眠りに落ちる前に君のことを考えていた
この部屋を出ていってもう二度と戻ってこなかったもののことを
僕たちの窓の外にはいつでも夏の青い空があって
そこには輪郭の濃い白い雲がただ浮かんでいた
君は ....
波のない、凪いだ海、森のなかの湖、
そこに立つ漣、私は水、悲しい水、
誰かはそれを泪と呼ぶ、
出るべきところから水が流れ落ちるという事象に対して
なぜひとは悲しみだなんて、
うつくしいタイト ....
彼の宇宙では音が鳴り
言葉にもならない音が鳴り
私は深海でそれに応える
言葉にもならない音を鳴らす

彼はいつも足元ばかり見つめて歩くから
私が見つめていることに気がつくことはない
私は ....
僕の隣で眠る彼女が
真夜中突然跳ね起きて
大きく一度息を吸う
呼吸を覚えたての人魚のように
そうして怖い夢をみたという
彼女はおそらく陸にまだ
うまく慣れることができていない
昔の約束を ....
隣のおばさんたちがコーヒーを飲みながら
仕事の愚痴を言っている
私はそれを聞きながら携帯電話でゲームをしている
隣のお姉さんはじっと下ばかり見つめていた
私はそれを見ながらじっと煙草を吸ってい ....
紙切れが橋の上から舞う映像が見える
何の苦労もしない、それはただの紙切れだ
白黒のフィルムの中だ
それを空に撒いた浮浪者の男はズタボロの新聞紙を引き摺って
彼は何の苦労もしない、ただ紙切れを撒 ....
 君は強いねと言うから
 そうかもねと答える
 弱さに溺れる人は本当は強く
 あなたのような人が本当は一番弱いのかもしれない
 私は強い。
 働いてるから、とかいう労働者を私は殺すし
 勉 ....
忘られぬ窓辺できみは啜り泣く ポインセチアは赤よりも赤

粉雪が遠くの街の灯を消して夜はゆっくり来る二十二時

「踊ろう」と処女雪踏めば燃える足/素敵なものは踏みにじるのだ

真夜中に音も ....
銀河鉄道がだれを連れていくのか
それは誰にもわからない
わからない
銀河鉄道にさらわれてしまうのを
リコは一晩中待つ
待っている

銀河鉄道が来るとき人は眠っている
誰も起きてはいられ ....
昔私は直線だったの
――そう。
昔二人は交わらない二本の直線だった
或いは一つの茎から分かれた二つの花
片方は恒星で、もう片方は流星だった
昔あなたはピアノの鍵盤の一つだった
そして昔私は ....
ソリッド町子(10)
タイトル カテゴリ Point 日付
祈り自由詩3+15/4/26 14:38
うつくしいタイトル自由詩214/11/3 12:32
シューゲイザー自由詩114/9/19 20:35
人魚の唄自由詩014/7/29 22:33
漂白自由詩614/4/10 21:49
イリュージョン自由詩113/4/9 0:32
前夜自由詩213/2/25 17:50
今冬短歌3*13/2/10 20:19
銀河鉄道の(来ない)夜自由詩213/2/9 20:08
比喩自由詩4+*13/2/9 0:35

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