いつの夜かに冷凍した食パンの事を覚えてる
柔らかいままでは持て余す愛しい食パン
あたしが冷凍した張本人だから
忘れたことすら無いってことも覚えてる

忘れることができなくて
とうとう解凍も ....
朝起きてみると炊飯器が反乱を起こしたか
お米が炊けていない
仕方なく5枚切りの食パンにジャムをはさむべく
1枚をさらに2枚にスライスしようとして
不器用な僕は手の平も一緒にスライスしかけた
 ....
幼い時から何かを抱いて眠る癖があった
いわゆる抱き癖というものか
初めは布団や枕
次にぬいぐるみ
そして生身の人間へと対象は変化した

そんな中僕の前に現れた君は
まさに抱くのに最適な対 ....
45分間の孤独を妄想してみた

最初の15分間、僕は空を眺めている
考えていることは雲の形や今夜の夕食の献立
こうしていると案外45分なんてものは
あっという間に過ぎてしまうのかもしれない
 ....
ゆっくりゆっくりバイクを走らせた
こいつは思っているよりもスピードが出るが
そんなに早く走らなくていい
危なくないようにゆっくり走ればいい
パン屋さんは遠くない
新しい花屋を越えて八百屋も越 ....
見上げると雲が鰯の尾の形だった
鰯の尾がどんな形だったかと聞かれると
厳密に答えることも
曖昧に思い浮べることもできないが
やっぱり雲は鰯の尾の形だった

何故か一昔前に流行ったかもしれな ....
増水した川を見ようって出かけたドライブ
山から下る道で大きな鹿を見た
まるで長老みたいな顔で
大きな大きな角を持ち
僕らの事なんて気にも留めずに
通り過ぎる車を越えて遠くを見つめていた
川 ....
今回も私は何も言えず
胸に全てをしまい込む

頭の中で一人ブレスト開始
あの時のあなたの行動が悪い
でも私の可愛げない発言も、もしかしたら
素直になりたいけど素直になれない
そんな関係な ....
今回もお前が黙り込み
胸に全てをしまい込む

頭の中で一人討論会が始まる
議長がお前なら与党も野党もお前
第1審は大抵『決別』で決着
『帰る』と言いだすと、結論言い渡し開始の合図

堰 ....
今日、新しいエプロンを買った
今日、リビングにホットカーペットを出した
今日、夕ご飯はカレー鍋に決めた
今日、お風呂であの歌を唄ってみた
今日、電気毛布を早々に使った
今日、あなたの夢を見た ....
「ただいま」とあなたが言う
「おかえり」と私は応えてお鍋を火にかける

リビングにいるあなたを見ながらキッチンに立つ
別々のことをしながらも同じテレビを見る
厳密には私は音を聴いているだけだ ....
結婚しようって言ったあなたには
あなたの部屋で一人待つ彼女と
私よりその人を選んだ
半年前の過去がある

夜中の電話
家の前で待ち伏せ
全部が4年前と同じ
拒みきれずに表に出てしまった ....
使い慣れた携帯電話
真夜中に新規作成の画面を開いてる

『結婚します』その一言を
知らせるべきか迷ってる
今の幸せを一刻も早く知らしめたい
でも知らせてしまえば全てが終わる
これは未練か ....
マニキュアっちゅうもんについて考えてみた

おまえは出かける前の日に丁寧にマニキュアを塗る
そりゃもう手といい足といい、これでもかっちゅうくらい丁寧に塗りたくる
しかもキズがついたやの剥がれた ....
君を乗せて浜辺沿いを走らせながら

白良浜と夕焼けの海が見渡せる

お願いだから今回ばかりは
素直に受け取ってください
円月島の輪っかに薬指を通して
今度こそ逃げないって誓ってください
 ....
暗やみでも私の肌を探り当てることができる
素早く正確に温度を感じ素肌に口を這わす
あなたに触れられた場所は熱を帯び
疼いた身体が今夜も私を眠れなくする


例えば露出した箇所はもちろん
 ....
君が腕の中にいる
一度は僕を拒み背を向けた愛しい君
どういうわけか、君とホテルのベッドにいる
君はあの日と変わらずキレイで
僕の本能はあまりにも正直過ぎた
このまま君を立て続けに抱きたい
 ....
アイシテル
その使い古された言葉を言ってみても良いですか
人生で初めてその衝動にかられている
その言葉の意味が解ったわけじゃない
その言葉に似合うほど君を愛したからじゃない
ただ、その響きを ....
お尻を触らせてくれないか
キミのお尻を触らせてくれないか

なぜかと聞かれても
「そこにお尻があるから」としか言えないが
とにかくキミのお尻を触りたいんだ

例えばデパートのエスカレータ ....
好きな人ができた
あなたとの快楽に身を沈められない
キスさえもできないと思うくらいに好きな人ができた
あなたとの関係を今終わりにしなくてはいけない

最後の夜になるだろうからホテルに走らせる ....
キミに好きな人ができた
僕たちの終わりなんて、こんなものくらいしかなかったんだな

最後の夜を過ごすために車を滑り込ませたホテル
いつもは明るいから嫌だと言ったキミが
「怖いから」なんて理由 ....
秒針が回る
老婆が一人、食パンを買いに来る
部活帰りの高校生が菓子パンを買っていく
パート店員が帰っていく

取り残されたサンドイッチとカレーパン
カレーのほうはともかく
サンドイッチは ....
放課後部活帰りの下駄箱
キミは少し俯いて言った
 つきあってあげても、いいよ

21歳居酒屋の駐車場
キミは酔っ払って言った
 キスしても、いい?

就職2年目ファミレスの向かいの席
 ....
ベビーカーを若い母親が押している
私のお腹には先刻食べたたこ焼きが入っている
これがもしも、あなたとの子供だったら…

あなたがお好み焼きを食べながら笑っている
私は嬉しそうに、ビールを飲ん ....
お風呂を掃除した
世の中は進み、合成科学スポンジがついた
お風呂場洗いが百円で買える

働き者だったはずの中身を置き去りに 
先に外機能が死亡したお風呂のスプレー洗剤 
さようなら

 ....
明日が来る
いや、来てしまう
僕は
まだ陽の光を浴びたくない
この目には
映したいものが何もない

この寒さで今夜降るであろう白い雪も
僕を愛する彼女の瞳も
ブラウン管の中で一千万を ....
北斗七星が突然
体の右側面に出現

痒みを伴い困惑
さらに出血、事態は最悪

嗚呼神様どうしましょう
この逝き場の無い感情

ワタシの心臓ははんぺんを丸めたカタチ
今夜はなんとか蒟 ....
冷凍庫に食パンを入れることにした
食べきれなくなったからではない


ごみ箱以外で、誰の目に触れない場所で
賞味期限を大幅に延長するためにだ


生のままでは持て余してしまう
その柔 ....
瀧や森林からマイナスイオンが出るように
彼の体から落ち着かせ物質が出てるとすれば
私はそれに影響を受けたと納得できる
彼の体からイラつかせ物質が出てるとすれば
私はそれも納得できてしまう
た ....
彼の香水は大好きな薫り
マフラーに残った移り香が彼を思い出させる
あのけだるそうな話し声も
甘えたわがままも
意地悪な焦らし方も
全部香水の薫りより愛しい
決して鳴らない大好きな着信音
 ....
智哉(109)
タイトル カテゴリ Point 日付
冷凍食パンの行方自由詩109/11/1 23:08
パン切りナイフで手の平が切れた自由詩209/11/1 20:50
僕の腕の存在意義自由詩209/11/1 0:32
孤独を妄想する僕は自由詩009/10/28 23:59
パン屋さんだ自由詩0+09/10/28 1:09
目に映る風薫る自由詩009/10/28 0:46
洪水警報発令自由詩009/10/8 23:32
私の喧嘩上等自由詩109/10/6 23:55
俺の喧嘩上等自由詩109/10/6 23:40
明日は自由詩109/10/5 23:19
夢のマイホームは今も自由詩409/10/4 21:01
昇華自由詩009/9/30 23:33
白い車と黒い車自由詩009/8/11 1:45
ネイルケア事情自由詩309/8/6 0:47
南紀へ自由詩109/8/5 1:43
サディスティックな…自由詩1*09/8/4 6:04
突然の自由詩009/8/3 0:55
言ってみても良いですか自由詩009/8/1 0:16
お尻のある風景自由詩009/4/14 12:44
さよならあなた(さよならキミと対作)自由詩109/4/11 23:25
さよならキミ(さよならあなたと対作)自由詩209/4/11 23:02
売れ残りサンドイッチ自由詩009/4/10 23:36
キミは言った自由詩009/4/9 22:24
心にあなたを、胸にこの子を自由詩009/2/7 0:35
さようなら自由詩009/1/19 2:17
スクリーンの君は微笑み僕はまたブラインドとなる自由詩008/12/28 1:44
僕の頭はきっとお逝きに為ってしまわれた自由詩008/12/25 1:39
食パンを冷凍する夜に僕の耳に聞こえてきたラブソング自由詩2*08/12/22 1:27
穴を埋めるもの自由詩008/11/15 1:27
香水は知らない自由詩108/11/12 1:24

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