しゃぼん玉が生まれた時
たくさんの仲間がまわりにあふれていた
陽の光はまぶしく
見るものすべてが新鮮だった
子供たちの手が伸びてきて
仲間のいくつかがぱちんと弾けた
悲しかったけれど
 ....
                       きゃらめる 10


  あめ

  1

ひとつぶの
しずくは
すなにとけて
あとかたもなく
きえてしまう
かぞえきれない
 ....
しばらくあっていない
ともだちにてがみをかいて
だしにいくとちゅう
みたこともない
かわいいはながさいていたので
てがみのうらがわに
えんぴつでうつしとった
じょうずにかけたので
 ....
いつの頃からだろう
頭のなかにたくさんの人たちが住みついて
入れかわり立ちかわり
わたしの人生に口を出すようになった
彼らはわたしの考えなどお見通しで
先回りして道を整備したり
背中を ....
                       きゃらめる 9


  うた

  1

きれいなこえを
ひろったので
はねをつけて
そらにはなちました
らら
きれいなこえで ....
きのえだいっぱいに
きれいなはながさいていたので
よじのぼって
ごめんねゆるしてね
ちゃんとあやまって
ちいさなえだをひとつだけおって
はなびらがちらないように
ちゅういしてもってか ....
通勤電車でまいにち通りすぎる
田んぼの景色
あぜ道のとちゅうにちょこんとすわって
毎日欠かさずに
電車を見おくる親子の犬がいて
気になって気になって
もよりの駅で降りてみた
当てずっぽう ....
                       きゃらめる 8


  はな

  1

あたたかくなるまで
まちましょう
きっとあいずがあるから
それまで
まちましょう

 ....
風船を慎重にふくらませて
口を縛って
ペンで顔を描いてできあがり
棒にしばり付けて
持ち歩く
やあやあこんにちは
出逢った人たちが
ぼくの風船に頭を下げる
ぼくも
彼らが持ってい ....
とてもいい天気だったので
カーテンを洗濯した
お風呂場で格闘して
庭の物干し竿に広げて
やっと一段落ついた
お茶を入れると
どっと疲れが押し寄せた

窓はこんなに大きかったっけ
昼間 ....
                       きゃらめる 7


  ことば

  1

とてもさむいあさはやく
よぶこえでめがさめた
もうふにくるまったまま
ずるずる
ゆかをは ....
103号棟アパートの階段を
屋上までのぼる
隠していた鍵でドアを開けると
海からの強い風が
征圧的に音をたてている
絶好の傘日和だ
家並みを見渡すと
陽射しが白く包み込んでいる

 ....
くるしくて
くるしくて
もりのおくのいずみに
とうとうかなわなかった
ゆめをすてた
すると
はもんのまんなかから
きみょうなろうじんがあらわれて
あなたがおとしたのは
このわたし ....
                       きゃらめる 6


  ねじ

  1

まいばん
ねむるまえに
もうひとつだけ
からだのねじを
はずしてみる
おそるおそる
 ....
                      communication breakdown (7〜9)

  好物

デパートで
きみが買い物をしている間
休憩所で待っているうち
地 ....
あたたかい午後
ゴザを抱えて
カナコさんと二人
河原の土手に出かけた
スケッチブックを広げて
あたりの花をスケッチしながら
カナコさんを見ると
うつぶせて両足を交互に折りまげながら
 ....
                       きゃらめる 5

  よる

  1

なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
 ....
まっ白い顔の人たちが
次々に現れては
好き勝手な方向に歩き去ってしまいます
しゃべり声と足音が混ざり合って
波のように強弱をくり返しながら
ホールを満たしています
柱にもたれて
目ま ....
おいしそうなくもが
そらにうかんでいた
こうえんの
すべりだいのてっぺんにのぼって
つまさきだちして
すぷーんをふりまわすと
ほんのすこしだけ
すくいとることができた
おさらにのせ ....
                      communication breakdown (4〜6)

  川原

川原にきれいな花が咲いていたので
スコップで根ごと掘り起こして
ス ....
                       きゃらめる 4

  うみ

  1

ふるどうぐやで
ぐうぜんみかけた
すなはま
ちょうどもてあましていた
とっておきのゆうぐれ ....
                      communication breakdown (1〜3)

  キュウリ

ある日目が覚めると
きみと知らない女の子が
向かい合って朝ごはんを ....
かちっ

気持ちを伝えられる
スイッチがあればいいのに
ふと気がつくと
そう思っている自分がいて
いたたまれなくなる

やっと7000グラムの大台にのった
ミルクを200ml飲め ....
ひと抱えはある
まん丸いかたまりを
ゆっくりと押して転がしながら進みつづけた
すれ違う人たちは
かたまりをしげしげと眺めたり
大きさを測ったりした
中には耳をあてて音を聞く人もいた
 ....
                       きゃらめる 3

  ねこ

  1

あくびには
すくなからず
じしんがある
しょくにんげい
のしんずいは
そうおもわせないと ....
小さな肩を上下させながら
またひとつふくらませて
きゅっと口を結んで
あなたは風船を
すれ違うだれかに手渡す
物珍しそうに手を差し出す人がいる
迷惑そうに拒絶する人がいる
丁寧に例を ....
                     74時 @ハト通信


都合のいい言葉は
いくらでも見つかった
だれもいない島

ガラスでできた家
とても頑丈な入れ物を作り上げて
中 ....
                       きゃらめる 2

  たまご

  1

もしもし
だれかがよんでいる
こんこん
かべがふるえている
へんだ
わたしまだ
みみ ....
言葉の王国には
言葉の王様が住んでいて
ある時は
言葉の災いや悲しみに弄ばれ
時には言葉の民や王妃が
言葉の命を落とし
またある時は
言葉の試練が押しよせ
みんなで言葉の手を取りあ ....
とぷん

小石が水面をたたく音は
日ごとに高く
遠ざかっていく
あんなに彼方で
気泡がきらきら揺れている
自分が沈んでいるのだろうか
こんなに暗い
水かさが増しているのだろうか
 ....
アンテ(350)
タイトル カテゴリ Point 日付
限界自由詩14*04/5/5 2:17
きゃらめる 10[group]自由詩604/5/1 18:25
なまえ[group]自由詩7*04/4/28 2:27
回廊自由詩5*04/4/24 23:12
きゃらめる 9[group]自由詩7*04/4/21 1:45
こえだ自由詩704/4/17 1:43
子犬自由詩11*04/4/14 0:50
きゃらめる 8[group]自由詩1004/4/10 16:47
自由詩3*04/4/9 1:54
自由詩7*04/4/4 1:07
きゃらめる 7[group]自由詩12*04/4/1 0:54
傘日和自由詩204/3/25 0:53
いずみ[group]自由詩7*04/3/20 2:35
きゃらめる 6[group]自由詩8*04/3/14 23:22
communication breakdown (7〜9)[group]自由詩204/3/12 1:44
土手自由詩4*04/3/10 1:07
きゃらめる 5[group]自由詩45*04/3/3 1:33
陶器自由詩5*04/2/29 0:23
くも自由詩8*04/2/24 1:07
communication breakdown (4〜6)自由詩6*04/2/21 1:09
きゃらめる 4[group]自由詩5*04/2/17 0:38
communication breakdown (1〜3)自由詩12*04/2/12 12:51
スイッチ未詩・独白204/2/7 2:41
軌跡自由詩104/2/3 23:03
きゃらめる 3[group]自由詩104/1/31 11:48
あなたがいる証拠自由詩304/1/28 3:15
判らないなら未詩・独白2*04/1/24 2:09
きゃらめる 2[group]自由詩504/1/21 2:13
王国自由詩404/1/16 1:04
小石自由詩7*04/1/9 1:21

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