眠り猫の丸い足 桃色の肉球のやわらかさが欲しくて
眠り猫のパタパタしている尻尾は 狸寝入りの証拠だが
薄めを明けていられなくて、目がぐるりと回って閉じた
いまだ…
昼前 ....
うす闇の中に漕ぎ出す小船で
香りの良い酒を口に含む
舌の奥でひらめく遠い国の人々の夢
長く私を苦しめている怒りが、闇と香になだめられていく
夜はゆったりと流れ出す死にかけた巨大な生 ....
遅い午後のコーヒー
ざわめきの中でBGMのゆったりとしたパーカッション
泡のような思考が
とぎれとぎれに湧き上がってくる
孤独で身軽なつぶやき
シャワーの後のバスタオルに包まれる ....
暗いはずのその部屋は
細い光の糸で織られた薄い布で包まれていた
あるいは深い海の底から はるか上方の水面の瞬きに 憧れるように
その部屋で静かに息をしているのは 私の家族たち
そ ....
自分を壊す試みに疲れて
ふと窓の外を見ると
静かに細かな雨が木々の葉を打っていた
今の私にはけっしてとどかない
やさしい雨に打たれているすべてがうらやましい
手を突き出して受けた雨は ....
私は盲目のまま、足を投げ出して街角に座っている
監視カメラのように世界を写しているだけの
ガラスの箱のようなまなざしで
ガラス箱の中で生まれる淡いひらめきは
孤立したままで消えていくのがふ ....
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