僕が歩いてきた後には
道が出来る
でもその道は
決して戻れない道
僕が行けるのは
未来に伸びる道無き道
逃げ場なんてありはしない
ただひたすら歩むのみ
ここまで来る ....
オレンジが輝き
街が金色に染まるとき
僕の涙も輝いていた
よく笑う君が泣いたのは
ちょうどこんなときだったね
そして黙ってキスをした
愛と哀で満ち溢れたキスを
金色の街は
....
王様のお城まで行進だ
みんなでメダルを貰うんだ
アリもバンザイ
ドジョウもバンザイ
カルガモもバンザイ
そして僕もバンザイ
澄み渡る青空は
絶好の行進日和
アリは旗振り
....
人見知りなミツバチは
花の蜜を集められない
花が可愛過ぎるから
真っ赤になって
『また今度』
ふっと香る花の香り
気になりながらも
知らんぷり
恥ずかしがりの照れ屋さん
....
一億年くらい眠ろうか
きっと全てが変わっているさ
でも
きっと
ひとりぼっち
それが望んだ世界なのだろう?
鉄条網に縛られた
このくだらない日常を
全部吹き飛ばしたいのだろ ....
もしも僕が樹海で朽ち果てたら
どこからか樹の種が飛んできて
僕を栄養にして育つだろう
空を目指して樹は伸びゆき
仲間の樹々と笑いあうだろう
やがて樹海の一部となり
大地と太 ....
夏の入道雲は
様々に形を変え
ときに
人の心を映し出す
優しく柔らかな心
憂鬱で覆われる心
激情を和ませる心
涙を予感させる心
いろんな想いを
抱かせるけど
その雲の上は
....
樹が伸びてゆく
まるで雲を
追いかけるように
まるで青空を
突き抜けるように
どんなに伸びても
星になった
あの人には
届きやしないのに
それでも
樹は伸び続ける
....
君に『サヨナラ』を告げられた日から
君への想いはもっと強くなった
想えば想うほど
君は遠くなる
他の男に抱かれる度に
僕のことを忘れてゆくのだろう
小舟のようにゆらゆら揺れる
....
いくつ扉を開けてきただろうか
苦しかった現実
楽しかった夢
リボルバーのようにくるくる回る
目まぐるしく季節は移ろい
人との距離を拡げてゆく
孤独の中で
恐る恐る扉を開ける
....
通り雨の輝きの中に
君の命を見た
雨音は
昔流行った歌のように
単純なラブソング
絶対零度の氷の中に
閉じ込められた僕
こんなに近くにいても
手が届かない
追いかけられな ....
君の優しさを感じる夜
月の光に溶け込んで
僕をそっと包んでくれる
蒼く静かなその光は
傷ついた僕を癒してくれる
ありがとう
大丈夫
大丈夫
僕は生きてる
....
夢の中でみた夢は
まるで合わせ鏡のように
海よりも深く
空よりも無限に
どこまでも心模様を映し出す
欲望も
不安も
歓喜も
悲嘆も
増殖された感情は
やがて行き場を失って
....
犬の宇宙飛行士さん
宇宙船から何を見る?
青い地球
月の裏側
みんなの願い
どれも素晴らしいけれど
一番素晴らしかったのは
宇宙に届いた
恋人犬のハートだってさ
蝉が鳴き止む一瞬の静寂
木々の緑は命の色
青空に映える
君の白いワンピース
まるで飛行機雲みたい
そっと拭う汗
二人の笑い声
真夏がそこにいる
向こう側
行ってはいけない場所
生き生きとした花
でも
それは全部嘘
穏やかな青空
でも
それは全部偽
にこやかな人々
でも
それは全部虚構
僕を誘うための
全 ....
朝日は僕を照らし
僕の影を落とす
光は僕に燦燦と
新しい景色を輝かせる
影は僕を支配しようと
死に向かって歩き出す
朝日は回転するビー玉
何層もの光で
僕を混乱させる
....
翼をもがれた哀しい天使は
穢れた地上に囚われた
美しい心は踏みにじられ
純白の服は朱に染まった
誰も天使を振り向かない
みんなの幸せを願っているのに
愛することを忘れた街
天 ....
母なる海は
母乳で満たされ
生物のゆりかごとなる
安心の中に抱かれ
太古の夢を見る
二重螺旋の形の霊は
優しく子供たちを
見守っている
太陽は温もりを与え
命の光を強く輝 ....
子供の頃
熱が出ると決まって
同じ夢を見た
一本の線の上を歩いてる
やがてその線は
ぐしゃぐしゃと伸び
僕の体に絡み付くのだ
そこで目が覚める
汗でじとっとした体が
とても不 ....
蔦に覆われた墓石
此処は僕が眠る場所
あの日殺した僕の心が
全ての鎧を剥ぎ取られ
めったやたらに切りつけられた
悪魔の形相で
あまりに恐ろしくて
あまりに痛くて
何も感じないよ ....
夢がたくさんあるって?
それは素晴らしい
まるで夢のようだね
人の気持ちは変わりゆく
あの日の笑顔もどこかに散った
僕だけが阿呆みたいに笑っていた
この手は 今まで 何を 掴んできたのだろう
友も 愛も 金も 力も
掴んだと思ったら
すり抜けて行く
掴んだと思ったら
一時輝いては泡のように消えていく
僕が本当に掴み ....
歪んだ世界の圧力で
硝子の心臓は悲鳴をあげる
そんな悪夢は跳ね飛ばそう
僕と君と猫のために
空虚で満ちた風船は
遠くまで蹴飛ばしてしまえ
掛け違えたボタンは
思い切り笑い飛ば ....
夕焼けが夕闇に変わる頃
僕のタメイキと一緒に
物憂げな三日月が昇っていく
二酸化炭素で充ちた空は
ますます息苦しくさせる
人込みから出る脂の臭い
汚水のようなまずいコーヒー
死亡 ....
夜中に そっと 抜け出して
眠った街を 探検しよう
酒屋も 寿司屋も マクドナルドも
みんな シャッター降ろしてる
いつも賑わう 交差点
人も車も いやしない
国道沿いの セミ ....
強い日差しを避けながら
独り並木道を歩く
風のないこんな日は
鳩も暑くて一休み
一年前
夏服の君と歩いた並木道
あの日の笑顔を思い浮かべて
『サヨナラ』の切な ....
この暗い地下室
光はねじれて届かない
でもここに居るしかないんだ
外ではねじれた人々が戦争しているから
夕日に抱かれて思い出す
子供の頃に一人で遠くまで行ったことを
夕日に焼かれて強く思う
今の僕は随分遠くまで来てしまったことを
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