その何気ないひとことに
心は固まってしまった

季節は巡って
またバラの花が咲く頃

   立ち止まって
   うずくまっている間に
   バラの季節は何度通り過ぎたのだろう
    ....
      ?

どこやらの詩人も嘆いていたが
愛は日々の暮らしにぶつかって
粉々にくだけ散るものなのか
    唯物論者の群れに追い回されて
    メッタ切りの憂き目に遭う運命なのか
 ....
高い天井
絨毯に吸い込まれていく足音
息づかいさえ聞こえてきそうな静寂
ページを繰る音も
遠慮がちな小さな咳も
潮が引く様に遠のいて
異様な錯覚に陥っていく
あたりが歪んで
異空間に迷 ....
ちょっと待って!

手を伸ばして
あなたが触れようとしているのは
虚像かも知れない
想像を妄想で膨らませたあげく
はじけた残骸が飛び散って
憎しみに変わったりする

   世間では
 ....
雨上がりの用水路
垂直のコンクリートを
ハサミをふり上げながら
カニが器用に歩く
ご挨拶をすると
立派なハサミをさらにふり上げて
立ち止まった

   カニ君
   待って!
   ....
私達の間を
短い、短い手紙が
暗号の様な手紙が
いったい何往復した事だろう

   ひとつの文字の背後には
   何倍もの文字が群れなして
   文字にならない感情が
   行き場を失 ....
ポツリポツリと降り始めた雨が
アスファルトを濡らしていく
駆け出せ!
と、脳は命ずるけれど
その場から足が動かない
屋根を見上げて動けない

小さな爪がすべるのか
濡れた瓦の上で子猫が ....
2才児が
真剣な表情でタオルをたたむ
クレヨンを握った小さな手で
クッキーをつかんだ丸っこい手で
タオルをたたむ
見よう見まねで
やっと半分に

   すごい!
   上手ね
   ....
気配
異様な気配
何かが違う
息を殺してあたりを見回す
鋭い視線にとらえられた

あなたはどこから来たの?

地上はるか4階の
   歩くには気が遠くなる程の距離
キッチンカウンタ ....
     ?          

先に逝った人が心に棲む様に
   きっと愛が結びつけるのだろう
あなたは私の心に棲む
   複雑な感情が私達を

グルグル回るコンパスに
愛と憎が定 ....
      ?

私がつかもうとしたのか
  私の砂漠へ
   日常のほんの小さなすき間から
   思いがけず吹き込む風のむこうの
   荒涼とした世界

あなたがつかもうとしたのか
 ....
小さな不満を抱えたまま
私達は
少しずつ
少しずつ
距離をとって

  今なら間に合う

闇に向かって
私達は
少しずつ
少しずつ
離れていって

  まだ間に合う

 ....
春のど真ん中
世は宴の真っ最中
桜前線は北上し
人々を巻き込んで
私を巻き込んで

妖気をただよわせた儚い花は
時に人を惑わせる

   私は次元を踏みはずし
   あなたと少し近 ....
    ?

チョークが飛んでこようが
ゲンコツが落ちてこようが
眠いものは眠い
教壇から届く声は
しだいに消えていき
酸素の足りない魚の様に
先生の口だけがパクパクと動く
教室の隅 ....
「グンジョウイロ?」

オカッパ頭をわずかに傾げ
ほころんだ口元に抜けた前歯をのぞかせる
この子の頭の中には
空の色と水の色しかない
細い指に力を入れて
そらいろの空を塗りつぶす
みず ....
 {画像=111022145824.jpg}
ヤギ!

そんな訳ないでしょ
こんな街中に

ヤギがいる!

どれどれ

  先を行く子が飛びはねる
  ブロック塀を抜けると四角の ....
{画像=111019141830.jpg}
花咲爺さんの様に
空から幸せをバラまいていると
時々人の心が透けて見える
下心だの
偽善だの
何だの、かんだの

最近の神様は疲れ気味
雲 ....
{画像=111013141539.jpg}
西日がやっと落ちた頃
東の空に淡い月
生まれたての赤ん坊の爪の様な
たよりない月が
ひっそりと昇る

まだ昼が支配する夜の入口
騒音と日常に ....
闇と妄想は好相性
長い夜を
妄想が食いつくしていく
いく夜も
いく夜もかけて
食いつくして行く
そして
静寂が支配する夜に
妄想は確信へと変化する
白い小さな部屋では
よくある出来 ....
  なぜか夜に
  側溝に転がり落ちる指輪の話を
  たて続けに聞いた
  どうやら別れ話と夜は
  思ったより相性がいいらしい

こんなもの!
溝に捨てる価値もない!!

憎しみと ....
小指が痛むと薬指が痛む様に
私も痛む
私達は深い深いところで
多分つながっているのだろう
あなたの傷と私の痛みは無関係で
あなたのその傷はあなたの過失
私の指からは血など流れていない

 ....
{画像=111004164229.jpg}

いつもの道で
ある日気づいた紅い花
昨日もあったのだろうか
燃えさかる炎の様に
必死の形相で咲く紅い花
葉のない茎の上で
ひと塊の想 ....
正面から対峙すると
恐怖が態度にあらわれるので
無関心を装って
彼のエリアを侵害してみた

背に視線が突き刺さる

敵意のこもった目の奥に
彼の過酷な過去を想像する
その威嚇の表情に ....
空にポッカリ満月が

月が
月が
月が

幽玄な月が

稜線の上に
屋根の上に
ビルの谷間に
窓の隅に
小さな水たまりにも
澱んだドブにも

無数の月が

ゆらぐ水面 ....
詩はエサを食べる
決して大食いではないけれど
食べなければ息絶える

日々大網構えて虎視眈々

あなたのいつものひと言
小さな微笑み
まなざし、ぬくもり、しぐさの数々
伝わる喜びと悲 ....
この広い広い空間では
時として滅多にない事が起こる

二次元的にも
三次元的にも
重なる部分は考えられなかった

日々の生活の陰にかすんで
うっかり見落とすところ
すれ違いざまに視線 ....
     ?

百年の時が流れても
緑におおわれる事のない
荒れ果てた灰色の大地
小石まじりの砂が
地表に渦を巻いていく
叩きつける雨
照りつける太陽
数え切れない夜と昼が
淡々と ....
私達
机上に文字を並べて
ああだこうだと論じ続ける
あげくの果てに
仮定法まで持ち出して
議論はさらに迷路の奥へ
理想と現実が複雑に絡まり
出口はさらに遠のく

出口はあるのか
な ....
風の音が思い出を誘う夜
必ずあらわれる風景がある
真夏日の続く乾ききった夜
眼下に輝く星を
飽きもせずに眺めていた
神様のイキなはからいか
星は様々な色に輝いていた

星だったか?
 ....
淡いピンクの花びらを
淡い期待を込めてちぎる

届くかしら?
届かないかしら?

春の石段に散る桜の様に
踏まれて汚れて粉塵と化すか
最上の運命をたどっても
曲水を流れる花びらの様に ....
wako(34)
タイトル カテゴリ Point 日付
5月のバラ自由詩4*13/3/12 9:40
不幸を背負いながら自由詩6*13/3/12 9:13
昼下がりの砂漠自由詩4*12/12/25 15:15
待って!自由詩4*12/12/25 14:51
コンクリートのすき間に自由詩3*12/12/25 14:39
無口な手紙自由詩7+*12/11/25 14:12
見上げて自由詩3*12/11/25 14:00
退避場所自由詩8*12/11/25 13:46
こんなところで自由詩2*12/8/1 14:45
私達の間に自由詩2*12/8/1 11:04
指先が触れて自由詩7*12/7/12 10:01
今は自由詩3*12/4/28 16:05
この春も、次の春も自由詩5*12/4/16 9:31
万の葉の煌き自由詩3*12/4/11 15:35
自由詩211/10/28 14:57
四角の空き地で自由詩211/10/22 14:57
幸せの神様が自由詩311/10/19 14:16
赤ん坊の爪の様な自由詩111/10/13 14:12
リンゴを買って自由詩211/10/8 13:21
側溝に自由詩111/10/5 14:49
基幹に自由詩111/10/2 15:48
彼岸花自由詩211/9/24 14:46
ヒラノ自由詩211/9/21 9:43
満月の夜に自由詩211/9/13 17:23
原形は自由詩111/9/7 14:52
広い空間では自由詩111/9/2 10:35
灰色の大地の下で自由詩311/8/26 11:51
愛について 自由詩311/8/16 8:32
風の吹く夜自由詩1*11/8/10 17:07
花びら自由詩211/8/8 10:47

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