自ら右の頬を撲(ブ)って
自ら左の頬を抓る(ツネル)
これまでだってずっとそうして来たし これからだってきっとずっとそうさ

目には目を 歯には歯を って
肩をいからして歩いた白い廊下
痛 ....
許せなくて許したくて許されたくて

明暗が循環する夕べ

狭間の世界で気付いたのは

僕は人間なのだといういまさら

渦巻くエゴを 薄皮一枚の下に折りたたんだ

どうしよう ....
潰えていく芽

親指と人差し指で ひとつひとつ 丁寧に摘む

それが適応だと

呪文のように呟いて


人間を枯らして

死んでいくのは楽しい?

楽しい?


 ....
誇りを棄てた猫に魅力は無い

気高さを 愛しさで抱き潰す罪は深い


らんらんと 輝く瞳を

ショーウインドウに飾り 腐らせようとしたのだ


吐き出す吐息の美しさを忘れ
 ....
進め進め進め進め 進め

全ての道程は肯定されて、あらゆる方角は開放 オール・グリーン

東 西 南 北 あらゆる獣が神話の中から首を覗かせている

其々が其々の神の存在を信じ
 ....
なにもない街で

宛のない言葉を吐く

悲しみと喜びと

妬みと慈しみに縁取られたそれは

昏い空に浮かんで じわりと溶けた


手を繋いだ先に なにかあると 信じた

たと ....
息を吸うことに意味なんかねぇんだ

狂ったみたいに手を振って整然と行進

扇風機じゃないんだからさ なぁ?

息を吐くことに意味なんかねぇんだ

そんなこと猿だってこなしてる

僕 ....
僕ら望んでここに落ちた

理想郷への緒を断って

泣き喚きながら

それでも前へ って

羽はなく

ねじくれた四肢がかろうじて生えた

這っていくしかないんだね

 ....
忙しいって言って

心を停めるから

終わってんだよ


支えあわないで

独りで閉じるなら

人で在る価値なんて


そうやっていつまでも塞いでて

そうやっていつま ....
脊椎に雷を流せ

前へ 前へ

その原動力を


フラッシュバックする景色

もう戻りたくない

前だけを見ろ

前だけを見ろ

脳髄に 雷を轟かせて
僕らいつもボーダーにいんだ

レールの端に齧りついて 生きてんだ

惨めに目腫らして それでも前へ って

世界から零れ落ちないように

みっともなく足掻いて わかってるよ
 ....
劣等感へダイヴ

それは優しく髪を撫でて

諦めを誘う

始まってないだろう何も

躊躇してる間に

死ぬぞ

劣等感を踏みつけて 走れ

昨日を蹴って 跳べ
脳みそにこびりついた幻想を

一息に飲み干して 酔っ払って 僕は何をしてるの?

その両手は 耳を塞ぐためだけにあるの?


現実と幻想が強く擦れて 世界が悲鳴をあげる

ス ....
笑顔 は よいものだけれど

ときどき 大切なものを曖昧にするね

自分が希薄になっていくような そんな感覚

同調することで 分かり合えなくなることだって ある ね

たくさ ....
揺らせ

精緻に組み込まれた歯車としてでなく

声帯を持った 生身の人間として

がっちりと噛み合った今日と明日を

揺らす雄叫びを

存在証明を
何のために人は花を観るのだろう

しとしとと雨が 花びらを流して

何のために人は花を観るのだろう

足元に転がるビールの空缶 を 僕は躊躇なく踏み潰す

何のために人は花を観るの ....
一人は好き でも嫌い

世界をまるでゴミためのように感じていて

それらをすべてバラの花だと思い込もうと必死


嘘が異常に上手い

人にはそれほど吐かないよ

それはただの虚言 ....
喉を裂き 心臓の弁をぶっ飛ばして叫ぶ

それがただ一つの存在意義だというように

鶏が本能で高く轟くように 僕もまたそう在りたい

臆病者を殺すよ

誰かに認められなくたって  ....
口がぽっかりと虚ろに開いて

流れ出る偽りはシャボン玉のよう

つん と突付けば容易く壊れるそれに

見惚れているのは何故

皆、シャボン玉の間をすり抜けるように生活して

薄い薄 ....
世界の果てにある白いテープ。
僕らは一時も駆け足を止めることはない。
ランニングシューズがぼこぼこになって、足の裏から血が滲んでも。
止まらないレース。それがルール。

世界の果てに ....
白い猫が、足元に寝転んでいる。

ぷっくりと膨れた白い腹、細い声、甘ったるい視線。

午前7時。出社の時間。

そんな僕の事情など構わずに、猫は媚びるように鳴く。

細められた瞳が ....
神様 って叫んだら

涙がぴたりと止まって

顔が歪んだまま戻らなくなった

心臓からはだらだらと血が漏れだして

魂はやがて枯れた


神様 ってもう一度叫んだ

すると手 ....
腹のポケットに手を突っ込んだら内蔵に触れた

瞬間 これを引き抜いたらどれだけ綺麗だろうと夢想

派手な効果音と共にあかく染まる世界を瞼の裏に描いて

すっと目を細める僕に唾を吐いた

 ....
誓いを立てた夜は 月へジャンプして兎と餅つきをする夢を見る

楽しい夜が過ぎて朝になると 重力はしっかりと手足を縛り付けて僕をこの星から逃がすまいと必死だった

明日なんてこないよ

それ ....
抉れた傷痕は埋まらない

唇を 強く 強く 強く押し当てても

血は滲み

焼け付いた傷痕は僕を責める

血を混ぜた唾液の味に

君は少し微笑

とろん と

目を惑わせて ....
ウタ



届く

柔らかな肉塊の奥へ

心を切り裂いて

進む

たとえ

痛みに涙を落としても

人はウタをステレオで聴くだろう

たとえ

傷つきあった ....
父よ

この世界に意味があるという嘘を

幼子の耳に囁くのをやめて下さい

あなたの背中を追うように立てられた倖せな墓標へ

裏切りのコインと共に そっと一輪の花を添えましょう

 ....
ひとつ ひとつ

赤茶けた{ルビ楔=クサビ}が打ち込まれていく

うなだれた{ルビ咎人=トガビト}は しかし呻きはせず

静かな眼差しで運命を見遣る

十字に伸びる血錆びた鉄塊

 ....
電灯に 虫が群がる

暗闇を震わせて

光に酔ったように身を惑わせる

ぶつかり合って 羽を散らし

ひとつ

ひとつ

闇に落ちていく

ああ

あれは ヒト だ
 ....
失った昨日を探して駆けた

太陽は眩しいから怖い

明日は だらしなく口を空けて僕らを飲み込もうとするから

嫌い


失った機能を求めて泣いた

大切なものは消える

心 ....
しろいぬ(153)
タイトル カテゴリ Point 日付
『理想空論』自由詩106/5/15 21:17
『循環する夕べ』自由詩206/5/13 18:58
『芽』自由詩306/5/10 19:03
『raise 』自由詩006/5/7 21:40
『オール・グリーン』自由詩106/5/7 20:25
『街』自由詩106/4/24 0:46
『枯朽』自由詩006/4/22 5:45
『ユートピア』自由詩006/4/18 5:31
『Dear』自由詩006/4/14 21:29
『落雷』自由詩006/4/12 4:42
『ボーダーライン』自由詩106/4/11 2:03
『ダイヴ』自由詩106/4/9 21:36
『ステレオ』自由詩106/4/9 13:19
『笑顔と同調』自由詩206/4/7 23:36
『歯車』自由詩206/4/5 1:16
『花見』自由詩106/4/2 18:43
『自己分析』自由詩106/4/2 6:47
『Cry』自由詩206/4/1 16:34
『嘘』自由詩106/3/5 19:40
『ゴールテープ』自由詩106/2/26 9:46
『白猫考察』散文(批評 ...106/2/26 7:37
『叫』自由詩105/8/2 16:02
『三次元ポケット』自由詩005/8/2 16:00
『禿頭』自由詩205/7/20 1:42
『傷痕』自由詩205/7/19 17:00
『ウタ』自由詩1*05/7/12 14:14
『聖歌』自由詩1*05/7/12 2:01
『十字架』自由詩1*05/7/11 10:38
『ヒト』自由詩6*05/7/10 16:49
『lost』自由詩2*05/7/9 11:06

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