そう呼ぶには勢力が強く、些か風情に欠ける感はあるものの、私はこのような秋の夜長が堪らなく好きであり、また同時にその余りにも寂莫とした暗闇にいつも堪えられない。
私を喧騒からすっかりと隔て、ひ ....
せっかくの休日だと言うのに、倦怠に包まれてやりたいことも分からない私は、
突如として何らかの生命に触れたくなり、傍らにあった観葉植物の葉を衝動的にもぎ取った
締め切っていたカーテンを開けると、 ....
来る日も来る日も照りつける太陽が、容赦なく私の体から汗を噴出させ続ける。
連日そんな状態だと、今日のような不意の曇天の日でも、体はだるくって仕様がないんだな。
時間とともに無尽蔵に失われて ....
君は覚えているのか?
天と地の間に宙ぶらりんになりながら、横目で見たブランコの鎖を。
その色合いを、その時の風の香りを、その感触を。
君は覚えているのか?
十五年前の今日に食べ ....
雲一つ無い晴天は私の心を曇らせる。
余りにも清清しい青は、私に逃げ道を与えることなく迫り来るからだ。
今朝はそんな空の下、いつものように高い塀に囲まれながら朝礼をした。
一日のうち ....
私には皮膚が無い。
自分に目覚めた遠い何時かの日に、ぺろんと全部、それはそれは見事に剥けてしまったのだ。
お陰で今の私は、さながら小学校の保健室にあった、筋肉や内臓がむき出しの人体模型のよ ....
恍惚としていない。
目眩を覚えるような深淵に、どれ程の時間触れていない事だろう。
それは、とりもなおさず生きながらの死を意味する。
なぜなら、本物の美や愛に至った時の恍惚感こそが、唯一己れの生を ....
切ない瞳で彼を見つめてみよう。
心の内奥に潜んだ哀しみに、彼が触れられるのかどうか試してみるの。
その瞬間に、とある心地良いハーモニーが聴こえたのなら
目の前の世界が少しだけ実感出来ようにな ....
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