幼なじみ
ってくくりたくない
ボーイフレンド
はベタベタしてて恥ずかしい
彼氏
なんてもちろん呼べない

最初にあの娘のことを相談された時
こいつバカじゃないかって
思って
そ ....
境内につづく階段は長くて
手をつないでいると
歩きにくいのに
離したら二度と会えなくなりそうで
はじめて着た浴衣の
袂をゆらしていた
あれは
いくつの夏だっただろう

抱きかかえ ....
ロキソニンを
ぼりぼり
フリスクみたいにかじってたら
ミサキちゃんに止められた
ほっぺた叩かれて
喉がちぎれるくらい吐いて
なんでって
聞かれても
答えられなくて

あいつなら ....
来る日も来る日も
あなたの永遠は
鳥籠の止まり木につかまって
言葉をまき散らした
毎日まいにち
わたしの永遠は
もそもそと床を這って
散らばった言葉を食べつづけた
あなたは時々
 ....
小さな町のはずれで
旅人は力つきて倒れ
そのまま動けなくなった
かれこれずっと
なにも食べておらず
水も一滴も飲んでいなかった
町の空気は乾いていて埃っぽく
川も干からびていたし
 ....
ひとつ
ずつ

とても
はかなくて
やみにのまれて
きえてしまいそうな
ちいさなあかり
よりそったり
はなれたり
するのは
ひとつ
ずつ

きっと
たいせつな ....
ビー玉を
プラスチックで
ぎゅっと押しこんで
からんと音をたてて
ひろこちゃんがわらう
びんがずっしりと重い
人がいっぱいで
やすむ場所もなくて
やっとみつけた木のしたで
ふたり ....
あけっぱなしのまどから
かおをだして
あなたはきもちよさそうに
そとをみている
かーてんをゆらして
はいってきたかぜが
はんたいのまどから
へやのくうきをおしだす
そうそう
とあ ....
まっくろなふうせんを
まっくろなそらにとばす
まっくろなひもでぶらさげた
まっくろなかみに
かいた
まっくろなもじ
もうおもいだせない
きっと
だれも
きづかないだろう
さよな ....
だんぼーるのなかで
ないていた
しろいこねこ
かわいいって
だきしめてもらいたくて
ひっしにさけんで
このあたりはだんちだから
どこもかえないなんて
しらずに
よびつづけていた
 ....
しんをちょうせつして
つつをもちあげて
すこしだけすきまをあけて
まっちでひをつけて
しめるとどうじに
まっちをふってひをけす
ごっごっ と
おとをたてて
かなあみまでひがのびて
あ ....
いちばんだいじなものは
とっておきなさい
といって
せんせいは
おおきなみぎめをぎょろぎょろさせて
きょうしつをあるきまわる
みんなしくしくなきながら
にばんめをつくえにおいて
い ....
金属ブラシで懸命にこすって
庭の水道で洗い流すと
スコップも裁断ばさみも
見ちがえるようにきれいになった
せっかく用意したリュックには
けっきょく
詰めるものがなにも思いつかない
縁 ....
流しのしたで無事見つけた
ゴミ袋は
みるみる膨らんで
いくつも部屋のすみに並んでいく
たちまち汗びっしょりになる
シャワーを浴びたい
冷たいお茶を飲みたい
などと考えないよう
片時 ....
雨戸をしっかり閉める
窓をしっかり閉じて
鍵をかける
電気機器のコードをすべて抜いて
ガスも水道も止めて
明かりも消して
それでも
どこからか音が聞こえてくる
時計の電池を抜いて
 ....
激しく降りつづいて
やむ気配のない雨
屋根や庭を盛大に叩いている
縁側にすわって
いつもより濃いお茶を飲むあいだも
軒先にならべた大小の容器が
たてる音がまるで不揃いだ
灰色ににごり ....
庭に植えた柿の種は
その後
いっこうに音沙汰がなかった
毎日欠かさず水をあげたのに
うんともすんともいわなかった
ひょっとしたら
間違えて王冠を埋めたのだろうか
上下さかさまに植えて ....
いつもひっそりと
わたしの庭を守っていてくれた
垣根の木
なんていう名前だっただろう
とつぜん気になって
落ち着かなくて
たしか図鑑があったはず
なのに
本棚にも押入れにも
どこ ....
大きなマルが描きたかった
テーブルには収まらず
床のうえにはうまく描けず
壁は論外で
仕方なく庭に出た
引き潮で乾いた土のうえに
棒で線を引いていくと
小石にぶつかるたび歪むので
 ....
おにぎりの要領で
ぎゅっと空気を押し固めると
野球のボールくらいの球体ができあがる
無色透明だけれど
触れるとちゃんとそこにあるのが判る
砂糖や小麦粉をまぶすと
指の跡までくっきりとうかび ....
垣根の灌木の枝は
年じゅう好き勝手にのびるので
つい気を抜くと
目も当てられない状態になる
裁断ばさみで
枝を切り落としながら
つい考え事をして
ざっくり切ってしまうと
枝のあいま ....
朝ごはんの支度のあいだも
ゆっくりお茶を飲んでいるときも
外がなんだか騒がしくて
庭に出てみると
黄色い風船がひとつ
軒先にひっかかって揺れていた
物置小屋からはしごを出して
なんと ....
潮が満ちるたび
海水が流れ込んできて
陽の光が無数の欠片になって
裏庭一面に散りばめられる
砂場もスコップも
パンジーの花壇も
つかのま呑み込まれて
潮が引くと
また姿をあらわす
 ....
                        15 嘘 (終)

結局
あたしとまゆこさんがいた場所は
なんだったのだろう
夢ではなかった
ことだけは
確かだ

ただいま
鍵 ....
                        14 絵

なぜ
観覧車が少女のために
あれほど傷つき
苦しむのか
わからなかった
今でも
本当に理解できている自信
はない
そ ....
                        13 鍵

建物じゅうがひっそりしていて
でも
拒絶感はなかった
足音が廊下を転がっていく
ころころ
まねたあたしの声が
あとを追う ....
                        12 靴

身体が自然に
階段の上から二段目に座った
靴箱にずっと押し込んだままだった
ジョギングシューズ
しっかりと紐を結びなおす
 ....
                        11 血

いってきます
の合図に
ドロップの缶を三回振る
テーブルに置くと
それは部屋の一部分にもどる
吐いた息も
まばたきも
 ....
                        10 底

台所じゅうの素材を総動員して
片っ端から料理に変えていく
野菜たっぷりの炒め物
肉たっぷりのシチュー
ハムやシーチキンてんこ ....
                        9 街

なんにもない世界
を思い描けないのは
きっと
執着がない
せいなのだろう

高いビルの上から見渡した街は
とても静かで
 ....
アンテ(350)
タイトル カテゴリ Point 日付
男友達[group]自由詩215/5/26 1:22
サイダー[group]自由詩4+15/5/22 1:00
青色[group]自由詩115/5/16 22:46
永遠自由詩315/5/9 23:40
自由詩215/4/27 23:46
あかり自由詩215/4/23 23:58
ラムネ自由詩215/4/19 21:39
かぜ自由詩115/4/16 23:46
まっくろ自由詩115/4/11 21:29
ぎゅうにゅう自由詩215/4/10 0:15
すとーぶ自由詩615/4/6 23:42
ぐちゃぐちゃ自由詩615/4/5 20:56
小道[group]自由詩6*08/6/27 0:45
ふりだし[group]自由詩3*08/5/20 1:23
[group]自由詩608/5/14 0:33
[group]自由詩508/4/30 1:27
[group]自由詩508/4/25 2:51
名前[group]自由詩10*08/4/13 23:34
マル[group]自由詩7*08/3/9 23:03
返事[group]自由詩208/2/21 2:19
[group]自由詩708/2/15 2:16
風船[group]自由詩608/2/1 1:47
[group]自由詩108/1/17 0:44
[group]未詩・独白3*07/12/30 0:05
[group]未詩・独白507/12/27 0:43
[group]未詩・独白207/12/23 8:59
[group]未詩・独白307/12/19 2:37
[group]未詩・独白407/12/14 1:53
[group]未詩・独白207/12/8 9:52
[group]未詩・独白207/12/6 0:05

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