ほこりの匂い、黒板には雑巾で拭いた跡、汗と赤ちゃんの匂い、小さな机に折り紙が入っている、F1の描いてあるカラフルなえんぴつが転がっている、壁の黒ずみは小さな手に触れる高さ、しの字のフックに体操着がかけ ....
あの夜みたいに
とても静かな会話があったら
きっとキミは菩薩みたいに笑うから
僕は少し惚れ直すんだよ
あいも変わらず
街は変態共が闊歩していて
コールタールの雲から ....
どの言葉で語ろう
気狂いとされ頓死
言葉にこめた意味は
言葉に翻弄され
自我を含めぬ世界に没頭する
語るは聞くことと
甘えておるのだ
もはや自分の声も響く言葉 ....
僕は詩を書いているけれど
極端にびくびくしない
垂直にならない
負けの美学とはそのものの長所が決定的に欠点に結び付いていることだ
号令って結構強いリズムなんだぜ
....
僕は街を耕して
キミに地球を半分やる
君を中心に動くんだ
孤独の弧を描く月も
陽炎の滲むかなたに鼓動をする
感じるんだ、いちばんつよく
いつだってすぐに
....
気分屋なんです
たまに空っ風みたいなオルガンの音が胸の中に回りだして
ああ、あの人が好きだったのだなとか
どうせ死ぬならあの時はああ言えば良かったとか
死んだ犬の事を犬が死ぬ物 ....
こんなにいいおてんきはうそなんじゃないかと
うそみたいな白い砂浜に座礁したのは
あれはざとうくじらかしら
おうおうとあしかのようなかけ声で
おとこたちが
丸太を ....
窓の外は
透明のゼリーで埋まっていて
燃える煙とエラが開くたびに気が付く
体の綺麗なカーブは重たい体と悲しい彼女の顔を隠すためにある
ゼロ角度のカーブ
スローカーム
....
象徴の夢の島
黄金のフォービート
ハイにたてる
青白く赤くばらのほっぺた
トランプを空中に建て
みどりのえのぐのえ
望叶賜
音楽の塔は音も立てず消えた
倒れ ....
彼女は内破していた
お勤めを終えて人殺しの射精をあびるまでに
溶けてしまった感情にスケジュール帳を骨代わりに
なんだってできた
彼女はきっとなんでもなかった
コンドームを ....
山賊たちのためのパーティは
自転車乗りのためにチャリティ
に変わりまるで水族館だった
透明なあの子がぬめぬめした分泌液を出し
舌をからめながらひとつを分け合う
舌舌くちび ....
それを説明した古い言葉がそれ自体を説明する
時間の限界のなかを赤子に送り返す
棺のささやきは隠喩の中に自由を得
それが存在の完全な証言に他ならぬ時に
おれとおまえのアリ ....
季節はずれの静かな海岸に蟹が隠れた
波間は潮風にページをはためかすまま
この透き通った海に似合わない曖昧な国境は誰のためを願うのか
乳飲み子のげっぷを待つ母親のような歌声で
....
何よりもう第一義的な歌が歌えない
歌おうとしても
「本当の愛は皮肉である」
「皮肉とは本当の愛である」
だなんて追い詰められて宗教に走る
君と文房具を買いに至るまで
....
人の数だけ真理があるならば
僕らは真理と孤独の再発見をするのだ
一周してもう二周目にもなれば
少しは真面目になるのだ
世界旅行に出かけたくなるよ
時の流れの満干時には
....
僕らの声がまだメロディであったころ
あの日の伴奏は誰であったか
幾度かの恥知らずな転調を繰り返し
レコードの針を追いかけてくるくるおどけた
胸の蓄音機が鳴らすあの、雰囲気が
....
パキ、パキ
銀杏を剥いている
殻を出刃で叩いてその亀裂に爪を入れる
すると割れる
パキ
固い殻の中から翡翠のような実が見える
実を熱い鍋底に優しくこすりつけてやると ....
何か面白い人に会いました、呼吸が合ったというか
詩にたどり着けない夜は人類を見過ごすことが重要になってくる
意識を透かして腹の調子を整えるべきだ
ウイスキーを飲みながらおかしなテンポ ....
まだ言葉を知らなかったころ
密林の影からストッキングの罠と大箱の宝を守っていた
細い文章の辿りついた意味よりも
本能は切り捨てられた我が隊を選んだ
僕は初めて醜い言葉を ....
子どもの君は砂遊びをしたかい?
大きな砂山のトンネルで友達と握手をしたことは?
high-Cのラッパがなる、子どもの僕に英雄を意味した瞬間を
あなたに僕は驚かされた
僕があなたを驚かせたの ....
泳ぎ乍眠り乍勝手に死んでくれたまへ
あの飛行船を撃ち落とせ
春夏秋冬が浮上させる
渦巻いてるコエ
エコー聞こえ
ミかソ
剥がれた肌が
積まれた封筒
....
完成された三角形の頂点。
ふとんまくら俺。
昔、家庭教師が言いました。
人生の内4割は寝てると。
僕は今の所6割マークと順調で。
最後の十年ラストスパート寝たき ....
道の途中でその女の人は何かを探している風であった
何かお探しですか、何とは無しに尋ねてみた、仕事でたまに地元を案内することがあり大まかな方向性を助けられるように感じたのだ
ええ、少し困っ ....
いやな夢を観
汗だくの脚
ふとんを裏返して
目やにを取った
あいつのマンションは51階建てで、エレベーターが無い。
51階からしか北側から南側に行けない。
....
内声の矛盾した響きのなんと美しいことか
脳を溶かささる君の意味の溶けかかる声の響きに未開人のボクが
「おー」
肯定の意味もあるし否定ってこともある
嬉しいときも悲しいときも ....
詩は空間を満たした
結果として
言葉は僕の口から飛び出して君の目から飛び出して僕の顔に当たって落ちた
結果として
開いた口は誰かのラブレターを読むためでもフライドポテトを放り込 ....
ボクは理屈っぽい
キミの生理的なやつがどうも苦手なんだ
が
とか
理屈をこねるけど
どうやら信じてるんだ
軽く死んでも
良いかな
とか ....
めっきりまんがみたいな人が減ってしまったんだ
人が人を笑い、役割にしがらみ尿をする
腐乱して、虫が孵卵するフランス人のフラダンス
袖から腕、ああ、真っ白い
蟹はいつ空を飛ぶのか ....
ヒーローがクスリ一つで変容してしまうなら
精神病院の先生にも彼自身も何故だか分からないだろう
もう彼は分からないだろうけど
カンブリア期に絶滅してしまった仲間達の奇妙な歌が
それは ....
夢が終われば
朝、洋服が別れを告げて
真空に溶け出した液体に奪われた体温を水を流し
下手くそな口笛を聞いた
燃えていくタバコは無口な人の話す理由
一本足の灰皿
ガソ ....
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