わたし
たいよう
ひとりぼっち
よびかけても
へんじはない
なにもみえない
みんなどこへ
いったんだろう
わたし

わたし
つき
ひとりぼっち
さむい
こごえそうだ
 ....
  もしもし
  聞こえますか

「物質」が観測することができる
宇宙に存在する質量は
全体のほんの数パーセントにすぎない
残りは
「物質」では観測できない物体や
測定できないエネ ....
                       きゃらめる 1

  とけい

  1

あさおきて
さいしょに
とけいのふりこをとめる
かおをあらって
きがえをして
おちゃを ....
にんぎょうをひろいました
どろをきれいにあらって
あたらしいふくをきせて
るぅ となづけました
おなかがすいたというので
くだものをかってきて
かわをむいて
るぅ となづけました
 ....
ビンいっぱいに詰まったビー玉
フタに開けた小さな穴を
片目で覗き込むと
不思議な光の模様が見えた
きれいでしょ
となりん家のけーたくんが
得意げに笑った
世の中には
キラキラ光る透 ....
シャワーは
なかなか熱くならない
歯がカチカチ鳴る
なんでこんなことになったんだろう
鏡のなか
寒さに背を丸めた女が
涙でにじむ
冷たい水が排水口に吸い込まれていく
湯舟につかるわ ....
つたえたい
ひとが
みつからないので
てを
ぶんかいしてみた
なかから
ないふがころがりでてきた
ころりん

つたえたい
ことが
みつからないので
かみを
ぶんかいしてみた
 ....
途方もなく大きな岩です
上空に浮かんだ岩が頭上をすっぽりと覆っていて
地面からのびた一本の柱が支えています
大勢の人がその下で暮らしています
街の周囲には巨大な壁があって
だれも外に出られま ....
一対五で混ぜるのよ
カナコさんは慣れた手つきで
ビンのどろりとした白い液体を
コップに注いた
それから
冷えたペットボトルを冷蔵庫から出して
ぐわぐわっと振ってから
神妙な手つきで
 ....
濃い緑色の瓶は
ひんやりと冷たい

ラムネっていうのよ
ヒロコちゃんが
わたしの耳元でささやいた
花壇の柵に二人もたれて
瓶を高く掲げると
緑の濃さが変化した
きれいな瓶
 ....
街のはずれに住む少年は
毎日小さな畑を耕して
わずかな食べ物を得てひっそりと暮らしていた
その日も畑を耕していると
一人の旅人が街にやってくた
旅人は大きな重いカバンを背に負っていて
 ....
なぜ
目がさめるんだろうって
思ってた
まだ小さなころのこと
ずうっと眠っていられたら
幸せなのに

お金がかかるからよ
カナコさんがわらった
ブランコが行ったり来たりするのは
 ....
街のはずれで老いた女が営む店は
闇色の菓子がたいそうな評判だったが
だれ一人材料や製法を知らなかった
ある時店が閉まったあとも
客の一人が見張っていると
老いた女は夜更けを待ってふらりと ....
郵便配達人は
来る日も来る日も手紙を配りつづけた
高い塔は目をこらしても先端が見えず
螺旋状の階段にそって扉が等間隔にならんでいた
郵便配達人は封筒の番地を探したが
扉の数字の順がでたら ....
嬉しいことがあるたび
大切な日記を出して
ペンで書き記す
何度もくり返し
消しゴムでこすって
消えないことを確かめる

怒りがおさまらない時は
許さない許さない許さない
鉛筆で書 ....
絵描きの描く肖像画は
どれも本物と見間違うほどの
素晴らしい出来映えだったが
どの絵からも
顔の構成品がひとつだけ欠けていた
片目の瞳だったり
上唇だったり
耳たぶだったり
必ずどこか ....
とにかく暑くて
冷蔵庫のなかは空っぽで
喉がカラカラで
唾も出てこなかった
汗だくのまま
床に寝転がっていると
空っぽのペットボトルが
部屋のすみに転がっているのを見つけた
拾い上 ....
外に出たら
死んでしまうんだって
だれかが言う
ほんとうだろうか
立派に育てるのは
栄養とか水をたっぷりもらえるからだって
だれかが言う
ぼくたち自身の
力じゃないんだって

白い ....
                       5時 @ハト通信

小さな石を握りしめて
空を見上げている人が中心にいます
そのまわりを
忙しそうにぐるぐる回っている人がいます
指の数をくり ....
涙をぬぐって
窓と枠のわずかなすき間を
テープで何重にもふさぐ
危なかった
もう少しで食い破られるところだった
鳥はどんな小さなすき間も見つけだして
部屋のなかに入ってくるから
声を ....
川の向こう岸にあなたがいて
手のひらにちょうど収まる薄っぺらい石を
丁寧に丁寧に磨いています
わたしは何度も手を振りながら
早くこちらへ投げてよこしてと
大声で叫びます
そのたびあなた ....
一日じゅう
好きなことだけをして過ごした
だれとも会話をしなかった
台所に寝そべって本を読んだ
お風呂の窓を全開にして四回入った
泣いた
難攻不落の坂道を自転車で登りきった
技術の限 ....
どうしても
ヒロコちゃんのくちびるが
ほしかったの

ピンクいろのふくを
たくさんてにいれたわ
ピンクいろのいえをたてたわ
おとうさんもおかあさんも
こいぬのリリも
ピンクいろに ....
次はあなたの番です
鳥が丸い目をくるくるさせながら言った
そんな なにかのまちがいだわ
だってわたしまだこんなに若くて元気なのよ
反論しても無駄だった
鳥は粛々と書類を広げて
わたしの ....
喉もと
鏡で位置を確かめる
思い描いた真っ直ぐなラインに
鋸の歯をあてがい
両手で柄を握りしめて
鏡に写ったわたしが
ゆっくりと押す
引く
ずうう
細胞が裂ける
肉が千切れる
 ....
水面が乱れて
小さな塊がゆっくりと沈んで底に横たわった
魚たちは恐る恐る集まってきて
塊を遠目に眺めた
それは線が複雑に組み合わさって
「翼」のような形をしていた
きっと毒にちがいない ....
水のなかで
なぜ人は生きられないのだろう
そう言ったら笑われた
魚に生まれればよかったのにね

お茶入れたよ
あなたが呼ぶ声

雨音を聞きながら
時々コップを口に運ぶ
底に溜ま ....
                      19時 @ハト通信

午前中は
洗濯と掃除
お昼を食べたら買い物に行って
庭の雑草抜きをして
宅配業者が夕方に来る

急がなくちゃ
一 ....
男はもう何日も水を口にしておらず
這々の体で村へたどり着いた
中央の広場には煉瓦を組み合わせた立派な井戸があって
水がいっぱいに溢れていた
男が早速つるべで何度も水をくみ上げては
勢いよ ....
                      36時 @ハト通信

みどりいろの
じゅうたん
かぜがふくたび
いっせいになびく
たおれてしまわないのは
みえないところで
いっぽんずつ ....
アンテ(350)
タイトル カテゴリ Point 日付
ほし自由詩2*04/1/4 6:16
物質自由詩203/12/23 18:20
きゃらめる 1[group]自由詩4*03/12/20 17:56
るぅ[group]自由詩7*03/12/17 18:06
原石自由詩5*03/12/13 9:52
首の後ろ側自由詩203/12/10 1:42
てがみ自由詩403/12/4 1:18
ミッシングマス自由詩403/11/30 10:07
ちょうどいい割合[group]自由詩6*03/11/27 1:49
ラムネ自由詩603/11/24 2:40
自由詩203/11/20 1:57
開いた手自由詩403/11/17 0:52
闇夜自由詩403/11/14 21:29
宛て先自由詩7*03/11/8 1:48
気持ち自由詩7*03/11/5 0:25
欠落自由詩14*03/11/2 1:43
願い自由詩203/10/29 1:31
自由詩6*03/10/22 23:50
未詩・独白2*03/10/19 22:00
黒い鳥自由詩303/10/14 1:16
[group]自由詩7*03/10/5 17:29
日曜日[group]自由詩203/9/30 1:33
くちびる自由詩203/9/26 1:44
[group]自由詩3*03/9/19 1:15
コップ自由詩403/9/11 1:11
未来[group]自由詩103/9/3 2:21
雨の日自由詩103/8/23 8:04
白い腕未詩・独白103/8/18 23:19
井戸自由詩7*03/8/13 1:52
おとをたてるのは未詩・独白2*03/8/10 1:26

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