美しいターニャご自慢のおへそ
モンテヴェルディーの宗教音楽のようだ
禁欲的であり
パンクロックのようでもある

敢えて言うと
退廃的というよりは
健康的だ

忘れられない
20 ....
雨粒に濡れる蜘蛛の巣
行き交う車のワイパーは
静かに動いている
食べ残しのとうもろこしを卓に見
私は夏の訪れにについて
思いを巡らす

齢を重ねても
全く同じ夏は来ない
ただその ....
リットルダンス
リットルダンス
小雨が降るなら
シーシーダンス
今夜は怖いぜ
リットルダンス
睡魔の中で詩を書いている
まだ見ぬ1行を探して
視界は夢の中へと入っていき
詩を書いている

明るい緑色の柑橘系アルコールに酔い
体は蒸気する
暑さの中で目が覚める
ペンを握る

 ....
祈りとは
神に語りかけること
畏怖と親愛と
そう相容れない想いが
ひとところにあるもの

空が砕かれて鳩が羽ばたくように
割れんばかりの祝福をください
もし私にその価値があるなら
そ ....
ばこばこ たばこばこばこ
たばこ ばこばこ

たばこの奴は
鼻でせせら笑う

「私とニコレット、どちらが魅力的かしら?
多分あなたは私を選ぶと思うわ」

僕の左手にはニコレット
右 ....
あなたが僕の夢に現れなくなって
ひと時が経ちます
幾度あなたの御姿が
僕を切なくさせたでしょう

僕の思い描くあなたの像が
西から東へと傾き
照れたように笑っています

お母さん
 ....
コトバを
おく

とりさる

あおじろい竹ざさが
はこばれてくる

ワタシは
問う

池の水が
かすかにゆれて

やまいがいやされた
オトコのように
ワタシは
よろこ ....
とろりとことこ船影が
岬を曲がって帰ってきます
時計はもう零時を回っています

恋人よ
よい人であろうとすることが
いかに厳しいか
僕はとりとめもなく考えています

この密やかな夜に ....
知恵を運ぶ美少年が
いつしか薬漬けの老青年と化し
やっぱりそうかと言われそうなことに
人生の階段を転げ落ち
崖っぷちです

誰か助けてください

神様が私をひょいっと盆の上に乗せ
へ ....
ぐんにゃり ぽっぽ
雪の草原を 女は
赤い着物着て
歩いたのだ
ちらほら雪は降ったのだ
女は倒れて
吐いたのだ
赤い血を
青白い空が覆いかぶさる
女は血を指先でなぞりながら言った ....
ういうい ういうい
あひゃー ばれたか
はずかしい あひゃー あひゃー
どうしようかな
そうだ おどろう
ういういダンスを
ういうい ういうい
やった おどったぜ
ういういダンス
年の始めに聞く歌は
遠くの街の君の声
降り敷く雪に傘をさし
凍てつく道をこわごわと
息を弾ませ歩く君
もうじき会おうねと語り合う

年の始めに思うのは
聞くに聞けない母の声
冷たい空 ....
ひと昔前
電子の森ですれ違った人がいる
早くにお母さまを亡くされ
病弱な彼は
小さな町で古本屋を営んでいた

古いエレクトーンの音を聴いていると
彼の一句が思い起こされてきて
切なくな ....
私の中味なんて
ほんのちょっぴりだわ
昨日も少し減ったし
また出ていくんだわ

明日まとまった金が入るけど
あの男がまた持っていくのよ
しかも利子が小さいとか
ぶつぶつ言いながらね
 ....
三つの茶碗が二つになり
よそおう手も男の手になり
食膳に向かって
私は父と向き合って
鍋をつつく

鍋の中から菩薩様が出てきて
食卓にこぼれた汁を布巾で拭ってくれた

父と私は一瞬黙 ....
11月22日午前3時08分
お母さん あなたが逝った夜
空にはぽっかり月でした

今 あなたの死に顔に口づけします
冷たい頬よ
べにをさせ
あなたの面(おもて)に
私たちの涙が落ちそう ....
小春日の
短い夕まずめの頃
風を追いかけて橋を渡っていくと
軒下に
うり小僧
てへっ と笑ってはにかむあいつ
ずんぐりでっかい目玉を
ぎょろぎょろさせて
うりのような顔つき

月が ....
ただひたすらに
天空に両腕を広げ
幸せを抱きしめたいと
願っている

頭上には虹の昂木が茂っていて
地面を見おろしている
アンドロマイトシナプスにろ過された
透明な木漏れ日に
肌にま ....
木の葉が水面に舞い
遠い街の音楽隊が通りを行く時
私の想いはそこはかとなく乱れ
思わずイギリスの賛美歌を口ずさむ

耳を凝らし密かに求める主の言葉
祈りの後に祈りを重ね
右であろうか 左 ....
余がルクセンブルグのハイデルカイアットホテルに滞在の折り
夜の列車が汽笛を鳴らしてコーマ駅を出発するのが聞こえた
ホテルの二階 赤茶けた電話機に接続すると
余はコンピュータースクリーンにコード ....
あなたの笑顔の陰に
涙があるのを知ったのは
あなたの日記を読んだ時だ

「あの人を愛していて
 眠れなくて
 眠れなくて
 あの人が帰ってしまったら
 私は淋しくてたまらなくて」

 ....
テレビに釘付けになった
パジャマ姿の君
膝の上にはライオンの子どもを乗せて

今夜登場のビーバー君達は偉いな
助け合って巣をつくり
北米の森を豊かにしているのだから

でもライオンは野 ....
神経質な夜に
まじないではなく
欲しいものは
精神安定剤と
ただ話を聞いてくれる人と
主の祈りと
虹の記憶と
腹をかかえて笑うカエルと
あの人のやさしさと
壮大なうねりの如き黒潮と
 ....
めくるめく展開する青
それは淡い水彩画で描かれた
青いヌードだった

彼女のくれた画集の傍らで
煙草くゆらす僕
灰色が包み込んでいく涼し気な青の女体

けして君を汚したりはしない
 ....
ランブルのデミタスを
すするように飲むと
僕の舌先に
震えるような秋が来た

ドミ二クチノの蒼い絵が
氷のように冷たく見え
飲み干して
しばらく歓談していても
僕の胸のうちの秋は
 ....
新幹線のぞみ22号で
トンネルも
山も
街も
風景をシャッフルだ

ああ
僕は恋人に逢いに行く

携帯のメールも
僕のはやる心も
空に弾けて
砕けそう

銀緑の光線が
四 ....
巷のほろ酔いコスモスさん達
ネクタイさげたススキ君達
足元に気をつけて
後ろからせつくのは蒸気タクシーですよ
帽子を被った小人のおじさんが
街角のガス灯に火を灯すと
ぱさぱさぱさ
季節は ....
風吹き渡る窓辺で
天使の梯子を見た
低く垂れ込めた雲間から
地へと向かう光の筋を

私は決して清い人ではないけれど
神様は幾度でも許してくださる
清い光が近づくと
怯えてしまう僕は罪び ....
告白します。
ぼくは詩の書けない詩人なんです。

歌わず
炎の中の薔薇のように燃えもせず
気の抜けたペリエのような者に過ぎません

涙でいっぱいになった空から
雫が落ちてくるのを見なが ....
けんご(61)
タイトル カテゴリ Point 日付
ターニャのおへそ自由詩506/7/10 0:10
夏の訪れ自由詩806/7/8 21:10
リットルダンス自由詩306/7/6 0:18
即興詩「新しく眠るために」自由詩706/6/17 23:19
祈り自由詩506/6/14 23:38
最後の1本自由詩306/6/3 22:38
母へ自由詩606/5/23 21:34
問う自由詩106/4/23 22:54
完全に与える/もしくは奪う自由詩206/4/11 22:23
へのへのもへじに食べられる自由詩306/4/9 21:45
ぐんにゃり ぽっぽ自由詩506/3/16 17:05
ういういダンス自由詩406/1/14 17:15
年の始めに自由詩306/1/1 16:02
エアーカーに乗って自由詩405/12/27 17:57
預金通帳が泣いている自由詩405/12/1 20:47
二人の膳自由詩805/11/23 19:51
月夜と母はいつもよい自由詩405/11/11 19:48
うり小僧 笑う自由詩505/11/2 20:08
虹の昂木自由詩205/10/27 20:10
風の囁き自由詩405/10/24 20:42
天沢(あまざわ)オリオン自由詩405/10/21 21:10
自由詩105/10/20 21:01
ライオンの情操教育自由詩505/10/19 18:42
今夜欲しいもの自由詩705/10/13 18:06
彼女は青いヌードだった自由詩805/10/10 0:42
秋のデミタス自由詩6*05/10/8 19:13
シャッフル自由詩605/10/6 20:50
コスモスの頃自由詩205/10/5 19:17
風は運ぶ 自由を自由詩605/10/4 4:52
詩人自由詩1405/10/3 23:29

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