眠って楽になれるかと思ったのに
となりにあなたがいないぶん切なさが大きかった。
となりにあなたがいるぶんさみしさがおおきかった。
何も知らない事を知っている事は
幸せだろうか
無知のまま、
笑ったり
怒ったり
空っぽになったり
そんな日常を自覚せず過ごしていくほうがずっと幸せに思え ....
自己というものは一枚岩のようなものではなく
多重に多極が複雑にからみあって
相反するもの同士不思議と調和して形成していくものであって。
だから自己の多重性について考えるとき僕は ....
夢見るよな白昼夢。
(そばにいる君の名前が思い出せない。)
それを知らない人からみたら夢でしょう、なんて馬鹿にするだろうね。
ゴッホの世界のよな君に、左耳を送り付けていた ....
どの君も本当の君で、
どの僕も本当の僕だと
僕は言ったけれど、
きみや彼女の中に存在している僕と
今ここで呆然と生きている僕は
やっぱり相容れないものだと思うのです。
僕は強くもな ....
「たとえば」で世界が構成されていたとしても
「たとえば」あなたが笑っていてくれるなら。
嘘をつくことだって本当はこわくないよ。
....
さあさあ自身の空虚な自信に歯を立てよう。
自分の才覚の壁が見えるのは、その壁を超えられる可能性があるということだ。
吉田修一のような小綺麗に人を見下した感じを望んでいるわけじゃないけど、 ....
あたしはいつだってあたしがいたというしるしをつけたがった。
きみはなくす事を恐れていたのにも関わらず、それをとても嫌がったね。
あたしの視線から君がいた記憶、数えるほどにしかない記 ....
君は失ったものよりもより多くのものを手に入れたと言う。
「よかった」
君は微笑んで甘い盲目感。
ぐろすぐりとねとりと光る唇で紡ぐあいのうた。
ほら、あたしはあなたがいなけれ ....
ひとつひとつ構成されていくよ。
細胞は星座を写し取る。
(だから、僕の体は少し大きくなるね)
甘い甘い飴の中にショリショリと雲母が。
(正確な座標まで写し取っている。細胞は分離 ....
ほら夜の明かりがどろりと粘着質な桃色にひかっています。
あおいしろい灯り(今年の冬の流行色。有機照明のひとつにもなりはしない)が
一層この世界の汚さを浮き彫りにねえ。
きみのくちびる。粘着質 ....
きみはまだ眠っている。きみの睫毛が(呼吸をする度に)小さく瞬いている。
あたしはそれを見ながら猫のように体を丸めている。
それは愛だというには独善的すぎたし、気まぐれだというには運命的すぎ ....
絶えず冷たい雨は降るよ。
(もうすぐ雪に変わってしまいそうだ。)
君の嘘涙。眠らずば、霧踏み森にやまず。
ほらいつだってわかっていたんだよ。
君の嘘言葉。嘘涙。
....
水色の下
水の中が好き。
人類の起源は海であるし、そうでなくとも生まれる前、羊水の中に私達は漂って生を受けた。
生温い水の中に漬かって、
昔見た近未来アニメのように、心も体も水の中に溶けて ....
保存するのが苦手です
だからいつも散らかっています
途切れてしまった手紙や、
渡せなかった写真や、
他愛もない記憶の欠片が転がっています。
保存するのが苦手です
だからいつも腐っていっ ....
夜は時間や気持ちが止まるから
普段言えない様な気持ちや感覚や
そういうものが合わさって
色んな種類の欲望や、感情や
通行止めにしてしまえばいい
きみに触らないように鍵をか ....
何かを丸ごと肯定することを怖いと思わないんだろうか。
それは例えば宗教であったり、他人であったり、自分自身であったり。
盲目的に。従属的に。
本当の自分をわかってほしい
とか、
ここ ....
計画性のない女です
いつだって、叶うはずもない夢物語と
現実と妄想の区別がつかなくなっていて
将来性を口から出るままに誤魔化していたりして
目で見ていることも、今きみが言った言葉も未来なん ....
青い空は嫌い。
彩度を上げた様に孤独感も上がる空だ。
(僕は今日もとても独りよがりだ)
焦げ付くように、こびりついている思考。
(きみと交わした従順な振りの約束。忘れていて欲しい、と願うけれど ....
いやそれに他意はなく
はちきれそうな悪意に体は震えるのだけれども。
そよりそよりと悪意の虫が蝕むのなら
多くの人が持ち得る偏見や自己否定、
それに伴い生まれる自分勝手な自己愛は ....
ねえ、街の光はプラネタリウムみたいにきらめいてるから、
どんな星座だって作れそうだね。二人で見つけていきたい。
(偽物の光だって知っていても、願ってみたくなるものだから。)
あの日夢見た ....
あなたが僕にそうやって問いかけるたびに
何もことばを伝えられずに
僕はただただ繰り返すのです
自己の才覚を認めずば埋没し、
自己の才覚を過信すれば孤独となる。
賢くあれ。先を見据えろ。
目を覚ませ。盲目であれ。
自己の形など掴まずとも自己は存在している。
その存在に ....
言葉を言うのはいつもあたしの役目だったね。
「さよなら」すら発することのない、君はとてもずるい人だった。
約束は守ることではなく、することに意味があるもの。
そう、だから「ずっと一緒にいよう ....
自分の王国は退屈な夢。
透明な壁で世界の全てを見ていた。
傲慢に肯定する毎日で。
井戸の中。蛙の王様はね、首輪をつけていた。
(僕は蛙の王様だ。本当は首輪をつけていることも知っている。 ....
蛙は透明な籠の中にいました。
彼の王国の壁はひどく純度が高い透明で、
周りには大小様々の動物が自分と同じように首輪でつながれて、ひどく疲れた表情でおりました。
隣に居る犬が言いました。
『 ....
猫祭りの宵。
間延びした鳴き声で君はね。
確かなように感じる(きっと、君は酔っているんだ)言葉をほしがるの。
町並みは絵のようで、月も緑がかって酷く大きくゆがんでいる。
ほら、月に祈るよ。 ....
あなたがいないと生きられない
なんて、けなげぶってみたり。
甘いあまい生クリームを泡立てて劣情したりしています。
毒づいても、甘い痛みと手を離した時のつめたさだけほんものだから、
きっときっと ....
自らの矛盾に目を瞑っていけたら素敵だね。
自らの基準を信じていけるなら素敵だね。
築かないなら救われる。
気づかないならそれは罪。
自らの知識をもって周りを無知とするならば、
その無 ....
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