「玉揺の銅鎖樋から伝いし雨水と{ルビ手水鉢=ちょうずばち}から伝いし雨水が溜まる水甕から零れた水琴窟の琴音、それは忘れられた嘗ての祭りで誰かさんが掬ったであろう金魚の独りごち」




琴の ....
“{ルビかふぇいん=カフェイン}”の過剰摂取により明け方まで冴え渡った脳の覚醒の最中、猫とも鳥とも言えぬ“{ルビぐぅえぇ〜=グゥエェ〜}”という耳障りな啼き声が何処からともなく聴こえ、招かれた沢の畔
 ....
       生き急いだ
          血中に溶け入った
               トルネードの目論見は
           ものの見事に外 ....
戸を開け、跪いた
枕元で言い知れぬ儚さを頑なに拒絶した
鄙びた翼を毛繕いしながら
仄かな月灯りの点す方を見やった



俄かには信じ難いが
磨硝子の向こう側では
今宵に限って
遮断 ....
晴れがましい軽快な跳躍で
超えてった
陽は青白かった


追い付けない青の弧影は解けて
夕刻に近づいて
弛く地平線に放たれた

湖畔の涼みが運んだのは
屈んだ足下から這い上がる寂寥 ....
それはそれはとても空疎な事を露呈したわけです
階段をよちよち昇る自分のその後ろ姿をただ眺めていた訳じゃない
荒れ狂う波動にただ溺れたい訳じゃない
知る事の意義を肌で感じたいだけなので ....
熱望して誰かの魂に着床したらいいと
喉元潤した後の顛末はオルタネイティブ

割れた閑談は事無きを得た所為
肥えた筆談は早々に退散です


どんなに見積もったって
場末のステージで育む御 ....
貝を漁るコククジラの背
巡り辿る源流の砂壁のようだ
果てた、終には打ち上げられた骨、骨、骨
巨大で、かそけき命の塵に項垂れた、項垂れた、項垂れた
刻み続くよ、時は砂塵へと
あの鯨の大 ....
朽ち木 陽射し 糸 眼鏡 花 枯草 それらに纏いし風

やおら朽ち木を陽射しが蠱惑し、遍く滾る圧に諭され窄む様子を哀しげに謳う蒼氓の俯瞰に秘めたる慈しみと蔑みと戸惑いを想う



 ....
{ルビ敝履=へいり}&{ルビ弊衣破帽=へいいはぼう}の尊厳なぞ、あるのかい

不快な入り口/不快な出口
不甲斐ない朝/不甲斐ない夜
そろり、そろりと近寄る閉塞感
それは深い怠惰な深い深い溜め ....
洒落臭え廃熱放つ我は羚羊の跳躍に焦がれ、

峡谷の懸崖の尖端から見下ろしたは良いが脚が竦んだ

それでも何かを越えようと飛んだ




   ××××あれから××××



 ....
  ザザ、ザザ   ザザ、ザザ

調律には音叉の骨伝導のように
     拾い上げた貝殻を耳に充てながら願つた暁雲の下
ほんの数分でいいと思つた
     僕達に見合つた波形で鬩ぐ潮騒の漣音 ....
高層ビルディング周辺特有の吹き下ろすビル風はオープンテラスの流行るカフェテリアをもろともせず、容赦なく殺伐なる様式美を叩き付けた


無感情のリズムは鹿威しの清廉さに似たサイクルで取り巻いた静謐 ....
丘のうえ、独り芝生に大の字を描く


メスカリンにコーラア、頂けますか
アルカロイドに泥酔したらきつと沸き上がる眺望を形にしなくては




仙人掌のエキスに狼狽えないのは覇王樹 ....
俄か雨乞いなどするものでない、仰ぐ空色
吊り橋の片側に立ち尽くす思念たるや、遣らずの雨
宿雨が霞むほど気配が際限無く変わる


{引用=嗚呼、満身創痍
 ....
木漏れ陽は剥ぐ息、削ぐ息を幽囚するだけの意識を緩慢にした罪に問われ
もう吸うだけでよいでしよう、と諦め加減に{ルビ帷子=かたびら}着けて防御しやせんかと泥酔の果てに漸く宵越しの杯交わせば
カタカタ ....
転がす、均衡を願って日々
揺るがす、装置に不知火蔓延って絵に沸く思想なんてないとはなんて感性の乏しきお人だと突き付けたら返された免罪符

1の燃え盛る野心の目が表になるには6つの覚束ない幼き目が ....
いつぞやの朝露に綻んで居たのだが、
思い込みではないかと揺らぐほど
呆気なく潤いは早々に太陽が持ち去った



赤黒い夜明けの曙にいきり立つ蒸気が射光の糸に捻り寄るみたいで、
 ....
逆巻くバイアス アーニーの純心は
どう仕様もないほど眩しいくらいで

蹴散らかしたとして 何の不義もない 生まれたからには透明で

あの鉄塔によじ登って 空を浴びるんだ
見 ....
剥落し俺のサステインは人見知りで
-------------- -------投擲す謎のループは憔悴しきりで

目に映えしサイナスは白濁し揺れ動く
------------- ------ ....
元々
私はワタシという
貴方はアナタという

混じり得ない表層


どうでもいいような
どうしようもないような
有象無象に惑わされるくらいなら
纏わりつくような煩わしさに浸かった日 ....
“繰り返し何度も何度も職人の静なる極みに染め重ねられたバーガンディの木机と、真向かいの視線の先に額縁の如し絵画のような荘厳たる山海の風景を飲み干した生成りの窓枠の、両側を揺れ動く薄紅色と鴇色の水玉 .... そんな些細な鳴声
気にしな、



いかい?

あのマングローブの奥から蝙蝠達の会話が聴こえた
垂れ流したのはお前等じゃ、の声がいずこからか運ばれた

確か、茂みの先から暮れなずみ ....
藁葺き屋根の旧家の庭先には雨雫垂れる五月雨のなか宿ると云う

パラサイトだよ、人生は、

と謳う縁側に何度目かの越冬で老いた蓑虫が背を丸める

障子の破れは窮屈な己れの心の風通しを考えての ....
 つ


    め




         い


まるで徘徊の風
嘆かわしい現身

雲は碧く滞留
さすれど
無機質極まりない

蓄積だけでは
越えない何か ....
〜愛犬への手紙(応募作品800字制限)

妹の結婚式は相手方の故郷、新潟の長岡で執り行う事としていた。

当時、その際に父方の親類と母とが揉めていたのはもう遥か昔の事。
遠い親戚を招待する。 ....
写真テーマによる五行歌:


1)
アイルでは国花であるという
三・十七には国中が緑に包まれる
パトリキウスが残した何かの雫の意
今日は何処にも見当たらないが
心の悼みは和らいだ気がし ....
A)
暖気してる間も醒めない/鉄は塊り
換気してる間も察しない/手付かずの雨乞い

息をしないなんて/囈(うわ)言(ごと)云うなよ
空ばかり請うなんて/蔑むなよ


B)
ど ....
召した、と君は言う

稀薄な意思を養生するかのように優雅を演じた

祓った筈の手に付着したものは黒南風

去り難い指の先に現れた解錠の儀礼

尽力で抱えた儘ならぬ数の哨戒

遥 ....
襤褸衣の縫い目と縫い目の境界が我が棲み家

着床した蚤は残寒に身震いをした



踏みにじってやる、とな



凄惨な怒号が飛び交う沼

対岸で抱腹する風見鶏

躍起に ....
Leaf(75)
タイトル カテゴリ Point 日付
金魚の独りごち自由詩2*09/7/17 19:53
『瞑想の細流』自由詩009/7/14 20:00
「サイケデリック・トルネード」自由詩1*09/7/10 21:02
「磨硝子の向こう側では」自由詩009/7/7 20:42
「陽は青白かった」自由詩1*09/7/4 20:02
『粗暴な月と受動的心中』自由詩1*09/6/26 21:08
「猿の剥製〜Monkey on the table」自由詩009/6/24 21:08
「かそけき命は鯨の背に生きる」自由詩009/6/24 19:43
『受容〜千慮の朽ち木は湿に溺れる』自由詩1*09/6/22 20:57
『敝履&弊衣破帽の尊厳』自由詩009/6/20 3:13
孤高〜虎狼の朱眼携帯写真+ ...0*09/6/19 3:15
「ザザ:漣音ハ狭隘ノ咽ビ〜奏デル潮騒ヲ探シテ」自由詩009/6/18 18:50
「ビル風の残渣が遺していったもの」自由詩2*09/6/14 15:20
「メスカリンの丘〜ジミヘンに捧ぐ堕詩」自由詩0*09/6/12 21:28
「雨とか、雨とか、雨」自由詩1*09/6/11 21:01
「剥ぐ息、削ぐ息」自由詩1*09/6/10 18:24
「不均衡ダイスセヴンヲ振レ」自由詩1*09/6/8 20:35
あれはきっと月の滴携帯写真+ ...2*09/6/6 21:24
『エンドーラ・デイズ』自由詩1*09/6/3 20:35
『隘路に閃光』自由詩009/6/2 20:12
やつがれ、ヤサグレてハードボイルドになり候自由詩3*09/6/2 19:48
『四季彩付箋〜春から夏』自由詩1*09/5/29 18:55
『山原水鶏、蒼穹に弧描く』自由詩1*09/5/29 18:49
『懲罰的ホメオスタシスの報酬』自由詩009/5/28 20:16
青銅パラノイアの方舟自由詩2*09/5/25 23:05
「一員だったのは私達の方だった」散文(批評 ...009/5/24 16:07
『シャムロックの嗄声』携帯写真+ ...1*09/5/23 18:38
『鉄砲魚に跨がっていたら〜』自由詩0*09/5/22 21:18
『菩提樹の生けとし岬』自由詩1*09/5/22 18:50
『襤褸衣を纏いし蚤の粛正』自由詩0*09/5/19 20:42

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