新しい靴とスカートで行くからさ 君よ、どうか、汚してくれたら

十七時取り残された公園でまだ揺れているブランコひとつ

想像の綺麗なナイフ握りしめいざ飛び込まん君の懐

このコートまだ時期 ....
何時の間にか受信箱から消えていた
保持期限を過ぎたメッセージは削除されますの文言

読まれなくなることが手紙の死なら
紙よりよっぽど生き物みたいだ
いつか勝手にいなくなるなんて

心のこ ....
薄明るい午後2時の庭を眺めていた

晩秋のつめたい雨にしっとりと濡れた
あの黒い土は
触れたらどんなに気持ちがいいだろうか

熱いスープを口に含みながら
この景色はガラス越しだけれど
 ....
私の奥底で低く唸り続けるもの
情熱なんていう綺麗事ではない

誰かが約束を破ってあの実に口をつけた
その罪をいまこの身体が償っている
あのまま裸でいられたら幸せだったものを

黒く疼く情 ....
黒板の上の小さな間違いを
ひとつひとつ指さすのはもうやめたの

文字通り吹けば飛ぶような文字
送り仮名ひとつで糾弾しては不憫だわ
誤字は誤字なりに一所懸命お生きと

気づいてしまったらも ....
雨の日は嫌いじゃない

君を抱きしめている時も
まるで
雨が僕らを包んでいてくれるようだし

こんな日に君が
傘差して迎えに来てくれることなどを
想像するとわくわくするんだ
いつか聞 ....
白馬に乗った王子様なんて
そんなステレオタイプな理想はいらない
男なら飛龍くらい乗りこなせなくちゃ

この人に付いていったら
何処にたどり着くんだろう?
何に出会うんだろう?
どんな運命 ....
壊れてしまったものはもう直せないよ。

困ったように笑って にいさんは
私が持ってきた玩具を私に返した

でも、

そう言いかけて私は思い出す

前に友達が大切にしていたカップを落と ....
十月のがらんどうな空に

ただ風が吹き付ける

風は力尽きた木の葉をさらって

ああ、今度こそ

夏が遠ざかってゆく

私の足元に転がる屍はきっと

現存する最後の夏の証

短すぎる生涯をすべて賭け ....
そこに何があるのか
もう分かっています
見ないほうが幸せだってことも

それでも蓋を開けてしまうのは
貴方のどんな醜い姿も
この目に焼き付けておきたいからで
やはり 恋でしょうか
それ ....
たまにはね落ちてみるのもいいと思った 君がいるなら這い上がれるし 星空に代わって
夜照らす 街の光
時が来たとばかりに
昼よりも まばゆくさえ

AM 2:04
眠らないこの街の中
いったい何人が
眠りに着き
いったい何人が
闇を知らない夜を謳歌しているのか

小 ....
ゆうべ 私があんなに泣いたのに
月は何も言わない
ただちょっと 欠けただけ

こぼれた欠片がどこへ落ちたのだろうと
遥か異国の遠い海を
想っていると
必ず君は現れて
泣けとばかりに 笑 ....
この世界は水没します
誰ともなくそう言い出して

だから、逃げよう
あの電車に乗って
そう言われたわたしは
貴方のことをしらないのだけど
きっと 愛していたらしい

真夏は去ったのに ....
ありだ、ありだ
ありの行列だ

一匹ずつ 何かを持ってる
整然と並んで行進してる

今にも小さなラッパと軍歌が
どこからともなく聞こえてきそう

黒い点線が端からどんどん
小さな巣 ....
何も考えずに歩けば
いつだってこの場所へ着く

誰もいない海岸
太陽に煌めいて静かに凪ぐ
灰色の水面

崩れかけた
防波堤によじ登って
波にせり出した端の端に立って
そっと両腕を広 ....
薄灰色の表面に
何年 何十年もの波が
刻まれたとぐろ

私が知る由も無い
遥かな海の記憶を
この生命の抜け殻は
確かに持っている

未知の眠る
この渦の奥には
もう一つの海があろ ....
もう長いこと
ここで漂っています

聞こえるのは
絶え間ない波の音
時々通る渡り鳥の羽音

見えるのは
太陽と空と雲
360度の水平線
たまに遠くで跳ねてる、くじら

一応持っ ....
カッ、カッ、カッ、カッ

無心に響く物書きの音

カッ、カッ、カッ、パラッ

あっ、もう誰かが裏をめくった

カッ、カッ、カッ、カッ

――――ハクション!


一斉に持 ....
忘れかけていたもの
胸の奥の底から
ある日。

大好きだった歌――もう聴かないけれど
その尻尾につながって出てくる
帰れない場所
懐かしい夕暮れ
音 におい
会えないひとたち

 ....
きりはらいをり(20)
タイトル カテゴリ Point 日付
お弁当作る機会が無くなって代わりに詰める三十一文字短歌720/6/14 14:13
手紙自由詩216/2/24 21:50
雨の庭自由詩714/11/26 0:14
ピリオド自由詩214/11/8 12:16
起立、気をつけ、礼自由詩5*14/10/16 23:18
自由詩3*12/2/7 10:30
恋文にかえて自由詩211/11/10 0:44
過失自由詩411/11/2 23:08
夏葬携帯写真+ ...411/10/12 15:03
自由詩611/8/29 14:49
たまには短歌011/8/27 18:46
夜景携帯写真+ ...411/8/24 22:38
夜の必要性について考えたこと自由詩010/1/5 9:26
奇病 夢自由詩209/11/8 17:21
あり自由詩309/7/13 19:49
おもかげ自由詩109/5/4 11:37
巻き貝自由詩109/2/18 15:27
漂流自由詩209/2/16 15:17
テスト自由詩309/2/13 9:09
あのころ自由詩109/2/10 15:10

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