妻が身籠った
『妻』だから当然僕の子だ
妻は強い女だった
いや今も強い女だ
その昔、彼女はこう言った

人は正しく死ぬ為に生きているの

その意味が分からなくて
でも彼女が死をおそれ ....
白いシーツが真っ赤に染まっていた
下腹部を同じく真っ赤に染めた男
その血は横たわる女の経血だ
突然電話が鳴りだした
男は携帯に応答する前に
人差し指を立てて唇に当てる仕草をした
女はその意 ....
あなたは毎日アイシテルヨって言う
私はほぼ毎日ウンって返事をして
時々ごく稀にワタシモって言う
近頃あなたの言葉は習慣的に響き
私は習慣的に聞き流している
そんな気がする

このやり取り ....
おめでとう。
その言葉は
直接言うからこそ意味を持つ
そう痛感している

残念だった。次頑張ろう。
その言葉は
直接言えたとしても
意味がないこともある
でも、言うべき人が誰だったの ....
背中を向けて逃げ出した僕が
別の居場所に落ち着いた

あれから1年
君は居場所を見つけたのだろうか
相変わらず涼しい顔をしながら
必死で藻掻いているのだろうか
辛くなったら連絡してもいい ....
決戦に臨む君たちへ
伝えたいことはたくさんある
でも今隣で見守ってやることも
行ってこいと背中を叩くことも
おかえりと肩を抱いてやることも
もはや出来ないわたしが
君たちに伝えられることな ....
雪降る昼間
気付くとうたた寝をしていた
夢の中では昔の恋人が
滝を眺めてサヨウナラと呟いていた
目が覚めると雪のせいで
さらに気温が下がっていた
布団に包まっていたのに
鼻の先がひどく冷 ....
映画観に行った
隣で女の子がウーロン茶飲んでる
もしお前やったら、コーラ飲んでるんやろな

最後に1つ残ってたタコ焼き
隣にいる女の子は俺にすすめてくれた
もしお前やったら『食べてもええ? ....
優美で気高い花を見つけた
手は届かないけど毎日眺めていたくて
ぼくは足繁く通い観察し続けた
言葉通り変な虫がつかないよう見張っていた
ある日花が東からの風には弱いことを知った
真っすぐな茎が ....
今夜も電話を切る直前
キミが少し黙り込む
きっと良くないこと考えてる
ねぇ不安よりも孤独を選ぶなんて
お願いだから考えないで
その不安にはきっと愛という別名があるはず

真夜中微かな地震 ....
私は夢の中に居る
私は夢の中に居る
私は夢の中に居る

私は見知らぬ男に抱かれている
素晴らしい骨格と体格の男
妖艶な薬指を持つ美しい男
シーツの上で男を見上げ
私は名前を呼ぶ、叫ぶ
 ....
北斗七星を夜空の中に見つけた
続けてカシオペアを探したが見当たらなかった
数ある星の中から何かの形を連想し
星座を名付けた人達は何を見いだしたのか
僕は既に名付けられた星座すら
見つけること ....
毎晩電話を切る前にあなたは
愛してるよ、と必ず言う
それは日課のような響きで
外国の映画で俳優さんが発音する
アイラブユー、のようなスィートな感じはなく
なぜ毎晩決まって言うのだろう、と私は ....
無意味に星が綺麗に見えている
タンクは今も団地の奥に建っているんだろう
帰らなくなった故郷
逢えなくなったキミ
ドレスを見せてね、なんて
よくも強がったもんだ
実際写真を目にして込み上がる ....
現世で繋がりのある人とは
前世でも深い繋がりがあったのだと
何かで誰かが言っていた気がします
もしそれが本当だったとしたら
逆に、今繋がりの深い人とは
来世も繋がりを持てるのでしょうか
仮 ....
あなたがくれたミニブーケ
小さなグラスに差し替えた
短すぎた葉っぱを1枚
あなたが昔くれた本に挟んだ
12時34分を指す時計の針
何も鳴らない携帯電話

明日も早いしもう寝よう
そう思 ....
せっかくなんだからこんな日は
季節感のある詩を詠みなさいと
誰かが言ったけれど
僕が詠みたいと魅かれたものは
親戚のおばさんがくれた林檎
たいていは縦にぱっくりと切るところを
横にバッサリ ....
2008年から2009年に変わる日
あなたと行った初詣
寒い中でも人込みが出来て
手をつなぐ口実が出来た
あの時引いたおみくじ覚えてる
偶然か何かで二人全く同じ小吉

待ち人、来るが遅し ....
既に眠りについたあなたの
心地よさげな寝息が聞こえるの
あなたは確実に夢など見ていない
私が横に居ることも関係ない
最後の一日を誰と過ごしますか
そう決断を聞かれたとしたら
あなたは私の名 ....
冬だ
風が頬に当たるとピリリと痛み
後に唇までピリッと割れて痛む
それが冬だ
外壁をピカピカしたライトで飾るお家は
電気代など気にしなくて良いお家だよと
独り言を言いながら肉まんで暖を取る ....
大小様々なぬいぐるみを
カウンターのお姉さんがくれるシステム
大きなぬいぐるみは5千円
中くらいのは千円たぶん小さいのは5百円
お姉さんは僕に大を2つ中を2つくれた
僕はぬいぐるみを換金する ....
ガモラーゼがやってきた
予言された通りやってきた
上弦の月夜霧が晴れたらやってきた
ガモラーゼがやってきた

足音が聞こえ私は飛び起きた
窓から顔を出すとガモラーゼはすぐそこだった
ニキ ....
雨音が聞こえる
あなたは傘をさしてくれた
車のドアを開けると
小さな小包みが
でも今はもう無い何も無い
雨と熱と


雨音が聞こえる
あなたが帰ってくる
合鍵でドアが開く
手には ....
今までに君から受けた扱いの数々を
ちょっと時間が空いたから思い出してみることにした

出会いはちょうど10年前
通学途中の電車の中
当時の高校生らしくない
落ち着きつつも既に妖艶な服装、顔 ....
タンスの中からウェディングドレスが出てきた
真っ白だったであろうドレスは
少し裾らへんが黄ばんできていた
デザインは当然新しくはない
鏡の前に持って行き、私は
自分の胸に合わせてみた
狭い ....
もしもちゃぶ台返しができたなら
私はその場でその必殺技を繰り出したことだろう
それ程にそのカレーは不味かった
しかしながらその煮込み料理は
今時に似合わず親切なご近所さんからの頂き物
無下に ....
不安になる
でも、あたしは不安の正体を知らない

あなたの頼りなさとかいい加減さとか
分かり切っていた甘さとか
そんなものなのかもしれないし
あるいはインカ帝国の予言のような
ある種の胡 ....
近頃ふいに怖くなるんだ
きみの中身がいつのまにか入れ替わっていて
僕はそれに全く気付かずに
きみだと思い込んで毎日過ごしていたら

それはきみの気持ちがもし変わっていたら
と、いうことでは ....
もしも俺が死んだらどうする?

二人の新居が出来上がった夜
あなたはすこぶる縁起でもないことを言った
もしもあなたが死んだら

縁起でもないけど考えてみた

大前提としてもしもあなたが ....
メメ子がテストで76点獲った
唯一得意な英語だった
しかしメメ子の数学は31点だった
メメ子は数学が大の苦手だ
母親は勉強しないからだと叱り
塾の先生は母親に平謝りしたついでに
メメ子を哀 ....
智哉(109)
タイトル カテゴリ Point 日付
妻である彼女自由詩010/9/8 0:47
情事自由詩010/3/6 23:50
会話自由詩010/2/15 23:53
言葉は意味を持たない自由詩110/2/15 2:45
歩み自由詩110/2/12 15:50
決戦に臨む君たちへ自由詩310/2/12 1:34
雪の昼寝自由詩310/2/7 0:34
もし自由詩210/2/3 0:35
吹くな東風自由詩110/2/2 0:35
別名自由詩010/1/22 0:47
夢現つ自由詩010/1/21 1:14
夜空に探し物自由詩110/1/18 0:02
毎晩の日課自由詩010/1/16 0:51
叶わぬ想いなら自由詩110/1/14 23:19
輪廻自由詩110/1/13 0:29
あと少し自由詩009/12/27 0:37
夜か林檎か爪楊枝自由詩009/12/25 0:33
待ち人来たれど自由詩009/12/20 0:19
眠るあなたの横で自由詩109/12/8 0:58
冬を告ぐ自由詩209/12/7 0:29
夢は覚めても自由詩009/12/6 1:19
ある夜に自由詩109/11/27 0:13
雨と熱と自由詩009/11/24 23:45
待ち時間の使い方自由詩109/11/23 11:30
オーダーメイド自由詩1+09/11/22 0:53
メインの隠し味自由詩109/11/20 5:15
不安になる自由詩2*09/11/15 23:25
中身は犬か魚自由詩209/11/15 1:05
願いは一つ自由詩109/11/9 1:16
母親だの塾だの自由詩109/11/3 0:03

Home 次へ
1 2 3 4 
0.35sec.