貴方を殴り飛ばして泣いてしまおうと思う。




僕はもう何もいらないのだ
いや違う、あなたの羽を欲している

僕はもう何もいらないのだ
いや違う、あなたの歌を欲している

何も ....
君が生まれた意味を教えてあげようか

空に雲に星に風に
ただたゆたいながら流れていく
儚い人の命の意味を

君は欲しいと嘆くから


どうしてあなたはそんなに強いの、と
いつだった ....
まるで夜空のような人だと思った。
それも、秘めやかな曇り空のような。
隠された月や星を私が見ることは叶わないから
まだ酔っていられる

そんな浅はかな思いで。



 こんなみじめな ....
神よご慈悲を

呟いてただ目を伏せた
オルゴオルから舞い上がるような、
リズミカルな祈りの小枝

あなたが残していったもの

ほんの少しの後悔と
罪の紅玉

あなたが残してくれた ....
「あなたは強い

あなたは言った

しなやかなその腕が私を抱き上げることを待ち望み
狂おしい望郷の思いにまた抉り取られていく
愛しさが込み上げても振り返ってはいけないのだ
あなたは決断 ....
雷鳴の
轟く深い谷底で
切り裂くような悲鳴を浴びて
今でも竜はそこにいる。

生け贄の
羊を優しく憐れんで
零した滴は干からびた
見る影もなし正の道

絆があるから迷わない?
い ....
宝箱の蓋はそっと開け放したまま。
そのままなくしても良かった。
あんまりにも鳥籠じみてて、哀れなものだから。

泣いちゃえばいいのに
君はつよがりで
歌を歌ってばかりだったね
言っちゃえ ....
鉄琴が上手く叩けるようになったら
歌って欲しい歌がある。
君はもう覚えていないかもしれないけど
僕はきっと生まれ変わっても忘れないよ。

海辺に広がったレース
零れてしまったビイ玉
沈ん ....
翡翠のみずうみに、溺れてしまいたい。

声が涸れるほど乱暴に、優しい歌だけを歌った。
書簡を往復しながら、
何故暁光は目にしみるのかと問う。
つぶやきには誰にも答えてほしくなかった。

 ....
あどけない幸せに手を差し伸べても
まだすべて捨てられると思っていた。

零れだすものは、すべていらなかったから。
だからなんにでもなれると思った。

この道はどこまでも続くから
僕もどこ ....
とめどない想いが
君を溺れさせていた。
もうとりかえしがつかないと
思い込んで見上げた夕暮れは
歪みを心に焼きつける。

どうかまだ壊れないで
いつか見た
優しいあの日を偽らないで
 ....
碧色の風が丘を吹き抜けるとき、
あなたは穏やかな夢を見るだろう。

掠れた声で泣きじゃくりながら
それでもまた、まっすぐと前を見据えてほしい。
溶け崩れるような崩壊の音に耳を傾けずに
波の ....
広い海原からたったひとしずくの真珠を拾い上げるような
そんな途方もない思いで、

今にも枯れ朽ちそうな薔薇を掻き抱き
わたしはこの道に佇む





どこへ行けばいいの?

  ....
こぼれおちるなみだはいつも
生ぬるかった。

きずつけたいわけでは、ありません。
ただわからないのです。
その透きとおった紫陽花のいろが
恐ろしい。

色づいていくことがたまらなく怖く ....
お世辞が欲しいなら磨けばいいのにね、って
それは顔の整った少年が言ったんだよ

そしたら彼女は
わたしにゃ布がありません、ってさ。

{引用=
あてどない天井の奥行きに目を奪われ
僕ら ....
今にも殺められてしまいそうな
そんな真っ白で鮮やかな月でした。

あなたは砕けた直後にこの胸のうちで氷解し
けれどわたしはそれを生涯忘れぬと誓った。
零れないのは夢物語と願望で
いつだって ....
あの淡い月光のなか、あなたの姿は砕けていった。
神聖な森の泉の中に。




もがいていた指先が今もまだ見える。





あなたはわたしを殺したかったですか?

いいえ、 ....
君を傷つけていた。



僕を呪わない君の声がして

逃げ出したくなって

それでもまだ君が好きで。

逃げられません

嗚呼。





君の優しさが怖かった。
 ....
紅い林檎の入った籠を
受け取った日から始まった

幸せになりまた忘れてく
ありきたりな祈りだけれど
真紅の林檎に潜んだ毒を
誰も見つけはできないのなら

目を伏せそっとひれ伏しなさい。 ....
眩いばかりの、障子の向こうを染めた光
君が閉めた切り取るような音
断片的な記憶は、まだこの胸に色鮮やかです。

深爪のゆびで突き放された夜明け
あの人のゆびはいつだって、私に触れるときは深爪 ....
生温かい涙が頬を伝う
これは諦めであり、決意でもある。


冴えた月のさきが
零れだす嗚咽をさめざめと照らし出し
あなたはこんな暗い森に置き去り。
ヘンゼルが、白い石を指差す時間
あな ....
水島芳野(51)
タイトル カテゴリ Point 日付
コトバ遊ビ自由詩0*08/12/10 19:35
世界一平凡なこの愛の詩自由詩008/12/7 16:03
楽園の柩自由詩408/11/13 23:09
何もいらない自由詩208/11/9 14:17
鱗狩り自由詩008/10/31 15:58
路傍の月自由詩208/9/19 0:02
月をあげる自由詩208/7/29 18:07
名残りの初夏自由詩008/7/20 22:34
樹海帰還自由詩6*08/7/15 15:14
ふぞろいな葬列自由詩7*08/6/30 20:52
入水間際自由詩108/6/20 21:38
碧の戯言、碧のしるべ。自由詩208/6/14 20:38
わだつみ自由詩5*08/6/8 11:41
紫陽花の色づき自由詩108/6/1 20:42
お喋りなボクから彼女に助言。自由詩208/5/27 20:53
燃え尽きた惑星の祈り自由詩208/5/25 19:23
辻褄あわせの問いかけ自由詩108/5/20 19:14
贖罪志願自由詩408/5/11 15:46
お伽噺の林檎自由詩208/5/6 14:11
柔らかな残像自由詩108/5/5 0:01
暗い森の童話自由詩308/5/3 23:49

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