闇を照らすランタンは
いったい誰が持っているのか
取り残された僕は
もう一歩も動けない
迷うことすら出来ないんだ
カボチャオバケのランタンでいいから
明かりをくれよ
道を照らして ....
秋のイチョウ並木道
枯れ葉を踏む音が哀しい
でもこの音が好きだ
リズムが少しずつ元気をくれる
だから哀しさはあっても
寂しくはない
夏の命の抜け殻となってもなお
心に響く木々 ....
覚えていますか
あのぬいぐるみのこと
楽しく遊んだときも
喧嘩をして帰ったときも
眠くてぐずったときも
いつも一緒にいたぬいぐるみ
ふわふわしてた
笑ってくれた
話してくれた
....
シロツメクサの絨毯の上で
君と僕の笑顔を飛ばそう
まるでモンシロチョウみたいに
ほら空高く昇って行くよ
消えないように
絶やさぬように
笑顔を飛ばし続けよう
穏やかな6月の午 ....
求めてはいけない
何も求めてはいけないんだ
蔦に絡まれた僕の心
息を潜めて隠れているぞ
だからその心は誰も見ることが出来ないのだ
泉の周りで一晩中踊ろう
round and r ....
秋か来て
恋が終わる
楽しかった時間は
静かに波にさらわれ
打ち寄せられた貝殻が
夏の余韻を残すだけ
絡み合った君の指は
今はあまりに遠くて
青空を切り裂いていた白い太 ....
空は悲しみ色に染まり
やがて激しく泣き出した
あえて僕はそれを浴びよう
僕の錆びついた鉛の心
純粋な悲しみ色で塗り替えて
きっとその方が
素直に泣けると思うから
水銀みた ....
流れ星ひとつ
流れ星ふたつ
宇宙が放った僕らの希望
流れ星みっつ
流れ星よっつ
それは儚いものだけど
流れ星いつつ
流れ星むっつ
必ず輝く時が来るって
何億光年も ....
草むらは切り開かれ
キリギリスはいなくなった
裏山は切り崩され
クワガタはいなくなった
沼は埋め立てられ
ザリガニはいなくなった
代わりに蟻のような人間が来た
巣穴を広げ
....
ここには道があって
歩いてる人もいれば
休んでる人もいる
なかには走って追い抜く人も
それぞれがそれぞれのやり方で
この道を進んでいる
もし共に進む相棒が見つかれば
こんな幸せな ....
眠れない夜
蜘蛛の子達が蠢き出す
無数の血管に入り込み
チクチクと毒針を刺す
体は痙攣してハイになり
脳に届いた毒は
死の自動思考を始める
蜘蛛の子の毒は
精神を少しずつ殺 ....
ある日
少女は恋をした
知的で優しい学生さんに
彼女がいること知りながら
それでも少女は胸の奥
恋心がどんどん熱く
いけない恋
叶わぬ恋
だからこそ炎は燃え盛る
禁断 ....
少女の数だけ夢がある
それはとても純粋な
満開の桜草が広がるように
しかし
少女は世界のピースを見つけるたび
桜草は壁で埋められてゆく
迷路と化した壁の中
迷 ....
少女人形はされるがまま
時には優しく抱きしめられ
時には激しく凌辱される
でも少女人形は
何も言わない
何も言えない
ただただ
ご主人様のなすがまま
栗の花の匂いのする ....
春に
愛する人を失えば
桜の舞い散るを嘆き
夏に
愛する人を失えば
蝉の朽ちてゆくを嘆き
秋に
愛する人を失えば
青空の向こうの魂を嘆き
冬に
愛する人を失えば
共に ....
溢れ出る言葉
消えていく言葉
伝えたかった想いは
半分も伝えられなくて
言葉は木の葉に当たる雨粒
弾けて細かい粒となり
散り散りに飛散する
きっと一滴の涙の方が
よほど饒舌 ....
ふんわり雲に抱かれたら
ぽかぽかあったかそうだけど
ほんとは凍てつく冷たさだ
騙されるな
氷つぶてを投げつけられるよ
やっぱり抱かれるなら
ふんわりおっぱいの女の子さ
晴れた ....
ホタテの貝柱は
何故太いか知ってるかい
ホタテは死んだら貝柱を天に伸ばして
天空を支える役目があるんだよ
でもほとんどのホタテは
寿命が来る前に食べられちゃう
だから天空はその ....
どす黒いトラウマは
冷凍され
心の永久氷土に
眠り続ける
そして
時折顔を覗かせては
僕の意識を
凍傷させる
誰も気付かない
自身も気付かないうちに
静かに病んでいく
....
深夜 静かな公園のベンチで
そっと涙を流す
失ったものの重さ
耐えられそうにない
僕はいくつ失敗を重ねてきたのだろう
届きそうな幸せは
みな手をすり抜けていった
崩れてゆく未 ....
愛してるとか
愛してないとかじゃなく
君のことを想っていたいんだ
僕の幸せのために
君の幸せを願う
勝手過ぎる夢見人さ
君が知ったら笑うかな
それとも軽蔑するかな
君はさざ ....
この夏の僕の想いは
何処に行ってしまったのか
一方通行の想いは
独りぼっちの雲のように
すぅーっと漂い消え失せる
熱病に浮かれていた夏
今はただカモメが舞っているだけ
『僕の ....
色のない部屋で
出口のない部屋で
ずっと耐えていたんだね
ずっと光を探してたんだね
爪が割れるほど壁を叩き
声が枯れるほど叫び続け
流す涙の意味もない
無機質で冷淡な部屋で
....
パッパカパーとラッパを鳴らし
豚が元気に歩いてくる
『僕はトンカツになるんだ』
『美味しく食べてね』
と去っていった
ドンドンドンと太鼓を鳴らし
牛が元気に歩いてくる
『僕はステーキ ....
世の中は蟻地獄だらけだ
ひっそり罠を仕掛けて
獲物が落ちてくるのを待っている
奴らの罠に嵌まったら
どんなにもがいても逃げられない
蟻地獄はその時
ゴソゴソと牙を出し
弱い蟻 ....
雪崩のように降り注ぐ太陽も
やがて白熱電球並にしおらしくなる
浮かれた喧騒も一休み
恋も沢山弾けて飛ぶさ
閑散としたビーチ
僕はその方が好きだな
風は少し冷たいけど
海は澄ん ....
優しさの詰まった袋があったら
ひとつでいいから分けてほしい
哀しみの詰まった袋があったら
僕の哀しみも入れてほしい
沢山の傷と
少しだけの笑顔
僕の人生の袋には
何が詰まって ....
愛は優しさだけじゃないって教えてくれた
激情とも言うべき気持ちのぶつかりあいが必要だって
でももういいんだよ
穏やかな気持ちでいれば
闘わなくていいんだよ
空は広く
そして何処まで ....
滴り落ちる朱が
脳の闇を呼び覚ます
隠れていた魔物が
『逝けよ 逝けよ』
と騒ぎ立てる
ネジの緩んだ僕の体は
ぎこちなく葬送ワルツを踊り出す
ここにはない何かを求めて
魂は ....
時計を壊しても
流れる時間は止められない
時間は無限に過ぎてゆく
でも僕の時間は無限ではない
いつか終わりが来るのだ
せめて目一杯あくびをして
時間を吸い込んでやろう
笑って ....
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