陽の光に暴かれて
くっきりと浮かんだ
哀願する虚勢の声を縦に裂いて
乖離する白と黒
影を踏んで先へ
光だけ満ちた明日へ
幾百と、幾千と踏んで
明日へ
....
真っ暗闇の部屋で
明かりをひとつ灯しました
左胸にぽつりと
心臓を燃やす朱
上大静脈の先端を、僅かに焦がして
夢と呼ぶにはまだ早く
意志と呼ぶにはまだ遠 ....
明滅する命令信号
安易に呼ばれた神様がそっぽ向いて欠伸
適当な青を贈る
「そのままでいいよ」
安穏、安楽、停止信号、青
否定の忘却の青、停止の肯定の青 到達しない「す ....
綻んでく夢を縫って
繕ってできた別のモノ
こんなのが欲しかったわけじゃないのに
最初だけは上手に縫って
汚れたら切りとった
贋物の綿で埋めた傷口
夢見たこと ....
朝焼けた空に 名前をつけてみて
産まれたばかりの「今日」が高く泣いて
真っ赤に腫らした ひとつきりの瞳
泣き疲れた「今日」の 幼い手をひいて
ほら、こっちだよって
....
閉ざした匣に詰めた
たくさんの不幸せ
心の隅に転がって 呼んでる
呼んでる
「パンドラ」
其の衝動
全ての災厄の底の底 そこに希望があるの?
呼び声のする ....
暁の一瞬
星達が地平の先に落ちて
僕ら鮮烈な赤を見る
スタートの合図 瞬きすら出来ずに
世界が僕らを焼きつけて
日常のフレームに収めても
掌の星は逃がさないで
....
ぴん、と張ったタイトロープ
真っ直ぐ眼差して渡れ
ただひとつ成すことを決めて
己と約束した場所へ
真っ直ぐに伸びた
ただひとつ掴むために
逃げ道は全て削 ....
綺麗と汚いの双子
胸の内側に居て溶ける
どちらも本当で、善も悪もなし
優も劣も、強も弱も
なし
綺麗と汚いの双子
混ざりあって 反しあって
模範解答は ....
同一性と乖離した
知らない人
「生きることと死ぬこと」
なんとなく酸素をはいて
僕ら知らない人になる
「生きることと死ぬこと」
頭の隅に追いやって
....
ザアアアァあぁぁあぁぁぁぁッ!……。
雨。
重たい雨。
思たい、雨。
信じられないほどの質量を持った雨粒が、ぼくの肩にのしかかる。
嫌悪も、冷たさも、 ....
柔らかな白色が身体を過ぎて
空の青が眼の奥を撫でる
コンクリィトの反発は、少しばかり強いけれど
前へ進むには調度良い
昇る陽を見上げて散歩
駆けて見失った幾つもの事、人
....
人を信じるなんてのはねぇ
まったく歯軋りするような喜劇よ
信じたら信じた分だけ
裏切られ搾り取られ見世物にされて殺されて
ええま ....
からからと鳴る空人形(カラニンギョウ)
血も、肉も、作り上げられなかったから
冷えた血の塊だけが、内側で響いて
からからと鳴る空人形
心臓も、眼差しも、与えられはしなかった ....
好きと言えたらいい
人も、自分も、現実もみんな
息を吸うように
息を吐くように
好きと
理想論ばかり捏ねても
この世界はきっと
誰も愛してはくれないだろう ....
身長、体重、性格、なにもかも違う人間ではあるけれど
人間が好きな人間でいたいね
文化、歴史、背景、なかなか分かり合えない人間ではあるけれど
人間が好き ....
集束する世界を抱いて
繋がりを絶った夜
自閉する扉を止めず
手に入れた覚悟
偽物でもいい
進めるのなら
収縮する世界を抱いて
一粒の涙で鍵を造る
....
一本の意志で繋いだカイト
風を受けて泳ぐ
追う風も、向かう風も
すべて流して泳ぐ
抗わず泳ぐ
一本の意志で繋いだカイト
黒雲の下なお徃くならいずれ ....
blank
並盛一杯380円、は、お高いでしょう?
「ネギだ ....
一粒一粒俺を消して
それを適応と名付ける
一粒一粒俺を消して
それを人間と名付ける
一粒一粒俺を消して
僕ら人の間で生きていく
それが世界だと軽くぼやいて
....
朝焼けに響く波紋
今日の産声を僕ら確かに聞く
閉ざしてた瞼開いて
陽光に染まる街を見る
熱を取り戻した空気が胎動のように震え
その瞬間を待っていた
今日の産声を ....
さよならと掠れ声で
愛してたと小さく呟く
ぽっかりと穿った穴が口を空けて
君との毎日が深く響いた
決別の歌をのせて
強く強く響いた
さよならと掠れ声で
....
盲いたのは何故?
加速する世界に心忘れて
瞳の中心を無くした
ひとつ貫くことを怖れて
焦点を無くした
あの日描いた未来はどこへ
バースディの灯とともに、ひとつひとつ吹き消した
あの未来はどこへ
+と−の線が地面に引かれ
こぞってそこに点をうつ
私の位置は+3
あなたの位置は?
+と−の線が地面に引かれ
僕らその上をいったりきたり
人に引かれた線の上 ....
目は的を眼差して
鏃は心臓を刺す
殺すのは、嘘で、悪で、醜
生かすのは、真で、善で、美
焼いて、矯めて、鍛えた意志をさらに研いで
向かう的はひとつ
....
たたん、たん、たん
明日の足音がタップして
僕に教えてくれる
たたん、たん、たん
眼差しの銃声が彼方を裂いて
どこへでも行けると高く叫ぶ
さようなら昨日 ....
僕ら
爪先を立てて
指先を逸らして
精一杯に恋を繋いだ
それは
今
愛にかわるのを待たず
途切れてしまったけれど
ねえ
卑怯だと口を尖 ....
ひとつ ひとつ
星が尾を引いて
宵を流れていく
夢の跡を引いて
彼方へと流れていく
ひとつ ひとつ
掛けた願いが流れて
人はいつか星を無くす ....
僕ら今死ぬとして何を思うだろう。
漠然と吸っていた息が止まり。悠久に擬した道が蜃気楼だと知る。
踏み出した足が空を掻いて落ちる時、僕ら何を観るだろう。
....
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