耐え切れず
電話に指をかけたのに
ブルリと震えて
あなたの言葉が届いたから

もう それでいいの
食べることと眠ること
あとは、
酒を飲んだり誰かに会ったり
服を買って着て脱いで
やぶれた鞄を捨て靴底を直し

それだけ
日々がそれだけ

月を見ることと雲を見ること
あとは、
 ....
僕の役目は 終わってしまったみたいだから
なんて そんなこと言うんですか

私は 君の役にたちましたか

もう 解雇ですか
身を削るようにして 人を思いやるところがいいところだと
君は私に言ってくれる

でも 削られた身に自然治癒力はないみたい

不細工に 削ぎ落とされた私の身体を
埋めてくれるものが 私の傍に ....
気の毒な君に手を出したのは あたし

「君は 食ってるんじゃない 食われているんだ」

そんな風に言わないで

あたし 吹き飛ばされてしまう
信じられない と
叫ぶ女にはなりたくないな と
携帯電話を耳にあてながら 上の空

500kmあちらで暮らす 君の言葉は
演技派俳優みたいに キメキメで
どんなに情熱的な言葉も
セリフみ ....
僕もポイと 捨てられるのかな
君が次々と 失くしてゆく手袋や
指輪みたいに

捨てるんじゃないよ
逃げてゆくの
大切にしていた 手袋も 指輪も
男達も

にらむように前を見つめて
 ....
たらふくに酒を飲み
電信柱にしがみつく

「こらこら、電信柱に上っては駄目だよ」
ちがうの
電信柱の陰から 君を見てみたかったの
少女漫画のそれの様に

ゆらゆら乙女にふけっていると
 ....
雪に降られて風邪をひく
まぶたが熱くてクラクラした

一人ぼっちで見上げた天井は 遠く
ひんやりと畳は つれなく
空気までカサカサと ささくれだっている

さみしいな

寝たり起きた ....
おっぱいがおおきくなったよ
おなかもおしりもふとももも
にの腕とほっぺたと顎まわりも

ふわりとやわらかくふくらんだ
どうやら あたしふとったみたい

のこさずきれいに食べたから
お菓 ....
私は もう大人の女なのに
ちっともらしく なれないよ

歳をとるほどに かえってゆく

たくさんの人間から 遠ざかってゆく

昔できた一人遊びが 今はできない

小さな物を集めるのは ....
服の首もとから 手を入れられると
求められている気がした

頭の上に 重く 手をのせられると
愛されている気持ちになった

全ての行為が済んだ後
もう私は必要ないんだと思った

眠る ....
君からの清らかな愛情を
私 ハレンチな気持ちでしか返せない
「もっと好きになりたい」好きになってもいいですかと
子供のような体温で背中にしがみつかれ 私は

だめです だめです と
気配で背中越しに伝えようと
きつく目をつむり 微動だにせず寝たふりを ....
おいでよ
部屋 好きに使ってくれていいから
いつ帰れるか 解らないけど

行きたいなんて 言ってないのに

着信履歴に 痕を残してしまったばかりに
遠距離恋愛 似合わないね
まだ続いていたんだ
以外だね

私だってそう思う


こんなに近くに
君はいるのに

君が私に一生懸命なのを知っていて
私は彼の話ばかりを君に聞かせる ....
「選ぶのはあなたですから」
いいご身分ですねと 言われた

どちらも 手放せず
ぐずぐずしている私に対する
これも君のやさしさなのだと
気づいてしまうので

私は手放しかけた君の手を
 ....
眼鏡をかけると、とたんに景色は濡れた様に映る。
雨など、降ってはいないのに。

自分の気持ちなど、もう綴ることはないのだと思っていた。
ただなんとなく、幸せだったから。

今私は、幸せじゃ ....
君の不慣れな指が

ここは
触れてもいい場所だろうかと

ぎこちなく髪を撫でるたび

私の躰をなぞるたび

電流のように
私に幸せを運び込んでくれる
夏に間違いを起こす私は
古き言い伝えのごとく
冷たい季節を信じる

鼻先が冷たくて眠れない
あの夜が
間違いであるはずはなく

痺れ なかされた時間は
何度でも甦る

絡まってし ....
一日に何度も褒めてもらう
視線が絡むたび眩しそうに目を細めてもらう
思わずといった感じで体に触れてもらう
餌を待つひな鳥の切実さで唇を求めてもらう

君のおかげで
私の肌つやはどんどん良く ....
多くのものを手放すと
一羽の小鳥が舞い込んできた
うれしそうに震わす羽根を
痛めぬように傷つけぬように
大切に手元にとどめたい

弱きものに強さを求めたり
若きものに年輪を求めたり
小 ....
嘘も真実も人を殺すなら
殺意を抱くことは身を守る術

目を瞑ってしまえば背徳にはならない
忘れてしまえば待つことにはならない

ある日突然
信じていた形は崩れ去る
「寄生虫」だと言われてしまった

ひっそりと唇からしのび込み
大事なものを少しずつ吸いとってゆく
あなたの内臓に絡みつき肉を食む

そのうち
あなたの骨も脂肪もすかすかになる
心は風船 ....
割れた爪は
治ってしまった

雨を待つことも
やめてしまった

この想いは
忘れてしまおう

思い出すことを
やめてしまおう

美しい夢だと
思うことに決めた
また自分で決められなかった
自分で決めたふりをして
抹消した
抹消したつもりが
消えていなかった

失敗ばかりが目立つ現実を
なんでもない事なんだと
笑って誤魔化す

いったい
 ....
嵐の夜を
一人で過ごすのは心細いので
傘を持って出かけた

何度持ち直しても
背中に張り付いてしまう
風が強すぎるみたい

服も髪も
私にぴったり張り付いてくる
雨も強すぎるみたい ....
夢うつつつつ

うつつを抜かして生きてきたから
何もかもおぼろげ

記憶は淡い膜のむこう

そういえばあの日
私すごく泣いたっけ


夢うつつつつ

夢を泳いで流れてきたから ....
眠る君を描いていた

ひいやりと冷たくなった指先を
ガスストーブで暖めて
背骨をなぞる

腰から辿り
肩から首へ
すべらかな皮膚は
美しき筋肉を
骨を
透かす

薫製肉のよう ....
最後の夜を過ごしました
一人で

蛇口も
机も
ピカピカです

床も磨きました

思い出を一つずつ
丁寧にふき取っていきました

涙が染みこんだソファや
怒りと罵声が舞い上が ....
スプートニク(66)
タイトル カテゴリ Point 日付
女ごころ自由詩107/10/8 20:46
そんなもんなのでしょう自由詩107/9/2 18:35
解雇自由詩107/3/27 20:59
削れる自由詩207/3/27 18:47
自由詩007/3/27 18:38
500kmあちら自由詩6*07/3/20 21:19
失物自由詩8*07/3/19 0:00
よっぱらいと電信柱自由詩4*07/3/14 23:35
ありがとうやさしいね自由詩4*07/3/8 20:12
おっぱい自由詩1*07/3/4 22:26
一人遊び自由詩1*07/3/2 14:18
おでこ自由詩3*07/3/1 19:05
ハレンチな気持ち自由詩3*07/2/28 18:41
寝たふり自由詩4*07/2/28 17:15
着信履歴[group]自由詩2*07/2/24 17:29
たやすい自由詩3*07/2/23 18:18
ご身分自由詩0*07/2/23 17:53
眼鏡をかけると自由詩0*07/2/22 20:32
不慣れな指自由詩3*06/8/13 15:08
叫びと囁き自由詩1*06/1/16 0:43
君にもらう自由詩2*05/10/4 4:43
ゆっくり愛す自由詩2*05/10/3 9:31
いつか自由詩105/9/11 13:06
冬虫夏草自由詩10+05/9/11 13:05
美しい夢自由詩605/8/27 21:13
シナリオ自由詩505/8/27 21:09
嵐の夜自由詩2*05/8/26 0:22
夢うつつ自由詩305/8/12 10:13
薫製肉スケッチ自由詩405/8/11 22:09
アパートメント自由詩2*05/8/11 9:41

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