僕にはできないことが沢山ある
今となってはできないこととか 
いくら努力しても出来ないことや
端からできる筈のないことだとか
そんな中で何が一番堪えるかというと
タマゴが産めないこと
なん ....
僕は君の目で見ることは出来なくて僕の目でしか見ることが出来ないから君が君の目でしか見ることが出来ないものを僕の目で見ながら君が見ているものとはきっと全く違うのだろうと考えてるそのことが君に届いているの .... みどりが夏の暑さを吸い込み白っぽいみどりの黄色っぽい乾いたみどりと瑞々しい陽射しをいっぱいに吸い込んだ芝にみどりと風に揺られ風を誘いこむ曇り空はみどりを透かし光を浴び反射する真っ黒なみどりの影を包む森 .... あなたに名前を付けよう
夜空にきらめき星座を形づくる星々や
この星にはその光も届かないような小さな星々
または既に光を失い滅んでしまった星々
そして未だこの宇宙に生まれていない星々
それら無 ....
もう既にどうしようもないこと 今となっては止めることもできないこと 
部屋中を探し回っても どこにしまったのかも分からなくなったもの      
いくら思い出そうとしても ぼんやりとした残像しか残 ....
かすかな肌の触れ合う音と溜息 生きている証のような唇の暖かさ
 熱く沈黙のような吐息 一度きり囁かれた言葉も繰り返される言葉も何もかも 拡がり続ける滑らかな曲線が 想像もできないほど遠い場所で 見た ....
柔らかい日に晒され
赤いチューリップが一本
咲いているのを見たら
その花びらのなかに
人差し指をそっと
入れてみてください

ひんやりとして
少し怖くはありませんか

花びらの形に ....
月や空や星々
どれもぜんぶ違うとそう思いながら
夜空を見上げて街を歩いていた

同じなのは風だけだ
風だけが同じ
心と同じなのはただ風だけだ

凍えるように冷たい風や
生温かく鬱陶し ....
あなたが微笑んでいるのを見ていたい
それはこの目で見ることは出来なくても
あなたの心を見ていたいから
それはただそこに在る
そうとしか言いようがないものだから

大地を覆う澄んだ青空は
 ....
立ち止まるということは
たとえ一人であれ
誰かと一緒であれ
少しばかりの決心が必要だ

なぜなら いまは
進むことも戻ることもできないということを 
ただ ここ この場所 それしかないと ....
楽器のようになりたい 私は あなたの楽器に

あなたの指先が 描こうとする 一つ 一つ の音を あなたの思い描く そのまま その通りに表したい そして そうすることで あなたが 次々と 美しく悲し ....
夜空に浮かんでいた月は一つだけだった
私はあの人の横顔を思い出しながら帰り道を歩いていて
いったいどれだけの奇跡を重れば
こうしてあの月を眺めることが出来るのだろうと考えていた

世界中どこ ....
いったい何だってこの世界は
形あるものばかりで
あふれかえっているのだろう

それぞれの形に 閉じ込められた者たちが その距離を その輪郭を 埋めようとする 超えようとする そして そうするこ ....
たとえどんなに今この瞬間が
僕たちの心をとらえて離さないのだとしても
この次の瞬間には
僕たちのあいだのこのできごとも
胸いっぱいの気持ちも
何もかもすべて
世界中至るところどこを探しても ....
僕がいま使うことのできる言葉より
それよりも数多く何倍もの言葉を
思うように自在に使うことが出来るのだとしても
僕にはこの気持ちを
間違いなく正確に言い表すことなんて
とても出来るような気が ....
言葉と心がもう寸分も違わずに一致している
そう思えた瞬間なんて
これまでに一度だって
僕に訪れたことがあったようには思えない
捕まえたと思っても
次の瞬間心はもう言葉の指先をすり抜けている
 ....
出会って
眼と眼が合ったり
話し合ってみたり
そっぽを向いたり
いがみ合ったり
思い焦れたり
躊躇ってみたり
愛し合ったり
すれ違ったり
そうして
いつかは別れる

飲み始めて ....
いつか
音は
静けさに
消え入り
香りも
宙に失せ
色は褪せ
光沢はくすみ
そして
形も崩れる

いつか
一杯の酒は
飲み干され
グラスにも
ひびが入り
砕け粉々となり ....
死んでしまった女の子から手紙を貰ったことがある
もうおよそ二十年近くも昔の話だ
勿論その手紙は亡くなる前に貰ったもので
彼女はその手紙を書いてから三年後に自殺をした

手紙の消印は十二月十八 ....
モーツァルトを聴くことは
あの日初めて二人で取った朝食のように
このキラキラした時間が
いつまでも続けば良いと思い願うこと

モーツァルトを聴くことは
あの花の香りがそうさせるの ....
あなたの名前に 指を絡め あなたの名前に そっと 唇をあてるのを繰り返し 繰り返し見つめてから もう一度唇をあて あなたの名前に 舌を這わせる

あなたの名前に 指先を 滑らせながら 唇で吸い あ ....
ねぇ と きみ が いきなり ぼく の なまえ を よぶ から ぼく は その とつぜん さ に おどろいて ぼく たち は こんなにも そば に いる の だから なまえ を よんだり する ひつよ .... 話しかけたいというのか 声をかけたいというのか 何て言うのか とにかく 名前を呼びたいのです 別にこれといった用事がある訳でもなく どうしても 言わなければならないことや 是が非でも 聞いておかなけれ ....
あらら(23)
タイトル カテゴリ Point 日付
タマゴが産めない自由詩312/1/14 23:53
僕は僕の目でしか見ることは出来ないけど自由詩111/9/4 2:21
夏のみどり自由詩111/8/22 22:51
名前について (4)自由詩011/5/7 1:18
気が付けば自由詩311/5/4 2:41
そして夜が自由詩211/5/4 2:33
チューリップ十本の赤い花びらのなかを自由詩211/4/16 23:43
同じなのは風だけ自由詩311/4/3 23:45
あなたが微笑んでいるのを見ていたい自由詩011/1/19 0:15
立ち止まる自由詩010/1/10 23:17
楽器のようになりたい自由詩310/1/3 3:17
ひとつのソネット自由詩110/1/3 2:51
いったい何だってこの世界は自由詩110/1/3 1:30
たとえどんなに今この瞬間が自由詩109/12/14 0:06
たった一つの言葉で自由詩109/12/13 0:34
言葉と心が自由詩009/12/13 0:29
人間は始まりと終わりの繰り返しばかり自由詩209/11/15 3:15
いつか自由詩209/11/3 17:39
死んでしまった女の子から貰った手紙自由詩609/11/2 1:35
モーツァルトを聴くことは自由詩009/11/1 1:55
名前について (3)自由詩009/9/26 2:52
名前について (2)自由詩009/9/26 2:45
名前について (1)自由詩709/9/25 1:45

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