まあるくなって眠れ
あなたの顔が見えないように
まあるくなって眠れ
あなたの声が届かぬように
逃げ込もう
逃げ込もう
夢の中へ
....
ためいきで綴る日記のかたすみに
月明かりが影を落とす
灯りの輪の中には入れない
淋しがり屋の文字だけが
影をつたって降りてくる
ほら木の上ではアホウドリが
孤独なものだけへのレクイ ....
胸に黒い塊を飲み込んで
眠りにこの身を委ねよう
言葉にできない
どろどろした想い
弱さ
みんなみんな飲み込んでしまえ
吐き出せば誰かが傷つく
自分も傷つく
せっかくの青空も濁っ ....
独り言
つぶやく
誰も聞く人の無い部屋で
頷いているのは
時計の音
お湯の沸く音
窓の外の車の音
明日も
あさっても
その次も
麻痺した言葉は流れ続ける
さらさらと
....
電車の窓から覗く夜の街は
何もかもを包み込んでくれるかのように
やさしくて
胸に渦巻く醜い想い
帰りたくない
まだ
このままでは
自然な笑顔を忘れてしまった
あんなに浮かれてい ....
風呂上りの湯気の上がる体から
汗がしたたり落ちる
一日の想いを浄化するかのように
流れてゆけ
流れてゆけ
こころの疲れ
どろどろした想い
拭いても
拭いても
あとからあとから ....
目隠し
目隠し
何も見ない
空を見上げて
鼻歌うたい
何だか浮かれて歩き出す
聞こえない
聞こえない
なんにも聞こえない
聞こえてくるのは
夜の道化のうたう唄
す ....
複雑な想いを孕んで熱風が吹く
季節は夏
まぶしいほどの青空と憎らしいほどの太陽
白い雲は元気よく
アスファルトの上では情熱さえも煙を上げる
じりじりと焦げ付くよ
流れる汗さえ蒸発させて ....
あなたと私の間には
細い細いくもの糸
風が吹いただけでも切れてしまう
いつでも
ゆらりゆうらり揺れている
ああ
お願いだから側を通らないで
揺れが大きくなってしまう
朝日を受け ....
いつからだろう
寂しいと言えなくなった
そっと隠れて溜息をつき
全てを覆い隠してしまう
そんな技を
覚えたくなんかなかった
大丈夫よって笑顔
幸せだよって笑顔
これが仮面と ....
あなたの上げた腕を見る
あなたの下げた足を見る
そんなところから言葉など
出てきやしないのはわかっているのに
おやすみの前に
お約束の
「愛してるよ」
キッスは軽く小鳥のように
....
夢を
夢を見たから
夢の中で楽しい時間を過ごしたから
戻ってきたくなくて
現実へ
やみくもに徘徊する
無限に等しいネットの海を
言葉を探す
誰かを探す
何かを探す
特別何か ....
見えない
聞こえない
あなたの存在がわからない
たとえようのない不安
突然闇に包まれたような恐怖
頭の中で血液が逆流する
心臓を誰かが力いっぱい掴む
息ができない
目をいくら開 ....
出しても出しても
食べられてしまうヤギさんの手紙は
なんだか
少し切ない
初めに出したヤギさんは
本当はどんな気持ちなんだろうなあ
ねえあなた
ちかごろ遠い空ばかり見てる
何か探しているのかな
ねえあなた
ちかごろ言葉を忘れてるみたい
おはようとおやすみしか聞いてない
互いの瞳を覗き込んで
熱心に夢を語ったあ ....
信号待ちの車の中
ふと目をやれば飛行機雲
白い線をまっすぐ引いて伸びていく
追いかけたい衝動
あの先には何があるだろうか
見たい
知りたい
行ってみたい
ここではないどこか
....
初夏の風に葉をさわさわと揺らせて
静かに佇む一本の木
強くなってきた日差しに
きらきらと輝く葉
いつからそうしてそこに立っているのだろう
行き場の無い想い抱えて窓の外
目をやれば静かに微笑 ....
背中にまわした手のぬくもり
今だけのものだからいとおしい
海に浮かび上がる蜃気楼の街
知らない国の影
手を伸ばせば届くほどに近く
はっきりと
真昼の夢
甘い吐息
目を開けれ ....
じっとりと汗ばむ空気の中
君の寝息だけが聞こえる空間
その中で何を想おう
遠い未来のこと
それとも明日の僕らの関係
平和な顔で眠る君は
どんな夢を見ているのだろう
じりじりと ....
蜃気楼の街が消えていく
あんなにはっきりと浮かび上がっているのに
静かに静かに消えていく
まるで霧が晴れるように
夢を見ているのかもしれないと
君が言った
消え入るような小さな声で
....
君の姿が見えないと
遠い街からメッセージ
いつも笑っていたから
いつだってふわふわしていたから
貴方は心配ばかりしてくれた
ちょっとだけ眠ったふりしてるだけなんだ
たまには疲れるこ ....
騒々しいはずの時間が
雨の中に吸い込まれ
人の声も
車の音も
今はただサイレント
季節が変わり
華やいだこころも
灰色の雲のした
昨日のほてりを内に秘めて
今はそっとサイレント
....
知らなかったよ
空がこんなに青かったなんて
知らなかったよ
風がこんなに甘い香りだなんて
新緑のみどりがまぶしいね
アスファルトには陽炎さえ踊っている
隣に君がいるだけで
ただそれだ ....
君よ聞け
遠く彼方から吹いてくる風の音を
囁くようなやさしい子守唄
君よ聞け
遥か時を越えて流れ続ける
尽きることの無い母の子守唄
どんなに遠く離れても
どんなに時が隔てようとも ....
目の前に広がる道に
新緑の緑がまぶしい
街路樹のトンネルをくぐり抜け
新しい季節へと道が続く
煌く木漏れ日の中
弾む心を抱えて進んで行こう
掴みたい夢への道へ
頬撫でる風が香る
....
悩ましげな風が吹くから
北へ歩いて行こう
暖かい空気は居心地が悪すぎる
一人じゃ何をやってもつまらない
まぶしい笑顔が街に溢れているから
地下に潜ろう
眩しくて目が開けられない
目が ....
花が散り
まぶしいほどの若葉
風にゆられ
さわさわと
通り過ぎてしまった春に
夏の到来を思わせるような
強い日差し
ここにきて何度目の春だろう
通り過ぎていった思い出と
かな ....
初めから
人の身体には翼なんかなかったんだ
無い物を望んで
無理に手に入れたから
今
壊れた
もう
飛び続けることは
不可能
落ちる
落ちる
地面がもうあんなに近 ....
くちづけするよ
あなたの足に
あなたの指に
淡すぎる紅の花弁に
月の灯りが怪しげに反射して
あの瞬間(とき)の
上気した肌の色にも似た
薄紅色の
はなびらが
はなびらが
舞い落 ....
限りある人生だからいとおしい
限りある命だからいとおしい
ひらひらと舞い落ちる桜に
くちづけして
我が人生を祝ってあげよう
精一杯生きたと
褒めてあげよう
桜の季節に生まれたから ....
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