もしもこの部屋の前に
停まっている青いムーブが
もしも白いライフなら
今夜の冷たい布団が湿るほどに
濡れ合えるかもしれない
もしもこの部屋の壁に
飾ってある写真の振り袖が
もしも ....
闇に溶けない夜が来た
冷めたコーヒーに浮かぶクリープが
あなたのスプーンで混ぜられたように
少しだけ溶けた雪をタイヤが踏んで往く
ここから二つ山を越えた街のはずれの山の上に住むあなた
も ....
一人ワインを開ける
一人ワインを空ける
欲しいのは
合鍵で部屋のドアを開けるあなた
私の部屋の鍵を持っているあなた
冬が深まるにつれ
春に近づいているとは思えず
記憶はあなたを探し彷徨い ....
歩く、歩く一人で歩く
猫一匹と猫背な飼い主
季節外れなヤキイモ屋さん
本体よりも大きなストラップをつけた携帯電話
その電話で小声に愛を伝えようとしている小学生
この世の中、何かが狂っている
....
永遠に愛になることがないと判っている
アンハッピーエンドが約束されている恋
両親からは反対
友人からは忠告
そして私は浮気やら本気やら乱交やら
それでもあなたは私から離れてはいけないの
....
ヤドカリは夢を見た
そんなに複雑な内容じゃなかった気がしないでもないが
たぶんこんな感じだ
この夜がクリームシチューのような色とトロみで
この殻がジャガイモのようにずしりと重くて
なぜか ....
カーステレオが今夜に限って耳障りで
今までそんな記憶は無いのだが
どうも体内の何かが脱け殻で
何故かお前は笑っているのだな
この夜は間違いだらけで
正解な部分を見つけることは極めて困難だ ....
例えば幸のやうな雨が使途使徒とFULL夜あなたが
親も京大も新籍も総て捨てて
それはもうまるで新品の冷蔵庫のように
私ヲ受け容れてくれると謂えば
Con夜の濃獨も南都かnOtのでshowか
....
深く暗い森の中を歩く私
間もなく目的の祖母宅があるはずです
道中、狼に声をかけられ
付き合い半分乗り気半分で遊んできました
お母さんにはばれていないはずです
祖母宅に着くと、いるはずの祖 ....
今宵独り肉塊食す也
胃袋は其の圧迫に耐えきれず
今宵独り便器抱く也
脳は其の独寂に耐えきれず
今宵独り泣き鳴く也
こんな者が人など想って良い訳がないのだ
こんな者は独りがやはり似合って ....
在るのは裸の身体だけ
愛されることの亡い裸体
持て余し自慰行為に溺れ
その声に驚愕し絶望し落胆する
脱力した身体を毛布に包み
無理矢理眠りに沈み込む
愛欲を押し出せば何か変わるだろうか
....
ある夜目覚めると猫が部屋に住み着いていた
何故か泣いていた
先に無いのは当然だが
後にも先にも猫が泣いたのはその時にしか見たことが無かった
猫は少しぽっちゃりしていて黒髪だった
猫は ....
モノクロの…という言葉が
夢の中での出来事の暗喩だと
生まれて随分経ってから知らされた
そういえば、あの歌詞もそんな感じだった
だけど、僕の夢はオールカラーだ
そうして僕は切り出した
....
夜中にヤカンで湯を沸かそうとした
ただカップラーメンを食べようとしただけだ
ふとヤカンの内側に汚れを見つけた
汚れは小麦粉のようだった
何十回も湯を沸かしても剥がれなかった汚れ
嗚呼そうか、 ....
例えば変に糖質を多く含んだこの雑酒が
今年採れたてホップの絞りたてのビールだったなら
こんなにも虚しい気持ちにはならずに済んだのか。
玄関を入るとまず見えるのは
脱ぎ捨てられたあなたの靴
そっと並べる度、思い出の数も増えていくの
その先に長く永く二人の愛のごとく続く
実はたった2.5メートル程の廊下
両端に1つずつ ....
楽しそうに微笑むね
嬉しそうに笑うね
優しい顔で悩むんだね
キレイな顔で泣くんだね
丁寧にカレーを食べるんだね
熱くなさそうにコーヒーを飲むんだね
先週挑戦して失敗したカルボナーラ作り ....
嘘だと思いますか。
私が今夜あなたを想っていることを
嘘だと思いますか。
私が本当は彼を想っていなかったことを
嘘だと思いますか。
私は、嘘だと思います。
いえ、思いたいのです ....
もはや抱き枕と化した
その暖かな身体を
今一度確かめるべく君を喚ぶ
嗚呼あの夜もそうだった
無性に鍋を喰いたくなり
君を喚んだんだ
僕は独りで眠れない
とりわけこんなに寒い夜は僕 ....
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