ヨルノテガムが階段を上がっている
(ここでリンゴジュースを飲む)
 もうひとりのヨルノテガムは鉛筆をすべらせ
 魂のようなものを受け取って離さないでいる
(ここでヨル ....
  蟻が十匹でアリがトウ

  そうお伝えください

  冬は好きですか

  そうお伝えください

  口元にご飯粒ついてますよ

  そうお伝えくだ ....
 女の髪は城であり
 女の髪に矢を放つと
 失ってしまう

 女の顔は
 ひらがなのように
 澄むとよい

 甘い匂いのする女の家は
 男の頭の中にあり
 甘い ....
 綾瀬クン、きょうは
 あの山へ行ってみようか

 気晴らしと気まぐれに
 若草山をふと指差した

 ―ハイ、。

 なんだキミ、行ったことあるの はじめてじゃないんだ ....
  冬、「顔を洗う」のが億劫で
 枕元の紙にそれを書いて済ませた


 *


  冬、「顔を洗う」のが億劫で
 枕元の紙にそれを書いて済ませた


 *


 ....
助手の綾瀬クンの横を通り過ぎると
イチゴの匂いがする、するよ と言ってやると
今朝沢山食べてきましたからと素気なく答える
へえと言う間に うっ嘘ですよ―っと元気に
イチ ....
 小学生の太陽は何故明るいのか
 赤ちゃんの記憶は
 何処?
 僕たちの創作物が悪霊や怨念を
 改心させることはあるのか
 ちっぽけな思いつきは何処からやってきたの?
 海の水 ....
 マクドナルドの隅で自慰をして
 汚い安食堂のうどんで身体を温める
 指の指紋が剥がれるくらい
 心が痩せて
 今日も化粧のノリが悪過ぎるわ

 明日が春で
 あさっては春
 ....
 彼女のお鼻がお空を見てる

 雲と雲しかないのに

 眠りのあとさき、夜の雫を瞳に囲って

 彼女のお鼻はお空を見てる

 何分の一でも想う胸の音を聞かせておくれ

 雲 ....
胸の痛みが
恋のだったら
幾分 朝が澄んでいるのに
コンコンがゴボッ、ゴボッ、と
噴火みたいに茶色いタンを吐き出すのですもの
熱が鼻水がお腹が順序よく反乱し鎮圧されていく
峠を過ぎ ....
大きなおっさんが
バナナ、貝、バナナ、貝
ゆーとりますけど
もっと繊細なおっさんが
ジャズジャズ、双子双子、セクシーセクシー
ゆうとりますけど
おっさんおっさんが
飯カネ 飯 ....
 たらふくおいしいものを食べない正月なんて
 知らないワ と着飾った女たちは
 着飾った分だけ華やいで背を伸ばしそびえる
 手管の行き届いた冒険の跡形を
 光のように行き過ぎて 光 ....
苦しみながら
大きな機械装置を操りながら
空輸、車輪の軋みを、摩擦、すべり転び、回り
駆け足、首締め おっちょこちょいちょい、しながら
白い息が雪の匂いを切望、もういちど
最初から景色を ....
わたしの飼い猫の名は
わたしの愛したひとはヨルノテガム
きょうはあなたの髪にふれたい季節です
ニャーオ、と肉球はあなたの頬をつかまえる
さっきから ずっと夜ね
幸せな顔を ....
私はロビーに降り立ち
大通りを下り港の見える倉庫街を
散策し始める
私は昼と入れ替わる

昼はロビーを過ぎ
大通りを斜めに港の見える倉庫街のたたずまいを横目に
運河にテラテラ ....
ヨルノテガムたちが寝静まった夜
ヨルノテガムたちの月は空を埋めつくした
明るいなぁ。そして、
苦しいなぁ。と彼らのひとりは洩らした
踊るヨルノテガムたちの首筋に風は舞い
 ....
わたしはじょうほうのうみのめがみである
おまえたちのアクセスを知り枝葉の言葉による意志、
意図を解析、複製された個人を呼び覚まし
膨大な量から取り出した人物像的返答を受け取っ ....
書き起こすべき信頼できる白い紙が要った ペン先も
尖らせる紙でなく 存在感の無い筆が進まねば
と 作者は目を閉じた
身軽に 身軽な 子供の歩みを
憶えている所から深く探り出して
 ....
幽霊が豆腐を食べる
冷や奴より冷えた幽霊の
行儀の良いイタダキマスの
青白さを競う口元の
豆腐の角ばった立方体への怖れと、味わいの
幽霊声は、静かに しょう油派?
ポン酢派? をうらめ ....
僕以外に十五人いる

色とりどりに燃え上がり
景色も人物も皆さびしくない
互いに何をしているのか
首を傾げるくらい顔がない
8つの場面に区切られて
ひとりであってもひとり ....
数ある千手観音の手の中で一本の薄暗いそれが
私に電話番号を渡してくる
いにしえの森から現代の迷路へ
情報を揺さぶり動かすのは今も昔も恋のひらめきであった
艶かしい顔と肢体、狂気のような ....
ゴミゴミした宇宙の中で、いや
わたしの部屋の中で、いやらしいパンティーをカラスがくわえて
去っていったっきり、6月なのに雪が降ったり、
猫が炬燵を探し疲れて居眠ったりする
ハート型の天 ....
ボクヨルノが杉崎美香と相撲取りが着るような
大きなTシャツに二人で入ってイチャイチャし
ているとべらんめえに酔っぱらった綾瀬クンが
先生 酒、飲みましょうや酒といって肩を組ん
 ....
そのレースで彼は亡くなった

何かいつもと変わった規則をひとり、
実行しているかのように
静かなポツネンとした顔見せの並びであった
前のレースまではきれいな三分戦が続いていた ....
あなたを忘れたかった
あなたはヨルノテガム
苦しい昨日の夕暮れの名は、
悪者のいない 味方の集まらない
必殺技をあみ出せないわたしのヒーロー。
初めて鼻血を出したのは ....
秋の日に桜の枝を締め殺す
王冠が水に溶けて
変なの! 変なの!
明日のない海の、揺れの
静かに氷が焼け 氷柱が身体の芯に
首傾げる山脈
あなたの願いは叶うように出来てい ....
彼はサンドイッチを食べる
彼はサンドイッチを食べない
彼はサンドイッチだ
彼はもちろんサンドイッチではない
彼はサンドイッチ屋さんになる
彼はサンドイッチ屋さんにならない
サンドイ ....
赤子持って来い
蹴るための
持って来い

赤子泣かして 博打に向かう
赤子泣かして 博打に走る
博打や博打や 博打持って来い
赤子泣かして 博打に謝る
勝たんなあかん 勝たんな ....
ひとり、と ひとりの風景は
同じところを見るのは少ない
キミもひとりだったのか
ボクもひとりだった
太陽のある絵を描こうか 夕日でも朝日でも。
ピーカンの空はまぶしくて見てらんな ....
先生と呼ぶ女の声が
先生と呼ばれる男の肩を振り向かせ

女の顔は無邪気なノッペラ坊であった
男は女の顔を描いてやろうと創作へ向かう
女は先生お手伝いしましょうかと歌い出し
男は ....
ヨルノテガム(292)
タイトル カテゴリ Point 日付
音楽の中のヨルノ自由詩209/3/15 1:19
そうお伝えください自由詩5*09/3/7 1:57
女の髪自由詩6*09/3/3 14:57
呆日。自由詩1*09/2/25 12:31
呆日、自由詩6*09/2/23 11:40
呆日自由詩5*09/2/13 1:23
宿題自由詩5*09/2/6 6:54
若い女自由詩14*09/1/30 0:33
自由詩209/1/26 3:57
風邪三段自由詩1*09/1/18 13:28
そんなんゆーとりますけど自由詩409/1/9 19:23
遊ぶ女たち自由詩109/1/9 18:56
ヨルノテガムに会いに行く自由詩1*09/1/6 21:28
わたしの飼い猫の名は自由詩308/12/21 3:56
部屋自由詩208/12/21 3:40
ヨルノテガムたちの絶望自由詩308/12/15 18:00
_自由詩3*08/12/12 20:12
彼は少年だった自由詩5*08/12/8 0:31
幽食自由詩5+*08/12/2 18:54
夢の自由詩3*08/11/27 18:14
針と糸自由詩2*08/11/22 9:40
無味自由詩3*08/11/11 5:49
どんチャン騒ぐ自由詩208/11/8 6:12
車輪自由詩208/11/3 6:36
おかえり自由詩3*08/10/29 1:23
山もみじ血自由詩308/10/21 18:46
詩食自由詩208/10/13 18:49
キ狂い憑き自由詩2*08/10/13 18:34
わたしたちの出会いは幾つかの振り出し自由詩408/10/13 18:17
作家願望日和自由詩308/10/10 3:28

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