芯と同化して立体となる。
直立するための平地の上で、立体となる。
直線が曲がった軌道を描くように
この芯もまた
曲がった軌道を描くことができるはずだ。
(幻の引き手の人)
芯の曲が ....
手元を離れた前葉体。
肩に乗せたハートの風船人形。
軽めの空気を含ませて
形いっぱいに想いを馳せてみる。
白ける一歩手前の緊迫が
青褪めてしまいそうになった。
平常に合わさるための ....
病み上がりのうえでの整列。
余所余所しい偶然のまえで
滑車の滑りを
いつも以上に強くしてやった。
足元をかすめた後は、後尾へ向かうだけ。
その行為の言い訳は
既に滑車の下敷きとなっ ....
予定を踏み込んだため
機構が前上がりになってしまった。
何かの感触で
一連の動作と出来事が、後退りとなる前に
どうにかして機構を前向きにしなくては。
そうだキャスターがいい
キャス ....
年に一度の祭りの日。
祖母は
普段は無口な祖父の、上がり調子が
嬉しくてたまらない。
わけもわからず強張る気分を悟られて
現金な顔してるんじゃないよと言われた。
内実を差し引いた上 ....
動く石ころを
温められるような気がして。
場面の一部には
通りすがりに
志が引っかかることがある。
意中に収まることであるなら
延長されるべき場面とされ
その場に長く止まろうとす ....
取り付け可能な器具で
是非、この胸の部分を開けてやって下さい。
使い覚えのない器具で
どうやって開いてやればいいのです?
(同席、同罪の)
私は客でもあり、進行役でもあります。
こ ....
通わない道
通いたい道
そして
事実通う道
去年の道は
とても、うまい具合に埋まりました。
今年も
そうであるといいのですが。
(途方もない粗捜し)
道に砂利は付き物です。
....
座席らしいから座ったのです。
何も座ったから座席だと
言いたいわけではありません。
ただ座席が空席を導いたのだとしたら
それは誤りたいと思っています。
回避する曖昧のために
曖昧さ ....
右のマスの滲み。
まさかと思っていたら
左マスにも滲みがあった。
利き腕に嘘をつくようなことは
右と左の両方が許さない。
主体と主題が、慰め合いながら
互いに肩を並べてしまった時か ....
何階層かの留め具の連なり。
入り組んでいく前の
ほんの少しの間で
正気であると一押ししなければならなかった。
本当は見えていない留め具の事も
正気が通る間には
そこにある材料として使わ ....
紐を結んだのは夜だったけれど
つい今朝方に結んだことにしてしまった。
一度、解いてから
もう一度、結び直してみてもよかったが
そうすると、やはり、わざとらしい。
結び目を記憶しておけ ....
備えに染み付いている「らしさ」が憎い。
いつから本体以上に
意味を肩代わりするようになったのだろうか。
(参加の位)
私はここに居ます。
根を張る意味も
いまひとつわからないまま
身 ....
集めていた木目の景品。
たったひとつから始まって
今では、もうたくさん。
並べてみたら壮観で
とても心強いのです。
多少は、思い入れが分散してしまったけれど
そんなことはもう問題で ....
筒の大小は関係ないと思っていたけれど
手ごろに大きかったら
やっぱり嬉しかった。
午後が良いとされるお茶会で
シートを使う予定なので
午前のうちに
ロールからシートを抜いておいた。
....
ある役割が終えて
新しい役割がこんにちは。
(入り口が入口となるような時)
どうぞ、いらっしゃい。
こちらが入口となります。
入口を通るわけですから
名目としては、新しいということ ....
楽しかった、お茶碗。
お茶も、嬉しそうに、みんな飲んでくれた。
地元に詳しい郵便配達の人の話が
とても怪しくてゾクゾクしたものだった。
公になった館の中で
黄色くなった木目を見つけては
....
ほら
あれは中身なのです。
どれもみんな一緒にされて
今ではとても
中身のようには見えませんけれど
あれは間違いなく中身なのです。
(粉が主成分の)
微細な氷が
おおごとではなくな ....
思ったより砕けませんね。
だから時間もかかりますし
これは結構な消耗ですよ。
(その横の粉で固めた塊)
ここは暑いということで
時々、氷を頂いています。
そうすると私も
なんだかとて ....
あの子、読み込みが止まると
一気に喚き出すのです。
家の場合、何かの理由で
しょっちゅう読み込みが止まるものですから
その度、慰めなくてはいけません。
私は、このまま待つか、再読み込 ....
雑草の背比べ。
(躍起になって草むしりの人)
切が無いのですけど
むしらないとあっという間ですからね。
それに、慣れてくると
楽しいもんですよ。
(時には寄り添って)
寄り処が、 ....
連番の悲しさでした。
私たちは、順を振られた日から兄弟でした。
順が有ったからの兄弟なのに
連番の定めが、ちらつき始めた頃には
私たちは、順のことを憎み創めていました。
可笑しな話です。 ....
ささくれの知れた痛み。
今、あなたに構っている場合じゃないの。
もうすぐ石積みのポストマンが来るのだから。
(知れた痛みなのに、疼き始めるささくれ)
ちょっとばかり待ちなさいな。
事が済 ....
内輪の模様に困ったのなら
うちわに手を通してみると良いです。
不意な質問はいりませんよ。
私、不意に立ち回るの得意ではないのです。
あぁ
はみ出してしまった余分なものなんて
いっそ ....
器から食み出した料理。
(注文をつけようとするあなた)
形が決まらないものを
私は好まない。
(控えめ、少食なあなた)
こんな量は、とても頂けません。
私の場合、小皿ひとつで十分で ....
交互に点。
黒で点、
白で点、
黒で点を打ったつもりでも
白で点を打ったとも言えなくもないようです。
あぁこれではまるで
私が図に乗っているみたいじゃないですか。
(言い訳の図) ....
支えの絞りで、ピント合わせ。
退屈しのぎが退屈だなんて
なんてつきの悪い考えだろう。
人は無鉄砲だなんて言うけれど
そもそも
鉄砲なんて持って無かったじゃないか。
(受け取り図)
....
予定があるなら
是非、教えてくださいよ。
そうすれば音量も上げられますから。
もちろんそれは同意の上でです。
きっと
あなたの同意も
わたしの同意も
似たか寄ったかでしょう?
部分を分けているのに
使いすぎた輪郭が火照りました。
(森は緑と言う人)
そうです
私は眺めていました。
緑の部分は、私にとっては森なのに
誰かが入ってきて
たまに緑が赤らむのです。 ....
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