死んだあの子がまた夢に出てくる
私が迷子になると
またあの子が夢に出てくる

深海を歩いていると
またあの子が夢に出てくる

ひざを抱えて昨日を見つめていると
またあの子が夢に出てくる ....
猫の欠伸は花のようだと言った詩人がいた
そうであるなら
欠伸をしていない時の猫は
蕾なのだろうか

眠りから覚めて
今にも欠伸しそうな顔をしている猫は
咲きそうな蕾であると

今その ....
人は真面目なのだ
長い文章を見ると
読むのが面倒だと思う
だけれど
誰もすべて読めなど言っていない
なので
一行だけ読んで
本を閉じた
すると
先生が怒った
それでも僕は
また一 ....
しだいに弱くなってゆく鼓動に
光りが見えているなんて
誰が思っただろうか

視界があるばかりに
見えなくなってゆくものがある
まだ僕らが産まれる前は
全てが輝いていた
闇を創ってきたの ....
真っ白な正方形の紙の真ん中に
万年筆で花、と書いた

そうすると花という字が
何もない所から颯爽と現れたように見えるが
よく見ると白という空白に押し出された
花という字の形をした
歪みの ....
月明かりが綺麗に椅子を照らして
部屋中を蒼暗い影に塗っていく
埃が星の代りに浮かんで
深夜に水滴が落ちている

もういいかい
まぁだだよ

言葉の要らない言葉が
ずっと静かに漂い続け ....
星々が名のない列車に乗ってゆく
それを透明な駅員だけが見送る
自分たちがどこへゆくのかもわからないまま
疑問さえも忘れて

月明かりというのは
死んだ星の遺言だよ

誰かがそう言った
 ....
う つになった
つ まづいてしまった
く つがぬげた
し にたくなった
い きることになった
言葉が雪のように積もって
溶けてゆく

私たちは言葉の全てを受け止められない
だけれど
言葉は私たちの思いを全て表現できない

零れ溶けて水のように流れていく
私たちが受け止め切れない ....
花にも悪巧みをするというイメージを恵んで下さい
綺麗なまま汚される恐ろしさから逃がして下さい
言葉にも休日を下さい
無言という世界を情報過多の今にどうか与えて下さい
思い出に付箋を下さい
忘 ....
冷凍庫にしまったはずの夜
誰かに盗られていた
一切れも残さず 影も残らず
切ないことの一切が
夢のように沁みる
不確かな確かさが
心の蔵に突き刺さる
あなたに会えてよかった
それすら切なくて
命が海に浮かんで空を見てる
目覚めるような文章や言葉が書きたかった
今という記憶に埋もれた感性を呼び起こすような
『嗚呼、そうだったね』と涙するような
春の中に芽生えた秋を育てるような
そんな言の葉を 今も
君の幸せを願うことで不幸になる僕は馬鹿だ

宝石みたいな未来が待っていても泥棒は居る

子守唄のような人生はナイフを渇望している

愛されることで溺れる金槌はどこへ行っても

死んでし ....
いっぽんのいとが
とぎれることなく
しずかにつづくことが
いとしいとおもうのです
洗濯物が乾くのを死んだ目をして眺めている男の目が
違う世界を視ているのを私は知っている
夢もハンカチも青もいつか汚れてしまうのを
当たり前に魂が記憶している

向日葵を旗にして歩いていこう
 ....
君の瞳に花が棲んでいたこと散ってから知る 涙が花弁 君の人生の文脈を指で辿って胸の鼓動に溜め息が出る。



朝日がノートを照らした間だけ、私が書いた文字が脈を打った。



今日夜が綴る文脈は深海で忘れ物をしたような輝きがある。
 ....
人生の射幸性は何割もないこと、知っているから花を育てる。 朝の頭痛が
深海を泳ぐ
今日生まれてきたこと
精一杯謳歌したいのに
重い荷物ばかり背負って
へこたれている

涙の代りの汗が光っても
ちっとも綺麗に見えなかった

私はいつからこの ....
掴んだものがぼやけてしまって
咲かないまま枯れた
もうすぐ夜がやってきて
僕らの時を奪っていく
枯れたそれを 握ったまま
さようならの後ろで
顔を出している人がいる

気付いてほしそうにしているのが癪に障って
無視をして歩き出した

でも何だか涙が出てきて
振り返ってしまったのだ

だけれどあなたは振り ....
詩を書くということは
死をかくということで
志をかくということで
糸をかくということである
星々が紡いだ朝を毛布にして
夜は眠る 瞼を閉じた役割のない世界で

毛布になった朝は太陽を掲げる
その両手は太陽の手と呼ばれた

名のない時代でもそれは当たり前のように巡り廻った
その頃 ....
夢にナイフを突きつけた時、君の朝が沈む。 誰かの花が折れても幸せはなくならないことを残酷という。 何も知らないから
何かを知っているのだ
愛されたかったそれは海と空の境界線を目指したのでした
誰よりも遠い旅でした
誰よりも悲しい旅でした
灯りがつくと胸が温かくなる
君が笑うと胸が温かくなる

君の笑顔は灯り
消えないでいて
消えてしまうとしても
瞬く花に夜が枯れては嘘を紡ぐと笑う君。
きみのてを(69)
タイトル カテゴリ Point 日付
さよならはまだ自由詩520/11/13 15:27
あたたかな蕾自由詩4*20/11/8 17:20
面倒自由詩220/3/7 18:34
見えなくなってゆくもの自由詩120/3/7 18:28
自由詩220/2/29 21:00
不在自由詩120/2/26 19:08
名のない列車自由詩620/2/23 21:16
うつくしい自由詩1*20/1/25 22:04
溶けてゆく自由詩320/1/13 17:18
見つけられないもの自由詩120/1/11 19:27
自由詩020/1/10 12:55
一切自由詩020/1/10 12:55
目覚め自由詩3*20/1/10 12:55
一行詩自由詩1*19/11/29 10:49
いとしい自由詩119/11/23 15:16
破片自由詩5+19/11/22 21:21
短歌0+19/11/15 11:18
”文”は紙(し)に生まれて”脈”を打つのだ。自由詩3*19/11/11 21:25
偶然自由詩319/11/9 11:47
怠惰自由詩419/11/9 11:19
咲かないまま枯れた自由詩219/11/7 18:44
さようなら自由詩419/11/5 15:44
自由詩119/11/3 20:46
自由詩719/11/3 19:05
夜が明けない自由詩119/11/3 18:12
自由詩1*19/11/2 17:45
子供自由詩119/10/31 11:34
自由詩119/10/30 17:15
灯り自由詩219/10/29 18:37
嗚呼、それは自由詩119/10/29 18:31

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