雲を仰いで
勇壮な魚群を描くのは
あなたの心にそれがあるから

月を見つけて
三日月に微笑まれるのは
あなたの心にそれがあるから

風に揺れる稲穂が
駆けてくるあの子の影に見える ....
すごく遠くにやってきた

生まれた町は温かで
仲間がたくさん笑ってた

すごく遠くにやってきた

車に乗ってぐんぐんと
お茶もお魚もいない場所へ

幸せにって言われても
いまこの ....
息を大きく吸って
深い青の底にもぐる
珊瑚も見えない暗闇を
なおざりなばた足で進んでいく

もう今度こそ
息が足りなくなるかもしれない

もう今にだって
冷たい水を飲み込んでしまいそ ....
憧れのギタリストの趣味は釣りで
彼の憧れはある釣り師だ
ヒーローにもヒーローがいて
みんな誰かと2ショット撮りたがってる

ピースなんか決めて
口角をずるりと上げて
夢の世界で居眠り
 ....
なんだかんだと
わがままを言われても
わたしは結局生きていくしかなく
アスファルトはいつだって硬い


いま太陽が山際に溶けた
命がまた一つ
足音をたてた

希望を捨てないから
 ....
魔法使いだったら
幸せをたくさん作って
シャボンの玉みたいにふわりと
人に届けるのに

ぼくがぼくであることが
そのまま誰かの幸せになったら
もうこれ以上の呼吸はいらない

鼻をこす ....
肉も骨も脳も
いらないとおもった
ぼくはそれくらいやけっぱちで
噛み付くように吼えた

どういう言葉が人を傷つけるだとか
どういう力が人を押しのけるだとか
頭の悪い計算はしなかった

 ....
心臓に星型の穴が空いた
星型はあの子しかもっていないから
世界でたった一つの特効薬は
二度と手に入らない

人と別れるということは
四角や三角や楕円なんかの穴が
心臓に空くということ
 ....
いちごのキャンディなんかと正反対
この心臓のうごめきは
重く苦しい悲鳴だ

がまんがまんと生きてきて
人の一人も殺しやしない
命の大事さを知っているためじゃないのに
理不尽な結果だ

 ....
きっとみんなトイレのコックを握ってんだ
いつでも好きなときにそれをひねって
水をじゃーじゃーたれながし
そんなのの餌食になっているのさ今日も

何を叫ぼうとも届かないのなら
何を求めようと ....
なにもない部屋の中で
ぼくがひとつ
転がっている
さっきまでふたつだったのに
いまはひとつになった

夏の夜は蒸し暑い
指の間にも汗かいて
まぶたのまわりもしっとりしてて
ひざの裏が ....
駅前のコンクリタイルは硬い
靴があたる音こつこつ
自転車で風をなぎ倒したい
どれもこれもこんちきしょうだ

呆れてるんだろう

怒りを止めてもらえないこの悲しみを
知りもせずに

 ....
コンソメ味は嫌いだ
映画館で食べるピックアップは
チーズ味が基本だ
お兄とあたしはいつもチーズ味で
映画を見ていた

あー
お兄が中学校にあがったころ
いきなりコンソメ味に手を出した
 ....
大きいのも小さいのも
甘いのもすっぱいのも
出来がいいのも悪いのも
全部なべに放り込んで
コトコト煮こむ

いいにおいがして
トロトロになったら
熱いうちにビンに詰めて
ふたをぎゅっ ....
ドロップの缶をゆすると
世界がひっくり返るような音がして
ハッカ味が転がりでてきた
たいていこんな感じで
詩を書いている

これしかできないと思いながら
これすらできないと泣いて
 ....
赤い鉄筋の橋をわたり
360度くるりとまわる
軸足がずれてよろけても
雨上がりの空は青い

駅前のカフェで
正面に座る人を見つめた
睫毛の長さと
指の節の太さ
あと首筋の香り

 ....
naru(16)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩019/5/29 22:50
嫁入り自由詩212/11/2 23:39
酸欠自由詩011/7/25 1:32
ピース自由詩209/2/25 22:45
わがまま自由詩108/12/21 0:29
自由詩108/10/3 1:47
宙ぶらり自由詩208/9/28 2:29
自由詩708/9/24 1:49
いちごキャンディ自由詩108/8/21 2:00
コック自由詩008/7/26 15:11
太陽自由詩408/7/23 22:38
鉄のシャボン自由詩108/6/18 1:02
ピックアップ自由詩108/4/28 1:23
詩栓自由詩208/4/9 1:08
ドロップ自由詩708/4/2 21:06
冷めたカフェラテ自由詩608/3/26 0:39

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