つかみそこねた声の粒が
まるで赤い宝石のように
風に舞って堕ちていく
はらはらと

ぬるっとした感情を持て余して
動けなくなった

なんで手に入らないんだろう
時空の歪みに心を寄 ....
空の真下の空白の
なんでもないの日常の
ありとあらゆる感情の
つまり私は空っぽで

そっぽを向いたまっぱのマッポ
ジッポで葉っぱに火をつける

ジジジと燃えた空白は
いつにも ....
帰り道

歌おうとした声が
切なくて

歌おうとした音が
次第に耳から遠ざかる

きっと酸素は心臓にまわっていない
故にハンドルを握る両の手指さえ

切ない
切 ....
いつもの道が
工場中の看板で通せんぼ

回り道は渋滞で
兎に角
太陽光を浴びている

今日は土曜日

私は私


回り道の見慣れぬ景色
眼下に広げた
沢山の屋根
 ....
ビー玉を掬って
いくつか掬って

ポケットに閉まってみる。

ビー玉はすぐに
旅を始める。

地中へ潜ったり
宇宙を旅したり

ね。

でもさ。

行き着く先は
み ....
苦しみとニアリーイコールな感情

友部正人と森山直太朗により
溶けた脳みそ

不安定で眠れない
不安定で眠れない

愛して
愛をして
愛でいて

それでいて

もう ....
ゆらゆら
揺れて

地球の上で転がって

確かなものを確かめに

不確かなものを許すために

さまよいながら
憂いながら

意志を通すために



私は ....
例えば
なんて言えば
何もかもが憂鬱になるから
そんな日は
空を見上げて
思いを揚げる

どうせ
なんて言えば
すべてが空虚になるから
そんな日は
目を瞑り絵を描く

も ....
少しずつ
剥がれてゆく日常

面の奥に隠した感情は
熟れきった果実

触れてしまえば朽ちる

それを知っていても
進む以外の選択肢は無く

今日も偽物の真っ赤な唇で笑う
 ....
深夜

招き猫は歌い出し
庭のフクロウは文字を見つけた

生まれたばかりの星たちは
少しずつ優しさを放ち出す

月はまだ昼寝をしていて
雲は風に逆らい始める

手から染み出る ....
みぞおち辺りに
蟻がいる
ぞろぞろと列を作り
どこへ向かうでもなく
同じところを
ぐるぐる
ぐるぐる

雲で出来た綿飴を与えたら
列を乱し慌てるだろうか

悲しい哉

教 ....
空だとか
雲だとか
風だとか

宇宙の真ん中で

なんだかよく
立ち止まる

胸を突き破って
手が何かを
ほんの僅かな何かを
掴みたがっている

刹那
涙が溢れて
 ....
巡り巡るのは
この体のどの部分だろう

美しいモノが何だか喧しくて
見ていられない

胃を急き立てる文字の群れは
胸を焦がして焦がして
睫毛さえも弥立つ

やっぱり誰か頭上で笑 ....
こっち

おいで。

抱き
締めて
あげる。

無条件
で。
そのままで
いい。


にも
いらない。

沢山を
手放せば
いいよ。

抱き
締めて ....
もっともらしい音を立てて
近づいてくるものを

振り払うことができない

高く高くあげてしまった凧を

地へ降ろす勇気がない

すべては死に向かう

そんなことは百も承知で
 ....
わたしは
だれ
だったかな

忘れたくないのに
薄れていく

赤々としていたのに
薄くなり
桃色になり
白になり
無色になって

鋭い刃物に
怯えて

色も体温も
 ....
独りになりたくて
そんな夜があって

そんな夜には
鏡越しに見える現はいらなくて

吐き出す術をも知らずにいて

まるで深い井戸の闇から
遠く彼の空の幻を見ているようで

人 ....
よくわからない今日が
静かに終わって

明日は
よくわからない今日を
引き摺って歩む

時々振り返っては
首を傾げ苦笑う

そんな今日を幾重にも積んだから
私は私が
よくわ ....
手繰る気配

目を瞑り

唯唯
手繰り寄せる

しっかりと立つ
じっと待つ

大声を出したくなる衝動は
小さなネズミに
くれてやる

走って転んでも
ふっと笑う

 ....
求めてはいけない世界の入口で
きみにサヨナラをする

小さく手を振り
大きく踏み出す

あの日の静寂は
今日への始まりだった

わかっていれば
わかっていれば

これは
 ....
シルクの手帳
めろんのかほり
明日のあしおと

目を閉じても
まだまだとほく

呂律のまわらぬ
舌の奥
無数の言葉は身を隠す

冷たい空気の中
蝉の鳴き声と戯れ
次を捜す ....
脳天に染み入る
青い空

鏡は今日も
ありのままを映し出す
それが真実だとは誰も言い切れないだろうが

独りの時間を愛するはずが
いつの間にか
そうではなくなっていて
肌が自室 ....
外は夜
なのに
脳は昼間の路を
行きつ戻りつ

脳内から
如何にしても
己を削除出来ない
控えめを心掛けているクセに
なんて自己中心的

錆びた感情
湧かない言葉

苦 ....
この感情は
なにで出来てるんだろう

シンとした夜の真ん中は
何かと考えることが多くて

でも

気づいたら
思考は動かなくなって
感情がゆらりとぶら下がる

何にもない日 ....
ぼんやりと
夜を見送っている

明日は来るだろうか
明日は来るのだろうか

天秤に何をのせれば良いのだろうか
右側に傾くことを知っているから
だから悩ましい

耳を突く夜の闇が ....
手のひらの幸せを
集めて集めて
数えてみた

思ったより多かったから
コンビニで
百円を募金した

雨は止むことを忘れたようで
それが可笑しくて
笑っていた

今日は火曜日 ....
影に怯えてる

逃げても
見ないフリをしても
振り払えない

脳裏には
鳴き声を
噛み殺す鳥

泣けばいいのに
たくさん

声が枯れるまで
静かな夜
歌声をこしらえて
仮初めの言葉を携えて

夜空に光を放つ
反射
また反射

どこへ行くのだろう
どこに逝くのだろう

秒針を追いかけて
音もなく湧き上がる
心の機微

見えずとも確かな証は
間違いなく刻印された

過去に犯した過ち
見失った想いたち

今日に繋がるためだったか

胸に染み入り
心に刺さる
 ....
寸分狂わず生きていけたら
夜毎
笑顔は重なるだろうか

皮膚の下
ドクドクと脈打つ赤い液体
私のはきっと血なんかじゃない
赤かどうかすら怪しくて

別に
生きるのに支障は無い
 ....
もずず(34)
タイトル カテゴリ Point 日付
声の粒自由詩416/7/20 2:32
タッタカタ自由詩014/4/11 0:58
3月。自由詩013/5/27 0:11
土曜日自由詩113/5/27 0:09
ビー玉。自由詩213/1/16 0:40
夜のうた自由詩112/10/30 1:35
揺れて自由詩212/9/19 1:21
言葉吐き自由詩312/6/19 0:19
狂気自由詩412/5/2 0:26
夢灯自由詩212/3/22 22:42
蟻の列自由詩011/12/4 21:59
蛍光灯自由詩611/11/7 2:04
言葉自由詩111/9/23 1:58
てのひら自由詩011/8/31 0:18
それらしく燃えるもの自由詩111/8/19 2:24
開かない扉と刃物自由詩111/8/7 22:37
ひとりごと自由詩111/8/4 22:26
膝を抱えて自由詩211/7/28 23:32
あ ネズミ自由詩011/7/12 1:17
静寂自由詩111/6/27 23:30
めろんのかほり自由詩211/5/7 19:53
流れゆく時間自由詩211/5/7 13:39
削除自由詩211/4/6 13:42
空の真似自由詩111/2/11 11:09
夜の天秤自由詩010/12/20 1:51
火曜日自由詩110/12/20 1:10
鳴かない鳥自由詩110/11/1 1:21
夜空に秒針自由詩010/9/12 23:25
花の名自由詩110/9/6 23:40
血の色ともぐら自由詩210/8/30 23:51

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