引き戸の開け方で
それが誰なのか聞き分けられるようになった頃
未練を滲ませる静寂を恋しくおもお

大き目なテーブルの四隅は、夏だというのに冷たくある
残った筆跡が語ることを(僕が)語るには
 ....
雪のあとの街の中
どこにでもあるような丸椅子と私
席っていうものがなければ
私はここに居られないような気がする
それにたぶん
そこそこ空席でなければ
いけ(イケ)なかったかもしれない

 ....
つくりものの「空」や「海」の癒(卑)しさ加減(下限)
手切れの悪い2000円札
時代に押収される壁紙と 時代に残留し続ける○神

やさしい通貨の通り道
偽りの二枚貝からのHey! Say!  ....
僕の膝下
君の四つ足と同じ高さ

これまで ずっと ここで
僕の膝下が追いつくのを
待っていてくれたわけじゃないと思うけど
今から数時間の"あいだ"だけは
僕のため ....
たったの四分十一秒
すでに そのうちの
三分以上が過ぎようとしている

消えてしまいそうな気配の中で
異国の言語による雑談を聴く

「手術中」と言わんばかりの
真っ赤なネオンサインの取 ....
日が昇って
半解凍へとかえる大都会

ふと目(me)を増やしすぎた怪物が
ふと自分で喋ることを忘れそうになる頃

地上に向けられた監視カメラの視線は
この地に隠れている呪縛霊の
その眼 ....
バスタブに浮かんだ暁
電球から飛び出す雄牛
あれはたぶん
大宇宙と小宇宙のあいだ

消えない手錠のあと
囚われグセに泣く恋心
シルクハットが武器になる時代だもの
ダミ声まじりに雑用こな ....
時間が過ぎたような褐色のマグカップ
味とは無関係という関係
肌色に近づいたファンデーションを
是非 あのマグカップにプレゼントしたい
隅にあるテーブルは意図的
いつも 陸地を忘れたころに
 ....
景色のいい喫茶店
口に出したわけでもないのに
何かを察した店主が
店前の電柱は
この景観のために
地中に沈めたのだと言った

それを受け
機嫌の陰りを見せる私の話し相手
そんなこんな ....
指先のくぼみが赤い
神経は気まぐれで 思い出し痛み
肉のクッションは誰のもの
せめて骨くらいは 自分のものにしたい

とてもよさそうな歌声が
突然 僕に覆いかぶさってきた
駄目だ ここか ....
駅の向こう側
握り拳のような眼球
脚が六本になって
蟹のような歩き方になってた

影が動くというよりは
太陽のほうがもっと動いている感じ
でもね 畳の日焼けを追いかけるようになると
い ....
切れ落ちた主語が見る夢
派手目なモザイクの色は何色?
断定しにくい近未来だからといって
そこまで自由じゃないかもしれないぞ

色気の無いフィギュアヘッドと
ダンスが命の演歌歌手
量産一歩 ....
いつもより長い爪からの予感
すでにもう完結した話や
いますぐにも完結する話なんかより
いつにでもまた再開できる話のほうがいい

たとえ馴染みのルートであっても
いつもと知れた中身が
じわ ....
客間が、ぶっ壊れた朝昼晩に
私の道標が、感情という名の
どこか哀れな入れ物に
ただ無条件に入れられていく様を見た。

その様を私は
暗いと言ってもいいし
逆に、とても明るいと言ってみても ....
どんなに内向きになったって
うしろの背中が見えるわけじゃないから。

矢印を使われてしまえば
自然と「矢印」しか見えなくなる。

木が立っていることを信じなければ
何処へ行っても生きては ....
どっちがどうとか言うわけじゃないが
ただただ(タダタダ)「みやこ(都)」という響きが
嫌いにはなれないらしい。

三階へ続くための
二階にしようと
試みてみるまでは
それはただただ、タダ ....
子供のリュックサックの側の付近では
いつもの均等で均一な空気が
なんとなく急かされているように見えて・・・。

真っ黄色に染め上げられたリュックが
強い昼の日差しを受けて
何かのキャラクタ ....
閉鎖傾向の鞘の中。
無数の土産屋の陳列列島(劣等)。

身なりの時計は
知らず知らずのうちに
どこかと
だれかと
みんなと
かたこと
たわごと
ままごと
「と」ととっとと同期しや ....
小さな声量に隠された「正直」と「嘘」を見分けられない。
そういうふうに言うから「時間」が登場する。

飛びたくなる気持ちを抑えながら私は
「私」というものが、いつもついてくることについて
な ....
掃除をしてくれている人がいなくなった頃に
もう一度、あの人に逢いたい。

僕も一度は句読点と
さよならしたいと思ったことがあったけど
でも結局、駄目だった。

帰ってくる(べき)場所に
 ....
あの「滝」に含まれる水(推)量についてと
その「滝」がこの世にあるということについて
私が、これっぽっちも手がかりを掴めないでいる間

あなたは、そんな私について
思うことがあるような素振り ....
その空行を「空白」に化けさせているのは
誰でもない自分自身だと
言い切らない
いや
言い切れない
いや
言い切りたくない
ということにしてお(老)いた。

去年か一昨年に見えた、突然 ....
五つ並んだ水の出口には
五首の水蛇が
棲みついていた

あの水には
たくさんの酸素が
溶け込んでいるから
呼吸は無問題

あの子は端の出口が好きだった
でも端にある出口は
誰から ....
ナンバリングされたドア壁。
たわわに実った銀のドアノブ。
水(ミズ=見ず)のような蜜は
まったく甘くもないし
ちっとも柔らかくもなく
むしろ硬い。

細すぎず
太(不)と過ぎない程度の ....
切り開きの中身は迷い道。
具合の悪い右手のサドル。

適温のしがらみに泣く夜は
胸くそ悪い街灯よりも
夢うつつ、月光、仮面
そして舞踏会。

「座」席を失ったオペラの怪人。
最初で最 ....
雨乞い儀式の横丁。
ワイパーに滲み出す背徳感。

--ここは外面洗車場。
--仕上がりは、異常なほどに
--自然でございます。

大きな(ビッグ)デトックスには
小さなリスクはつきもの ....
七枠外して懺悔夜叉。
奇怪な口元を自作する際には
案外、見本はいらなく
割と自発的なものであった。

猫になりかけたコピーキャット。
猫に小判に招き猫
大抵は幸福事項。

気の利いた ....
五つの突起付きの二次元には
無垢な黄身色のクレヨン。
手の届かない保育室の大宇宙。
工作は、いつだって大人の仕事(業)。
流浪のカラシ色には
シリアスをとことん脱色したあとの
ハッピーエン ....
量産された緑は
あの角屋の先に立つ貴婦人の頭飾り。

刈り入れ不要とはいかない花(鼻)の出所。

隊長(体調or体長)命令に背くようなことは
出鼻をくじく嫌いがあった。

拡張されすぎ ....
失速する黒は
兎と亀で言うところの兎と亀。
両極端は、つまるところ一介(一塊)のもの。

片目(硬め・肩め)の両生類の歌声。
密林よりは砂漠
さらには
砂漠よりも荒地が好みな生命体のよう ....
yuugao(119)
タイトル カテゴリ Point 日付
また日が(悪)から自由詩114/8/22 20:22
雪が空(あ)けた空(そら)自由詩114/2/10 19:39
額の中の世界へ自由詩114/1/1 11:09
名前だけが年越し自由詩1*13/12/31 18:04
破棄された街灯自由詩1*13/12/27 22:14
答え探しの大都会自由詩3*13/12/21 22:58
恋路の性自由詩113/12/14 19:06
メモから箇条書きへ自由詩1*13/12/13 21:51
沈んだ電柱自由詩1*13/12/12 21:41
言葉の霧に巻かれて自由詩313/12/9 18:11
時間のとびかた自由詩213/12/5 19:17
心の方眼紙自由詩113/12/4 17:30
脳にある瘡蓋自由詩113/12/3 17:57
(ぶっ)壊れた絵日記自由詩112/7/15 9:52
後の正面自由詩212/6/29 22:23
来る夏の階段に自由詩112/6/15 20:32
平坦な夜を明(空)かして自由詩212/6/8 21:15
ゼロから一、一から?(ハテナ)へ自由詩212/5/30 21:00
タイムis...。自由詩012/5/29 21:17
こころの物心自由詩212/5/25 21:02
風が刺さって自由詩212/5/17 21:10
空白が種を結ぶ、その日まで自由詩412/5/6 14:35
横並びの蛇口自由詩312/4/26 20:51
火照る「つりぼり」自由詩212/4/2 21:01
樹液(受益)の幹目自由詩112/3/19 22:43
兆しの数分自由詩012/3/12 20:29
可視光線の闇自由詩212/3/9 19:13
☆に願いを自由詩112/3/8 20:49
クローン名残り自由詩012/3/7 20:28
リトルグレイの肩幅自由詩112/3/5 20:33

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