雪のように
北の国から降り
都会の空を卑小だと罵ったり
(氷花は枯れ
また、狭苦しい檻の内側では
しおらしく澄んでいた

     *

閉じられた鳥かごの街にて
虚脱に溺れて座り ....
言葉になっていない
まるで言葉になっていない寝息で
頭髪から爪先にかけての
冷えきった痙攣を受忍し続けて
どのくらいの時が経ったろうか
「明かり…が、消して……あれは…」
やがて訪れるはず ....
街燈の点滅に散った幻想
あれは流れ星で
僕の夢を吸い取って消えた

草花が揺れている線路に
裸足で倒れこんだ少女が
揺れる熱と交じり合って
溶けてしまったような夢

サンダル
水辺 ....
いつまでも下降ループを繰り返す思考の波に飲まれながら、
マゼンタの花弁から滴り落ちた一滴に想いを膨らませていた
物事を割り切ることはなんて純粋で不誠実なんだろう

地下鉄で、機械の風に当てられ ....
雨が降っている。

たった一人で行った美術館の帰り道とか
「黒い雨が、ストロボをたいて、あ、あ、消えていく」とか、そんな
(暗い記憶や雑音などは)補正しなければ
(だから、暗い記憶など)補正 ....
ベランダに咲く薔薇
彼らはその身体を柵に絡ませて伸びていく
生きていくために
野生の薔薇は
他の植物に巻き付いて生きていく
生きていくために
棘を突きだして
近付く者を傷つけて生きていく ....
 物事を単純化して答えを割り出してしまおうとしている人間が、自分も含めた若い世代に増えているように思える。

 例えば、「ムカつく」という言葉だけで意思疎通が出来てしまうのことは面白いのと同時に深 ....
カツンカツン

困惑した音が鳴り響き
チラチラ
と、僕は
眩暈を耐えている
今日は
アルヒルノ
無人の路上に倒れる
視線気流に巻き込まれ
涙が降り注ぐ
ゆっくりと
雨の線が見 ....
だから君は裂けた無花果の散乱した道を
歩いていった

もう少しで笑ってくれるのだろうか
それとも僕に気づかずに去っていくのだろうか
(いつも見ないふりをして)
だから僕は君を見ないふりをし ....
朝の光、朝の 黒い夢の中で
揺れる窓際―――(揺れている)
全身が、濡れている
水が 僕の 周りに 落ちる

空中で横になり
妖精達が、太陽に向かって飛び立つ、夢を見る
薔薇とチューリッ ....
盲目の地平に金属の悲鳴を響かせ
悲しみの影に歩みを合わせ
荒い呼吸を繰り返す
やがて風の音が消え
その夜空に星が瞬くことはない



彼は夜の影
螺旋階段を登っていく
頂上の鉄柵 ....
夜の底に潜む
白く荒い呼吸の流れ
予想外の眩暈と共に
私は落ちていきます

停滞したまま動けない意識と
静けさの砂嵐の中で
乱れている小片の明り
それは現実でなく事実です
私は落ちて ....
俺は空気だ 人間になりたいと思っている
俺は此処に居るのに此処に居ない
彼らは楽しそうに笑いあう

俺は空気だ 人間になりたいと思っている
彼らは楽しそうに笑いあう
彼らは当然の様に繋がり ....
揺れる雑草が笑って朽ちる
滲む太陽が泣いて沈む
死に絶えた魂が此処に
血を吐きながら腐りゆく
俺は生きながらえて
ただ腐敗を待つ

退路を断たれた魂よ
地に堕ちた精神よ
失われた感情 ....
毒が溢れ出していた、
   動脈を流れるように
鼓動を鳴らしながら、
   溢れていた
それはとても黒い色をしている筈だ
そうでなければモノクロの世界だ
(僕には関係ない)


そう ....
暗い所に立っていた。丘の上の。静かな。
人達は、教えてくれなかった。
僕が危険なところにいることを。
僕が助けようとした少女は
自ら崖の下に落ちていった。笑っていた。
僕は座り込んで、震えて ....
何も考えず、廃人の様にベンチに横たわっていると、自分の姿が見えてきた。

あぁ、俺は今、水の中の砂漠で溺れているんだな。




真横に硝子の板があった。俺は硝子の中の魚だった。太陽がま ....
毎朝 4時に訪れる新聞配達人の乾いた靴の音が
新聞受けの 錆びた鉄の反射する音が
眩暈となって彼の思考に重なる

今日も黙って去っていき
錆び付いた自転車に乗って
まだ寝ている街を抜けてい ....
「Ask」
デジタルカメラ
断続的な
拓也、黒いスーツ/ブーケ
祥子(弾く音、3回

祥子、微笑み
断続的な
一範、ブーケ
花びらを ちぎって 捨てる Rever
一範、花びらを  ....
眩暈に似た痛みが広がる
右手の人差し指を中心に

(歪に屈折しながら
(彷徨を(彷徨し
(彷徨っている
 左右円滑に回転する
 首の骨/球体A
(貴方が可能な限り速(早く
(振ってく ....
発光する幾つもの花びらが
十六夜の月の輪郭を辿り、滑り、落ち (落ちた)
―――夜/舞う
幹を中心に弧を描き
、片足の僕は倒れ
、意識を辿り
、滑り、落ち (片足を残したまま、落ち)
幾 ....
「冬の終わり」

空から一滴の涙が流れる時
貴方は一本の露草を摘み取って優しく微笑んだ
水溜りに映った自分の姿に?
違う 貴方が愛でているのは
命を落とした亡骸だ
蒼白い花弁から一滴の血 ....
ブーツの中の夜がゆっくりと足音をたて、落ちた
爪先の薬指があるべき方向を差し示し、
質量を伴って引き寄せられる 闇の中へ

あるべき姿を見失った自身の影は、
どのようなラインを描くべきなのか ....
 水が流れ、小さな波形を象りながら、水が流れ、流動し、常に変化し、透明は透明を反射し、波は闇の中に動き廻り
 川は流れ、光を包み込みながら川は流れ、あるべき方向へと流れ、何も変わることはなく、静かに ....
「詩」というものに、
「誰かのありのままの感情や思考」を覗き見する楽しみ方があるとするならば、
その際の「詩」は、誰かに伝えようとして作りこまれたものであるべきではない。
そして、その際の「詩」 ....
眩しい路上の中心に
倒れこんだ青い服の少女は
かつて僕の姉であった

(記憶)黒い鉄格子の向こう側に
姉の通っていた巣鴨小学校があり
僕は毎日、黒いアスファルトから
柵越しに姉の姿を探し ....
あなたが死んでしまう夢を
頻繁に見る朝がありました。
そんな時は
泣いて目覚めるのでした。
僕はあなたを尊敬していました。
夢の中で朝靄に死んでいきます。
あなたは薄らと消えていきます。
 ....
a、朝がくれば良いと思う
思い出の中の笑顔が
あまりに可愛らしいので
死にたくなる午後
向こう側に行きたいのに行けない
(行ってはいけない)
そんなことは、言ってはいけない

a、 ....
       僕達が暫くの間歩いてきた細い道の意識はとうとう砕けて、
       女は僕の横で微光点在する白昼の花々を避けて廻り始める、
       言葉を 一つ 一つ呪うように吐き出しながら ....
透明な流れやその匂いが
蒼い夕暮れに僕を連れて行ってくれる いつも
繊細な指先やその動きが
貴方の人生を物語っているように思える
目の前で貴方がグラスの水を飲む時に
水が煌めいて波を打ってい ....
結城 森士(181)
タイトル カテゴリ Point 日付
雪別れ自由詩1*07/9/26 0:02
月曜日の住人たち自由詩1*07/9/17 11:59
緑色をした喪失未詩・独白3*07/8/28 21:50
MAGENTA自由詩2*07/8/18 1:35
シャッターとタランチュラ未詩・独白3*07/8/12 0:14
咲かない花のために自由詩2*07/8/6 10:58
空気を読む猿、単純化したがる原始人散文(批評 ...1*07/7/31 11:17
雨の日のルノ自由詩3*07/7/30 19:17
無感情の花たち未詩・独白2*07/7/12 12:55
零れ落ちた太陽の下で自由詩6*07/7/9 0:41
地平線自由詩3*07/6/28 0:57
夜の自画像自由詩2*07/6/28 0:41
人間自由詩0*07/6/13 1:29
自由詩1*07/6/9 16:59
点々自由詩4*07/5/29 23:37
欲望未詩・独白0*07/5/29 23:24
苦い毒。自由詩0*07/5/28 23:34
蒼ざめた太陽自由詩2*07/5/18 8:35
ミュージッククリップ未詩・独白3*07/5/5 19:39
fASt AS yOU cAn.自由詩3*07/4/30 21:13
花弁の円螺自由詩2*07/4/18 21:56
冬の終わり/頃日未詩・独白7*07/4/15 10:04
ブーツの中の夜自由詩8*07/4/9 7:08
朝闇の川自由詩7*07/3/27 6:45
革命的なヴィジョン散文(批評 ...1*07/3/23 1:48
Arabesque自由詩5*07/3/22 22:51
夜想自由詩4*07/3/21 9:02
朝が来るとき自由詩3*07/3/17 10:20
眩めく昨日自由詩3*07/3/15 14:02
セレモニー散文(批評 ...3*07/3/15 13:14

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