誰かは詩を書くだろう
詩を読んで感想を言ったりするだろう
誰かの詩を褒める事もあるだろう
逆に貶す事もあるだろう

誰かはくだらないと思われるものを書くだろう
素晴らしい作品を残す事だって ....
鹿が角を突き合わせるように
闘う日もあるだろう
カエルが冬眠するように
眠り続ける日もあるだろう

落ち葉が枯れて落ちるように
無様な姿を晒すこともあるだろう
太陽がめらめら燃え続けるよ ....
誰も知らない山路で
酸っぱく甘い梅の香り
ふわりふわりと匂っている

静まり返った藪の中
にわかに騒ぐ猿一匹
がさがさがさと音を立てる

山間に炊飯の煙を眺め
雲雀の声を耳にして
 ....
ドラッグストアの前で
女の子が叫んでる
タイムセール中だと叫んでる
冷たい風で髪を逆巻いて
人々の歩く前で

コンビニで
おっさんが怒ってる
袋を分けろと怒ってる
長い時間をかけて
 ....
たくさん咲いたツツジの花を
一つもぎ取って蜜を吸う

甘いツツジの蜜と
苦い緑が鼻につく

俺の父親は普通の人でした
俺の母親は普通の人でした
俺も普通の人でした

俺は何者でもあ ....
珍しく故郷に雪が降りました
梅の木が雪をかぶって
静かに佇むニュースを見ました

こっちも凄く寒くて
積もった雪が電線から
さらさら落ちることを知りました

俺は冬が好きだから
お前 ....
インターネットでいつか見た
欲しかったプラモデルを
わざわざ電気屋に買いに行く

休みなのにこいつらは
電気屋なんぞにやって来て
一体何を買おうというのか

家に帰ってニッパーで
パ ....
コンビニでタバコの銘柄を、聞き直されることが増えた。
滑舌が悪くなったのかもしれない。
一回で聞き取れない店員に、イライラするようになった。

動きが遅い店員に、イライラするようになった。
 ....
ざらざら
ざらざら
雨がゆっくりと降る
夜の上に静かに水を張っている

ざらざら
ざらざら
水が道路を叩く
暗い空から水が垂れ続ける音が見える

俺は何も言えなくなる
足元に冷え ....
空気は、視界の端の方でぎらぎらと尖っていました。
時間はぐにゃぐにゃと、伸びたり縮んだりしながら、通り過ぎていきました。
私は必死に仕事をしていました。
腰が痛いのに、たまに雑談して、にこやかに ....
ざわざわとささくれだった霜は
冷たい空気に張り付いて浮いている
朝の街から聞こえてくるざわめきは
熱を持たずに乾いたまま遠くへ響く

冬の朝は平等に残酷で
どんな生き物にも降り注ぐ

 ....
冬の暗い夜に
遠くから聞こえくる音は
線路の断末魔である

パソコンの光だけは
部屋に拡がって
四隅の闇に吸い込まれていく

誰も世界につながることはできない
誰も外に出ることはでき ....
窓から漏れだす光は
怠け者を打つ神々の威光
仕事をさぼっている輩を見つけ出し
粉々に打ち砕く

夕刻に迫りくる闇は
帰宅するものを退ける神々の威光
仕事を切り上げようとする者どもを見つけ ....
そいつは猿の面を被っている
白い猿の面を被っている
くりぬかれた二つの穴から
黒い目玉が見えている
その二つの穴から
暴力の匂いがしている

赤い口紅を隠している
みずみずしい若い唇
 ....
横になって居眠りしていると
コオロギがひりひりと鳴いている
その音を聞いていると
白いシャツ一枚では肌寒くなってくる

真っ暗な外の闇に
確かに広がる草むらは
夏に汗をかきすぎて
少し ....
冷たい風が吹き荒ぶ
草木が千々に散り乱れ
砂利道が静かに佇む
まるで行く先に助くるものなし

太陽の光遮られ
茶色い枯れ木の重なる下に
そこかしこに闇が佇む
まるで行く先に営むものなし ....
都会のミカンは とてもまずいです
とてもまずいので 貴女に送ります

都会の大根は とてもまずいです
とてもまずいので 貴女に送ります

都会の冬は とても寒いです
とても寒いので マフ ....
陽光絶え間なく降り注ぎ
空気に光の粒 満ち満ちて
いくら瞼を閉じてみても
隙間より零れ来る

悪意の種を優しく撒いて
冷たく暗い気持ちを注ぎ
仮面を置いて日陰を作り
全ての芽が出うる種 ....
あるコックは料理をつくりました。
鍋からはじっくりと煮込まれたトマトの匂い。
テーブルには真っ白に洗われたシーツの上に、真っ白な皿が並ぶのでした。
コックは言いました。
「ひとさじのスプーンは ....
作って壊して 作る人
座って立って 座る人
笑って泣いて 笑う人
生きて死んで 生きる人

怒り怒られ 怒る人
食って拵えて 食っちゃう人
笑って笑わせ 笑う人
仕事をサボって 眠る人
甲羅のように 硬い黒炭
割れた体に 赤いくまどり
ひとたびパッと 喜び吹かば
血潮のごとくに 真っ赤に燃える
黄色い火の粉が パチリと爆ぜた

ぐるぐる回る 水車を鞭打つ
しとどに流るる ....
ご飯をたべると、虫歯がずくずくと痛みます。
割れた歯の、その根元。
歯茎の奥にできたしこり。

女の人の肌を見ると、心がざわざわと毛羽立ちます。
誰にも言ってはいけないような、ぬめぬめとした ....
初浴衣 頬に紅指す 金魚玉 青く高い空の中を白く密度の濃い雲が滑っていました
雲は太陽と道路に熱された空気の上に悠々と浮かんでいるのでした

熱い空気を切り裂くように少女が走っていきました
スニーカーの着地したアスファル ....
喉がぴったりと張り付いている
水を飲んで 目を覚ます
クーラーの音が なっている
陽光はもう 部屋の隅に
居座っては 目に刺さる

洗面所は茹で上がっている
じっとりと 重いシャツ
食 ....
藤山 誠(55)
タイトル カテゴリ Point 日付
詩人たち自由詩316/3/6 7:53
生活自由詩116/3/5 3:15
梅と猿自由詩5*16/3/1 2:57
帰路自由詩016/2/24 20:04
残花自由詩116/2/11 19:57
梅雪自由詩316/1/26 5:22
趣味自由詩015/12/26 15:03
前朱夏自由詩115/12/14 18:40
夜雨自由詩215/12/11 2:11
年の瀬自由詩215/12/9 23:07
枯葉朽つ自由詩8*15/12/8 4:48
ジュラルミンの冬自由詩2*15/12/7 3:38
さばく自由詩2*15/10/15 1:23
恋人自由詩215/9/24 21:55
秋彼岸自由詩3*15/9/24 3:06
黒い峠自由詩315/9/15 2:45
プロポーズ自由詩015/9/8 1:50
Pips自由詩3*15/9/8 0:50
人の孤独自由詩1*15/8/29 20:53
たまには自由詩015/8/27 19:30
極彩色の感情自由詩3*15/8/26 21:29
大人の虫歯自由詩2*15/8/26 3:31
金魚玉俳句015/8/24 22:13
午後の仕事自由詩5*15/8/24 3:07
夏の朝自由詩1*15/8/22 17:42

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