“You don’t understand me anyway”

    つまらぬことに
    つまずく  娘

“What a Fucking Japanese you are!”
 ....
…… 
ええ、それはもうよく聞かれるのでございますが。
本当のところ、私も理由などあったものかと
思っています。

お偉い先生方は、なにか公式でも探すように、
生き残った者達を類別しようと ....
まどろみは とうとう
流れ 流れ 夢をなう

漂い着いた 海峡の夏に
覚めきれぬ
想いのひらを あゆむ

深遠なうみの果て 
空のはしを ちぎった 白いウミネコが、
つばさを止めて  ....
端より 染まる
ひと刷け ひと刷け 
うっすら
あかね終わるそらは るいるい
夏の夜に
開く

つくばう宵やみに 
ゆかたの えりを
赤裸な
きみへの
ほてりが すべり落つ

 ....
迷質な氷はかたまり
時に 織りこみ
いくえもの波形をひしめく

たいらかになって 眺める日

ほのじろく
透きとおるロック・フラワーの反光
水凍された海峡は
北緯48°のあたりまで夏 ....
いつの間にか夕餉の団欒の食卓に
像がやってきていた
別段大きくもなく、それで、多分誰も気づかなかった
そこで、
家族会議を開いて詳細を検討してみる
鼻はさして長くなかったが
耳は大きく ....
壮麗な楽の音と雑踏の期待
たった一つがために交差する
潮風のとりつく喧騒に
独立記念日の夜を迎える

高らかに、いわえ
いわえ、高らかに

確かめ数を増してきた歴史の顛末をあかし
 ....
名まえを聞かれると
your moon
そう、答える
乃(なんじ)の月
男たちはその名に感心し
私は好い気になって、
mは胸の柔らかな二つのふくらみ
ooは下の二つの穴、そして、
 ....
十四歳
青空のすぐ裏側に閃光する星の声があった
焦がされた満ち足りぬ想いが小さな明かりに導かれて
私の体に落ちてくる
いや星は螺旋の雲の道をつづら折り
それはもう銀河から放たれた存在なのに
 ....
白く焼かれる陽がある
入り江に巣くう朽力が、
いつも私の思睡を誘う
浜では確かに生き物たちがそれに抗い
夏を時限と耐えている、何故か
天は、夏色のターコイスに拓(ひら)かれ
今にも落ちてき ....
肌を逆立てる岩は
海峡のこちらに隠れ
蒼暮雨(そうぼう)の丘は煙(けぶり)の中に
輪郭という硬さを失う
選ばれし紅(べに)の焼印に
私の濡れた唇は、許された水の細粒子をまとっては
なおさら ....
Natsu no yo no machi(街) wa
Itsuka asufaruto iro no
Kakusa(乾砂) no toori
Soredemo
Yume no koe de  ....
思い出は
時に抗(あらが)う逆行性

たった
一文字の喘(あえ)ぎが、
砂時計の上下を違える
するり、と開いた物語の行間に滑り込む
望んでもいないのに
わずかな隙間からむしりとられ ....
私が物心を付いた頃
入退院を繰り返す父は、
心臓病の、体の弱い人でした

それなのに、
父の笑顔に
ひどく私を幸せにする力があって、
それを見るために小さな私は、
クレヨンで何枚も ....
停車場の
傾く白熱球の下
如才無い白兎は、哀れむ赤い目に
お前を食いはしないと
処決の心意を翻せば
喜んで飛び跳ねる

私は、
蛙肉のような
兎のシチューにローズマリーの香りを思 ....
 ぽつりぽつり
 滲み出る
 落涙を正米に変えてみる
 なにものも無駄にせぬのは、女の鑑(かがみ)
 それはそれでも、炊いでみれば思い出す過去世の味、
 苦い飯(めし)

 食べきれず
 ....
切り削る弦月は
生温かい月明かり
星の角先が知らぬ間、円みを帯びている
 
願いを込めれば 
河瀬に
天の河の流れは淀み
瀞(とろ)に溜まった星たちが
あふれて
私(ここ)に落ちてく ....
陽の沈む蒼白の空
壮麗な瑪瑙(るり)の雲は
銅青の空を梳(くしけず)る
私の額に
はらはら
それは震えて落ちてくる
もう構わない
歩いて
涙を流して
ぼんやり引っ込め、それでも
そ ....
幸せだったら
誰も詩など書きはしない
一文字でも
書いてしまえば後戻りのできない、
あなたは
詩人のはしくれ
行き場などない
銀河の小さな島宇宙に住まう囚われ人
詩人はだから、いつ ....
海峡は深奥の
夏をひけらかす驕りの紺碧
染め上げられた
港は青ざめた積み上げられた壁の町

蔑(さげす)みの海猫の声は鳴き止まず

人の住む塵界に卦象を眺めては
エーテルに輝く箴言(し ....
 青い月明かり
 寂しさに
 海峡の不知火(しらぬい)を手に寄せる

 青炎の小さな疼(うず)き

 いるはずの
 待ちわびる男に知らせる灯し火
 潮風
 波の音の磯小屋
 揺らぐ ....
生まれ落ちた
性(さが)なれば
求めるその時は、
すべて
毒まで飲み干さずにはいられない

入口を探し当てた
斑(まだら)の蛇は、
男の耳にからそっと這い入り
女陰に巣くう蠍は、 ....
   「…・Restaurant」

 一面小麦のこがね黄金色の畑がなだらかに続いていました。
 歩き疲れても道はずっと一本どこまでも、先へ先へと白い輝きを見せています。
 小さなメグはまた一 ....
 桜が潮風の中で散り、雪のように舞っていました。
 この町にも春の終わり、そんな季節がやってきています。
「わあ、きれい」
 桜の先に、海峡の光る景色があります。
「ほんとう、いいお天気。気持 ....
 野原は、あたりいちめん紫の花のじゅうたんです。
 やさしい風が、あまいかおりをはこんでいきます。
 カマシアの花たちは、だれも春の日をいっぱいあびて、気持ち良さそうに顔を日にむけていました。
 ....
 想いの求める
 伸び散らかった
 指に
 天空がからまる
 藤の房に落ちる花穂は
 千を満たす薄紫
 揺れ惑う光の穿孔
 押し分ける風の僣上
 万香が芳しく流れる果てに、
 空の軌 ....
Sound of the abyss

The bell of my sorrow
hung in my heart
quietly rings through all eternity. ....
 悲しみの振鈴は、
 心の枝に下がったまま

 延々と深々
 鳴り止まず

 香華に
 神饌(しんせん)を求めても、ありかも分からない

 親疎の街で糧を得
 毎夜、飯を炊(かし) ....
紺碧が縁取る横顔
見据える
隻眼の瞳が臨む先には、
空色に侵食された蒼海

逃げ場を求める波は、
止むことを知らず、創痕を刻む
波頭に
光の愉楽をちりばめ、象眼が
飛沫の相好を砕 ....
心の病(やまい)が
昨日を、今日の、明日へ
類(たぐ)う
糾(ただ)した思いは、見飽きた悲しみの拓本
丸い竹矢来の中に縮こまる
それでも、
哮る心が
知らぬ間
わずかばかりの隙間か ....
月乃助(306)
タイトル カテゴリ Point 日付
「生滅ノnatsu」自由詩209/7/5 9:15
ビルケナウからの手紙自由詩7*09/7/4 8:00
「初枕」自由詩6*09/7/3 14:19
夏の宵自由詩7*09/7/2 12:44
「氷河の先」自由詩3*09/6/30 12:48
「草原の像」自由詩3*09/6/27 8:10
独立記念日自由詩3*09/6/26 15:06
「乃月」(なんじのつき)自由詩4*09/6/26 8:30
「星誕」(せいたん)自由詩3*09/6/26 2:07
「宿痾」(しゅくあ)自由詩2*09/6/25 14:20
「蜂鳥」(humming bird)自由詩4*09/6/24 12:28
Midnight summer dream自由詩1*09/6/23 15:49
「消夏のとき」自由詩3*09/6/23 2:51
「Father’s Day」自由詩5*09/6/21 17:03
ウサギの駅自由詩4*09/6/21 1:41
「従容」(しょうよう)自由詩2*09/6/20 1:45
「星受胎」(せいじゅたい)自由詩5*09/6/19 1:53
「瑠璃の櫛」自由詩1*09/6/18 1:51
Strawberry honey自由詩4*09/6/18 1:37
Granny Smith自由詩0*09/6/16 1:49
不知火(しらぬい)自由詩1*09/6/14 10:57
蛇蝎(だかつ)自由詩1+*09/6/13 2:02
「・・・・・restaurant」:童話散文(批評 ...009/6/11 12:33
「海が見える丘」:童話散文(批評 ...2*09/6/10 1:41
「カマシア」:童話散文(批評 ...3*09/6/9 1:59
千古不易自由詩1*09/6/9 1:47
Sound of the abyss自由詩1+*09/6/8 12:08
深甚の音(しんじんのね)自由詩2*09/6/7 12:55
「海鬼灯」(うみほおずき)自由詩3*09/6/7 3:27
「出帆」(しゅっぱん)自由詩4*09/6/6 1:34

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