夢の中の少女は夜毎、僕に向かって「殺して」と笑む。


ひどく渇く、ああ、僕たちは渇いている。君が。あなたが。僕が。渇いている。渇望している。

そう、欲している。

この日々を塗り替え ....
ここは迷いの森で
進んでいるのか
遠のいているのか
それさえもわからないような
途方もない夜に包まれているんだ

君とつないでいた手なんて
簡単にほどけた。

それでも行くしかないんだろ
両の手に余る ....
森の中で、僕の為にピアノ 弾いてよ。
海の中で、君の為のことば 言ってよ。

サファイアの目をした王子さまは幸せになれたのかって?
声と引き換えに、人魚姫は王子さまと結ばれたのかって?

 ....
このあどけない寂しさは
いったい誰が埋めてくれるというんだろう

破滅的な日々は、いつも壮麗だ
月夜が似合うきみは
今夜はどんなダンスを踊るの?
ああ、さわっちゃだめだよ
アロマキャンドルのかおりは
 ....
君の祈りが膨らんで破裂したから、その海の中できっと君の声が淀んで底の方に溜まってるだろうと、君は目を細めていった .... こおりづけの夜が明けたら
あてどない君のくちびるにキスしよう
果てしなく遠ざかってゆくあの空と
まやかしのあなたの正しさを
どこまでも信じてゆこうとした
僕の未熟さをどうか、つまびらかに解き ....
ただ微笑むしかない僕に、あなたは何故謝るんだろう。
裸の足を水に浸けたまま、
膿んでゆく傷口を、冷めた目でただ見ていた。

あなたは何故、愛などと呼ぶのだろう。

信じるべきものなど何もないさ
正しさ ....
くすぶった闇の在処は見せもせず
星の数ほどの「真実」をさらけ出し合い
本当はどこにも帰れないと知っていた

茜に染まる道に転がる虫の死骸で、
初めて命の理を知ったあの頃のように
渇いた日々が続いても
 ....
しろがねの球体がゆっくりと翳ってゆくのを
僕らはどうすることもできないから
この虚しさのやり場もなくて、ただ明ける

ガラスの宮殿
ハリボテの威厳
プラスチックの王冠

何もない
意 ....
もうどこにも、残り香なんてありはしないよ
君が残した花の死骸も
いずれ朽ちる。

葬列に加われない僕の弱さを責めなかった
君の清廉さが
今はただつらい。

慟哭した
滲むような月夜
虎の真似事さ
言葉 ....
たとえばこの町が水に沈んでしまったら

君への祈りも
僕らの言葉も
何もかもすべて、冬になれば凍って
そのまま永遠に
美しい水平線を保てるのかなと

冷たい手のままで笑んだ

風は ....
君がこの白地図を撫ぜたときに
世界が始まる気がしたんだ

ほんとさ。

悲しい幻に似た
鬱屈した午後の空気
燻ぶり始めた誰かの夢が
君の首筋を冷たく伝うときは


呼ぶといい
 ....
祈ることしかできないと言った
君の傷ついた指先の白さと潔白が
フリージアの訪れで、彩られればいいと思っていた

真摯な言葉で幾度となく揺さぶられた
僕の孤独も
いっそ清らかなまでに傲慢な
 ....
手の中で息絶えていく
鮮やかな言葉や夢が
何の意味もなく
何の意味もなかったもののように
僕の中で沈黙する

その、瞬間が。
雨音のように僕を黙らせる

だから、かなしくて。

 ....
さわらないでと
胸に茨を抱きかかえたまま
叫んだね。

マゼンタの色の野ばら
きみと、ぼくの

灰に涸らされてゆく喉で
必死に歌っていた僕ら

君は僕に蕾ひとつない
花冠を作って ....
顔のぼやけた数人を認めないことで
自分の価値をあげようとしてる

仮面ばかりが豪奢になったこの星で
どうして素顔を人に受け入れてもらえるなんて

思うの。


 君がつむいだ言葉と嘘 ....
青ざめた夕暮れの中で
世界のすべてが滅んでしまったような
そんな気がした。

 地図のような街並みの中に
 夜桜が零れる。

世界が素知らぬふりをする
僕だけがまるで迷子のように
突 ....
枝先からしたたりそうな、
花びらの数々

春のご挨拶は
今日も僕らに、みがかれた朝をもたらそうと
せわしなく羽ばたいている。

忘れたくないものすべて
抱きかかえてなどいけない

けれど

おもいだし ....
青い鳥に似ている
君の姿は。
たとえば星のように
土のように
風のように
月のように


気づけはしない
瞼をあげなければ
いつも。

夜は僕にくすぶったまま
朝焼けを連れて来る

磔にされた宛先不明 ....
追憶は、雪のようにそっとほどけていった。

    舞うように迷うようにさ迷うように

夜明けまで踊っていられる?
「お安い御用よ」。

静寂の泉に息を流し込みながら
雪のように
沈 ....
芝居がかった波が打ち寄せる
僕らの港からは
いつだって色とりどりの星星が見える。



  かなしみを選びとれるほどに、

この世界は寒色で描かれないけど


  しあわせを選び ....
しろいゆきは、
まるで水墨画のような空を
さまよっている。

きみのしにたいわけと
ぼくのいきるいいわけ
どちらも真っ白にぬりつぶされた、

白亜のよるがよぎっている。

きみを、 ....
追憶の果て。

こんなにも狂しい夢を見ている。
君が歌った清らかな唄のなかにだけ
やすらぎを見いだす。

「サヨナラをききたくないなら
どうして涙ばかり見せるの」


「わかってる ....
何度となく夜空を見上げ諦めてきた
手を伸ばせば届く気がして
悲しげにまた僕を包み込む

月すらも瞳に映せない夜は
どうかあかりを灯して((僕を呼んで))
夜明けなどこなければいいね。

 ....
何もかもから忘れられるための方法を探しながら
青い小鳥の歌を聴こう。

こんなにも見捨てられた楽園の中で
君の描いた僕のいびつな肖像画は
とてもお誂え向きに思える
             ....
何もかもに祝福されて生きている、朗らかな笑顔で
これからもずっと、美しい絵を描いて。


答えなど忘れてしまうといい
君を彩るすべてを裏切らないために


どうか




傷 ....
また夢を見たんだ、と。
涙で濡れた瞼を押さえて気づいた。

零れおちる夢に薔薇を投げかけて
もう二度と訪れないように、
君に酷いキスをした。


おしまいがあるから、始まりはいつも眩し ....
崩れ始めた君の絵の具が
君の姿を教え始め
僕は唇の端だけで微笑み
まだ君を救えないことに胸を痛めた。

キャンドルの灯りを頼りに
えがく、世界は。


どうしてそんなかおで

こ ....
世界の裏側ばかりを見ている僕らは
毎日毎日、かなしいわらいかたばかりが上手くなる

透き通るような空の下で、世界の終わりを願いながら
君と手と手をつないでみせて
本当に救いたいものすら救えず ....
声をすりつぶしてずっと耐えていた。
夜に吐息を描きながら、このまま私も空になりたいと思った。
砕け散ってしまっても良いから、
私を走らせておくれ、と。
まるで請うように泣き叫んだ

あなた ....
水島芳野(51)
タイトル カテゴリ Point 日付
渇き自由詩2*10/8/3 23:12
底なしの夜携帯写真+ ...4*10/6/8 11:05
サファイアの夢自由詩010/2/15 0:47
このいたみと、違う王国のきみへ。携帯写真+ ...210/1/6 0:27
星の澱自由詩110/1/5 1:45
星空と白地図自由詩009/12/23 23:55
砂の城携帯写真+ ...109/11/25 21:41
片づけられた真理携帯写真+ ...309/10/8 23:45
色の無い宮殿で自由詩109/8/18 23:03
ふぞろいな葬列Ⅱ携帯写真+ ...409/6/23 18:05
水の箱庭自由詩809/6/7 16:37
Utopian自由詩209/5/10 16:31
ファンタジア自由詩5*09/4/26 18:07
白い世界の果てに自由詩209/4/14 22:42
野ばらの王国自由詩8*09/4/1 19:27
今宵はあなたの舞踏会自由詩509/3/31 19:35
世界で唯一、僕だけが、自由詩1*09/3/24 20:34
春の粒子携帯写真+ ...2*09/3/23 19:42
片道書簡携帯写真+ ...409/3/21 12:30
朧雪自由詩309/2/27 16:25
月と星の絵日記自由詩209/2/25 17:46
自由詩0*09/2/22 1:54
ガーデン(生花の祈り)自由詩1*09/2/13 20:23
冷たい睡り自由詩109/1/24 15:45
僕の小鳥をあげるから自由詩3*09/1/3 15:34
絵本のささやき自由詩0*09/1/2 23:39
星に願わない自由詩108/12/28 18:52
エターナル自由詩208/12/23 20:21
がらくたな夜明け自由詩5*08/12/20 20:58
憂い気な朝が散らばっている。自由詩108/12/11 21:00

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