夜だった。一人だった。暗い川を筏で渡ろうとしていた。筏はとても古かった。櫂で漕ごうとするとバランスを失った。川は濁流で、僕は今にも落ちそうになった。すると、川面からぬめっとした首のような、海獣のような .... ある日、テレビを見ていた。天気予報のキャスターが出てきて天気図の前に立った。天気図のマークはどこもかしこもこんなだった→●。キャスターがさわやかに言った。
「今夜のお天気です。東京は夜でしょう。横浜 ....
ふくろうは飛び去らなかった!子供が死んで、その子供に捧げられている音の数は少なく、和声は簡素ながら、鐘のように心を静かに打つ。失われた時間へのなごりおしさのようなものが網のように聴くものを包み込む。美 ....

   窓から PEACE 
   の旗をはためかせて 
   向かいの坂道をのぞむ
   窓からみえる坂道
   あれは どこだろう
   土曜日の 昼下り

   日曜日の  ....
 鍵を持っていたんだよね、君は


 閉じた空に背を向けて、僕らは山へ登っていく
 道筋を辿って、汗をぬぐって
 ひたすら 
 足の上下運動を繰り返す

 ねえ 君は
 上下運動なん ....
 午後 誰もいない家の中を 醒めた眠りから引きずられて
 歩いている 春の匂いがした 北のベランダから薄い日の光が
 廊下を明るくして白い壁紙に黒い木のトリカテル
 


     
  ....
    さaa 手を繋ごう(aaaaaa)
a
a

a a a

a
           可哀相 ....
   煙草がけむりを上げて燃えていた

   指先まで




   空が

   夏を焼いていて
  
   仰ぎ見た 

   
   空襲警報の鳴り続けた
  
 ....
長いカーテンの隙間から日が漏れる。
鳥は朝を歌い始めて久しい。
タケシは目覚めた。
そして言った。
パンツである。断然パンツである。
そして枕元の携帯電話に手を伸ばし親指でボタンを2回押した ....
日が暮れてきた。2人はと言うと途方に暮れてきた。
そこに兎が通り過ぎた。

 夕立、夕立ー、1回5,000円。

古びた手押し車には子供用のガラガラおもちゃがたくさんついていた。
夕日の光 ....
  「君、を燃やしてみたいよね」隣で三月さんが言った。
  「え、私の、ハート?」笑って答えてみた。
  「いや、身体だよ。ほら、髪の毛とかさ、そういうのに
   火をつけてみたくない?」そう言 ....
   暇つぶしに入った喫茶店で煙草を吸いながら、注文したものを
  忘れていく。誰もそばにいなかった。そもそも友人なんていた
  記憶もなかった。誰か可愛い女の子と恋に落ちたかった。友に
  な ....
  零れていくもの。


  今日も白衣を着ていた朝、ロッカルームから出てくると、
 弓ちゃんが反対側の扉を開けて、私を見て笑った。
 「初音ちゃん、もう来てたの? 久しぶり!」
  羽み ....
  リキュールゼリーを食べて 酔ってしまった夜
  蛍光灯の下で 瞬いていたのは自分の目蓋だった

  ローソクを一本 皿の上に置いてみる
  横にあるフォークとナイフ 銀食器の光り

  ....
   君への電話

   開いた君の声が笑顔だった 過ぎ行く眼の前の車の音が
   
   急に聞えなくなるような 気がした


   時折考える 私を思いとどまらせるもの って何だ ....
  握った手ほど開いて いて… 君の足元も 



  立ち止った季節、君が言った「いつも死ぬって言ってるよね、

                  …それで、
            ....
  君と待ち合わせた路面電車の駅の出口、
  電信柱に凭れて煙草を吸っていた。自分のかいたものを読みながら
  なんてつまらないんだろうって思いながら。

  見上げると乾いた冬の青い空で、水 ....
 来春、君と結婚したい男が私にごめん、と言う。

 すまない、と繰りかえして言う言葉が頬を滑らかに這う。
 ずっと不思議に思っていた。私が、どうして君と繋がり合えなかったのか。
 胸を打つ ....
 
 可愛い人がいる。

「一緒に寝ないんですか」七月にそう私が聞いて、並河さんは
「うん 寝ないよ」そう答えて、奥の布団で眠った、夏。


 九月、眠っている私の頭を撫でて、並河さんが ....
 まだふっきれていない電線を、空の下から眺める。

 僕等、まだ生きていてつまらないことばかり考える。
 
 例えばいつもなんど かけても留守電にしかならないのは

 君が僕を嫌っているの ....
を、ありがとう。ね。

浜崎あゆみの声って伸びないなあ、なんて今更言ってみてさ、
君の手の平をそっと齧ってみる。君の肘をそっと舐めてみる。
ぺろぺろ。ね。

鳥たちが冬を支えて帰ってくる。 ....
白い 大きな犬が 川辺で少女を咥えて歩いていた 夏にしては
涼しかった日が 落ちていく

昨日 焼いた肉が手首を茶色く 焦がしたまま 腐敗していく

ララバイ ピンキーを取り出して 言っ ....
 嘘をついた つまらない、つまらない嘘
 嘘をついた瞬間に 津村さんが それに気付いたことに
 気付いていた

 つまらない、どうしてあんなことに 嘘をつくのだろう、唇が
 脳味噌を直結して ....
憂鬱な君へ

わわわッ、て叫んでみる、なんて嘘です。かかかッ。

未来が不透明で、思ってきたものと少しずつ違ってきていて、
これから先、生きていても楽しくなるなんて到底思えなくて、
考えら ....
今じゃないし明日でもない らんっ

雨が降っても 晴れても 電車に飽きてくる車窓
俺って言う人が羨ましくて 朝電車の中で何となくつぶやいてみる
「お、俺、俺ぇ!」「ちょ、俺だよ俺っ」「っも〜、 ....
クッキーを作ってた水曜 夜
テレビが家にないので 見るときは多分
友人の家かどこか



 「一緒に寝ないんですか」

そう、並河さんに訊いたのは 今まで泊まってきた人たちが
いつで ....
繋がっていく 光 まだ 足りない

プレゼント単体 右に倣え

「一週間のうち 何曜日が一番お好みですかッッ?!」

 アルバイトの店員が強訴する

「俺、メツ曜日ッ!!」

 レ ....
   手首から少しずつ剥がれていく
   鱗が

   ぱらぱらと 床に散っていく 雨が

   降り続いていた

   きらきら している 鱗の欠片が

   降り積もっていく
 ....
 君が
 くれた


             飴玉を しゃぶり続ける




 何日も洗っていなかった髪の毛から
 何か 不明瞭な音がする


 喫茶店で笑っていた
 呼 ....
日時不明 ロリータコンプレックス
君のお尻を引き裂きたい ハウスキーパーmemo、
愛してみたい 地下室便器
コーデュロイの膝で君に 抱かれたい
数かぞえて 吐いてみる ベッドの下の部屋

 ....
鴫澤初音(45)
タイトル カテゴリ Point 日付
夜だった。一人だった。散文(批評 ...208/1/30 3:11
天気予報キャスターはさわやかに言った。散文(批評 ...208/1/30 3:02
colorless自由詩208/1/30 2:44
peaces自由詩308/1/18 23:13
esquisses自由詩408/1/18 8:57
sketches自由詩508/1/8 9:55
honeybee自由詩108/1/8 9:19
army自由詩108/1/8 9:18
ホイットニーがんばれ散文(批評 ...208/1/5 15:26
夕立売散文(批評 ...108/1/2 20:20
ランドリエ、メス捌き未詩・独白207/12/30 3:08
見つめ合い未詩・独白107/12/30 3:07
助からなかったもの未詩・独白107/12/30 3:06
啼くことの霞み未詩・独白307/12/28 9:35
軒並みぶっ倒れていたさ未詩・独白407/12/28 9:33
なか、つかさ、君の眼未詩・独白007/12/28 9:33
祝詞、君の未詩・独白007/12/26 1:55
君と時効未詩・独白107/12/26 1:52
アンラッキー・ファイト未詩・独白107/12/26 1:52
妙な味のする指舐め未詩・独白007/12/24 2:28
胸一杯の排気ガス未詩・独白207/12/24 2:28
願うことしょんぼり未詩・独白007/12/24 2:19
泪なく未詩・独白107/12/20 23:45
鬱な君へ 腐るほど愛未詩・独白107/12/20 23:43
スラックスパンツパンツパンティ未詩・独白107/12/19 1:22
ポリポリセンベイスト未詩・独白107/12/19 1:20
簡易電話未詩・独白107/12/19 1:19
鱗音自由詩207/12/16 10:48
自由詩107/12/16 10:47
ずらかる未詩・独白107/12/15 21:58

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