りしたい
行き先のわからないバスに乗っ ....
子猫を抱いて
戸口にたって
海の幻を見おろしてから

しばらくして
冷めたコーヒーを飲む

帰らない旅人は
古本に栞を挟んだまま

彼女の人生から消えた 
吐き出せば 楽になる

だけどこの世には

吐き出せる場所がないよね

なぜこんなに人を嫌うのだろう

それなのに

なぜこんな人で居るんだろう  
背中が寂しいと言ってたけど
背中には答えない

まっすぐ私を見て
私の目を見てみ

何かわからないことがあるか?


愛なんて問うな
こんなに愛されていて   
お金なんて
あるだけあげるよ

って
言ったところで
幾らも持っていない自分に泣ける

何が欲しいんだ母さん
テレビも車もなんでもあるよね?

なんて

わかってるくせに

 ....
知人はたくさんいるが
友人は少数精鋭

どこまでが知人で
どこからが友人か
このダルい領域の話は個人的にどうでもいい

ただ友達っていうのはな

思い出した時に
頑張れよって心の底 ....
祈りって
なんだ。

どうやって祈る。

同じだ。

跪いても
酔いどれても

神には聞こえてる。

聞こえないのは
私のほうだ。

幾度となく語りかけるその返事を
私 ....
雨の夜
傘をさして街に出る

顔も知らない人に会うため
自分じゃないような早足で目的地に向かった

複雑で微妙な心境
臆病な人見知り

本当に会いたかったかどうかは
今もよくわから ....
硝子細工が嫌いだった

繊細で美しいけれど
あまりに脆くて

砕けることを恐れるのが
自分に向かない

そっと扱わなきゃならないのは
人の心だけで充分だろ
雑草、雑草って
みんな嫌うけど
雑草でも緑があると嬉しい

ただ自然に帰ろうとしているだけだ

コンクリートに封じ込められて
行き場をなくす彼らの子孫

でもひょっとすると
熱がこ ....
晴天だけど
風が冷たい日

心の中が
いい混ざり具合で
少しウェット

生きていくことが
不意に空しくなる瞬間と

空の青さに

ぽっかり無心になるハザマ
夕暮れの教室で
君と二人きり

何か話したかったけど

とうとう
話せなかった日

大人になって今
ぼんやりと思い出す
あの日の教室

何も話せなかった事を
いつも後悔したけ ....
ガト(267)
タイトル カテゴリ Point 日付
雪うさぎ自由詩5*16/1/18 1:41
かいぶつ自由詩9*16/1/17 3:46
思いやり自由詩4*16/1/17 3:43
ペディキュア自由詩17*15/12/13 4:54
横顔自由詩6*15/12/13 4:49
換気扇自由詩13*15/12/1 2:49
味噌汁自由詩6*15/12/1 2:23
自由詩7*15/12/1 2:22
矛盾自由詩6*15/11/23 23:49
ネジロ自由詩5*15/11/23 23:44
ウスバカゲロウ自由詩9*15/11/23 23:41
ともしび自由詩7*15/11/21 2:03
優しきひと自由詩2*15/11/21 2:01
炬燵自由詩4*15/11/19 16:59
夜汽車自由詩14*15/11/19 16:51
RIDE自由詩5*15/11/8 1:15
祭り自由詩4*15/11/8 1:12
ひとり自由詩8*15/10/21 4:21
秋る自由詩12*15/10/21 3:32
自由詩7*15/10/15 4:15
矛盾自由詩5*15/9/16 2:07
自由詩6*15/9/15 2:33
電話自由詩3*15/9/15 2:23
2U自由詩6*15/9/12 1:36
天の声自由詩7*15/9/11 1:58
冒険の書自由詩8*15/9/10 4:17
夜店自由詩4*15/9/10 3:23
雑草自由詩3*15/9/9 2:14
混合液自由詩2*15/9/8 4:24
放課後自由詩5*15/9/8 4:20

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