艶やかに
またたき始める防腐の衣。

(出所のわからない応急薬人の訴え)
本番をする前のことは知りません。
それとこれが本命かどうかすら
まるでわからないのです。

(浮遊を許された包 ....
三橋に降り積もる数字の粉。
揺るぎない25分は
実り在る者にとっての要。

ふと
街角のどこかで
売り物が非売品へと変わる音がする。

整形された鉱物の響きは
大多数の河岸に置いてき ....
夜を待ちわびる右折の多い交差点.
黄色が教えてくれるもの
その予感は誰のものなのですか

今ひとつ、今にひとつ
アテのある居所、アテがあっての居所
水の凍る居所、水が凍る局所

待ちの ....
いつか見た歩行のつぼ
皮と肉を感じさせない陶器の心

手出しが無用になる夕暮れを過ぎれば
手出しが不用になる朝焼けを待つだけ

円形に結んだ口の先が
総じて地平線と重なるようにできていた ....
人の足跡や足音が消えて行くのは
目に見えるように分っていた。

あの場所では
自分を疑うより、他人を疑ったほうが
人の居場所として適しているのかもしれなかった。
番になれなかった蝶々結びがひとつ。

咽の頭が
ひとつふたつ飛び出して
あてのない渇きを訴えている。

共に立ちえない辺の先が
行方知れずになりたいと訴えかけてきた。

叶わない全体 ....
皆が繋ぎ目だと言うから
もうあれは、繋ぎ目にしか見えません。

(裏方の方から)
意味の息が長すぎれば
舞台が切れる前に
大抵、役者の息が先に切れてしまうのです。

使い古しの台本も
 ....
あの情に流されない無垢で無口な壁が好きだ。
いちびる陽日に怯えることもなく
時間にも逆光していくかのような、あの壁が。

ユゥアマイサンシャーィン マイオゥンリィィサンシャーィン
先入りの名付け親達。
造られ半分、何かが欠けていく気がしていた。

絆創膏が、絆創膏ではなくなった日から
どことなく世界が
意気地なしになったような気がしている。

育児を失くした名付け ....
降りてこない遮断機の前で
ひとり半目の
通せんぼ。

向こう岸の空気。

酸化しないと決めたはずの鉄が
怯えるかのように
急激に震えだす。

半目の背丈ほどある姿が
決まり事の便 ....
強すぎた蛍光灯に、何度も頷くような夜。
加減をしらない前の自分を見た。
はちきれそうなことは
案外、頑丈にできているものだと知る。

例えば、膨らむものがあれば
縮むものがあったり。
慌 ....
空気より軽くなった実についての考察。

(遠くから見えたい人)
ほら
あそこに浮いているのが見えるだろ?

(不十分すぎた不純さ)
強引様のお出ましさ
あれにはなんてったって
知らん ....
物理に従っていた日記の
そのページの切れ端で
何処からか抜けていく空気を束ねて
物に埋もれている日々の中に
忍ばせ埋め込んでやる。

味わいは
いつだって知らん顔。

時間に裏切られ ....
安堵の表情を見せる半角英数字。
あやふやな下線の下心。

断末で響き渡る
Enterの音に合わせ
密かに口を空けながら
呼吸してみるのも
案外
悪くはなかった。

止まる一歩手前か ....
追加の勘定を弾ませて帰る還り道。
黒ずんだ木の隙間から
偽者のような、嘘のような小動物。

伺い知れないでいるのは
どことどこの
どちら様だろうか。

挨拶を証明するような時期は
と ....
四の並びを避けたい一心の
番狂わせな四隅の角。

帯状の試験管に潜む
冷たい仕打ち。

隔たりに、突き上げられている事実は
送り手の番に
どうしても従ってくれない。

注意が反れて ....
百八番目の玉が弾かれている間に
知らない双玉が追加されていた。

番が似合わない竜の独り言。
竜を夢見る蛇の強がり。

柄を寄り処にする反面教師の企てを知り
蛇が、そのまた蛇を同伴にして ....
真っ白く巨大な雲に
薄くて淡いグレーの雲が
今にも食い千切られようとしていた。

止まっていることと
動いていることが
まるでわからなくなる。

ぼやけた真実が
確かな真実になったり ....
息を転がして
そして
その息にケ躓いて

-------
ひとりと一つは
冠を被った泡の髑髏
-------
二重が物語るものは
今からを懐かしむための銀幕
-------
飛び ....
指の境目に現れる透明な詩話
越えたように波打ち続けている

記憶を邪魔者にしようとして
うっかり波にさらわれることもなく
取り残されてしまう

同伴する記憶が欲しがるガラスを
もっと増 ....
札付きのポスト。
語れない物陰に隠れて遊ぶ夜。

コマ送りカラクリ人形の
差し入れを飲み込んで
心なしか
夜が明るくなった。

思い付きで
錆びにくい鉄のことは
錆びない鉄と呼ぶこ ....
追放された園方。
左目に溜まったものを
指で払い退ける。

失った部分が
期待へと変貌する。

赤茶けた横腹を擦ることが
楽しくて仕方がない。

預め言っておいた者(物)が
先回 ....
誘導された庭園で、不意の深呼吸。
どういうわけか
頂いた気分になれずにいた。

吐き出そうとすればするほど
それだけ加算されていってしまう。

吸い込み口としての宿命を捨てるための知恵が ....
一枚一枚
念入りに引き寄せてから
そのあと
一枚ずつ丁寧に羽織っていく。

「この蕾の中には、何かいるぞ」

思惑が、どんなに咲き乱れようとも
羽織は既に
この通り
完了し終えてい ....
穴あきのポケットのことを
いたく懐かしむ。

あえて
口を閉めようとしなくたって
逃すことなく
いつだって閉まっている。

かといって
年がら年中、閉まっているわけではない。
その ....
屋根つきのテントの下で
衰えを知らない管楽器の音を聴きながら
ドリンクサービスのグラスを前にして
売り子のように気取ってみせる。

 これ、なんとなく夢だったんだよね。

我に返そうとす ....
雨が置いていった湿度
長気の除湿を待つことは無理そうだ。

過して失われていく途中で
雨親から離れ落とされた湿度たちが
それなりの密度で群れながらも
迷子顔して近づいてくる。

身体に ....
末広がりなクローバー。
支えの広がりは、図であるがゆえに必要。

日の目を見ない予測のために
はみ出しのところを、無理に曲げたのではありません。
こうやって事が二転三転する間には
はみ出し ....
水蓋が波打ったから覗きに行く。

搭乗回数をメモしておいた壁に手をあてて
今度は足元を、かすめ取られないよう慎重に。

浮き足立ってしまう中身は
ひもで括って下に降ろしてやる必要がある。
 ....
当たり前の素材。
器を囲んでの食事。
道具を手にした採集。

地割れしない程度に杭を打つ。
大事に至らない躓きを繰り返して
もう杭については、お手のものだと思った矢先の躓き。

(地割 ....
yuugao(119)
タイトル カテゴリ Point 日付
饐えた時間自由詩1*11/11/2 20:57
ねじれの25分自由詩4*11/10/25 22:01
氷漬けの後の空腹自由詩2*11/10/20 19:27
足が出ないでいる内に自由詩2*11/10/14 23:47
場所がつぶやけないなら自由詩3*11/10/13 20:49
水を得ない海辺にて自由詩4*11/10/6 22:08
振り替えの時だけは自由詩6*11/10/4 21:14
隔ての隣人自由詩1*11/9/30 21:35
習性液自由詩1*11/9/29 21:28
教え込みの彼岸自由詩6*11/9/26 20:47
浮き沈みの証に自由詩1*11/9/23 23:20
命綱のしなる夕方自由詩1*11/9/22 17:16
空虚の道しるべ自由詩2*11/9/20 21:47
休めない息を慰めて自由詩011/9/13 17:11
裏の挿し木で自由詩2*11/9/11 21:19
自室にて自由詩1*11/9/10 23:58
Aが一つBも一つEは二つ自由詩011/9/9 23:11
止め処なく、取り留めなく自由詩2*11/9/7 20:15
七部丈の疑念自由詩011/9/6 21:54
三十分後の青春自由詩1*11/9/4 21:56
然れど平坦な夜自由詩4*11/8/30 23:03
拡散する期待のように自由詩2*11/8/29 20:18
ニューエイジ自由詩3*11/8/28 21:33
透ける証明書自由詩1*11/8/28 10:40
五行のファイル自由詩1*11/8/26 21:44
埋もれそうな意義自由詩1*11/8/22 21:39
過失器自由詩3*11/8/20 20:41
合挽きの言葉自由詩4*11/8/17 19:19
ガラスのしわ自由詩2*11/8/15 18:29
歩行のつぼ自由詩2*11/8/12 21:33

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