好きな人はいません
その分
嫌いな人はいません
誰からも愛されてなどいません
その分
誰も愛してません
他人に関心ありません
その分
無視されてます
人の前では笑いま ....
雨上がりの空から雲が一掃されて
青空があらわれて
お日様が顔を出しても
美しい七色の虹が橋のようにかかるなんて
事はなくなってしまったな
子供の頃は頻繁に虹を見たような記憶があるのに
....
絵に才能も興味もなくて
だから日曜画家にはなれない
なので日曜は詩人になる
他に自分を表現する方法を持ってないので
休日は詩人になる
手先が不器用で
もの作りの才能も興味もないから ....
ありきたりだけど
俳句は松尾芭蕉がいい
ありきたりじゃないかもしれないけれど
歌人は山崎方代が好きかな
詩人は誰も思いあたらない
小説は太宰治なんて言わない
芥川龍之介が好き
....
人は変わります
見えるものも
見えないものも変わってしまいます
時間の経過に
歳月に
貴方のお気持ちは嬉しいです
貴方の言葉は心地よくあたしの胸に響きました
貴方が一途にあた ....
最後に泣いたのいつだったかな
思い出せないくらい
泣いてないな
赤ん坊は泣くのが商売
大人はやすやす泣いちゃいけない
男は人前でおろおろ泣いたら笑われる
最後に泣いた日忘れたな
....
誰だって気が触れる可能性を持っている
たとえば目の前で我が子が轢き殺されたり
たとえば
愛する女が
たとえば
愛する男が他の誰かに奪われたりしたら
誰だって冷静じゃいられなくなるだろう ....
産まれた時から生まれた日から
人より多くが欠けていたから
きっと私は充たされていたんだろう
何だか辻褄が合わないな
産まれた時から生まれた日から
人から見下されたりはしないかもしれな ....
結婚式の披露宴なら違和感ないけど
いくら自宅葬とは言え葬儀の模様をビデオ撮影するなんて、常識から外れた行為だ
確かに母親の最期を映像に残して後に鑑賞しながら故人の思い出に浸りたい気持ちは理解で ....
ずっと気になって仕方ない女性がいた
齢六十過ぎても
三十年連れ添った妻がいても
三十路近い娘がいても
他にずっと気になって仕方ない女性がいた
相手の女性もきっと結婚しているに違い ....
産まれる前に付けられた値札
遺伝子かも知れない
産まれた時に渡された番号札
列に並んで順番を待たなければならない
成長は言い換えれば劣化に過ぎない
生きると死ぬは紙一重
天気予 ....
唇を重ねていたら冬の揺れ
喪を忘れ投函したの?叱られる
隙間から寒気も入る倦怠期
いさかいの後に沈黙息凍る
店先に売れ残ってる寒椿
地下にある喫茶の店へ冬籠る
寒く ....
光のもたらす恵みは計り知れないのに
空気より空気感ないよな
太陽光がなくなったら
きっとパニクるぜ
ムーンライトがなかったら
暗黒の夜になっちまう
その昔
俳人松尾芭蕉は旅の途中 ....
生きている間だけしか
活きられないんだよ
そんな当たり前の事が良くも悪くも
理解できないのは
やっぱりいきているせいなんだろうな
空気を吸って
水を飲んで
食べ物を胃袋に入れてお ....
近所の薬局の前の自動販売機。
明らかに避妊具を売っていた
その前を通るのはいつも深夜だったから街は寝静まっていて
暗闇の中にぼんやりとしか見えなかったのに。
ある日自宅アパートに帰宅す ....
母さん
あんたのせいで俺は産まれてしまった
だから反抗期には思いきり怒鳴ってやったんだ
うるさいよババア!って
ババアの説教なんて聞きたかないよ!って
そしたら母さんあんたはいきなり泣き出し ....
不老の薬
不死の薬
が
もし開発されてしまったら
それ以外の薬はきっと売れなくなるだろう
病院は閉鎖されて
斎場も葬儀屋も墓地もこの世界から消えてなくなるに違いない
そうなる ....
時間は止まらない
止めてから
後に戻せない
だから
後悔が生まれるんだ
時間はなくならない
人それぞれに与えられた時間が
日々目減りしてはいくけれど
足らない
足らな ....
女子の 体だけならお金で買える
体だけでいい
心はいらない
男子の 体だって買えない事はない
体だけでいい
心はいらない
結婚と言う契約には経済が重要な役目を果たしている
結 ....
過ぎて去ってしまったから過去。
未だ来ていないから未来。
過去へと下る河は人の記憶の中を流れ
未来へと上る河は人の夢の中へと流れ込む
懐かしさに帆を孕ませて
舟は下り
わくわくに胸 ....
彼女の股間に棲む生き物
その名称を公に口にしてはいけないルール
文字にしてはならない決まり
誰が決めたか知らない
知らないけれど守らなくてはいけない
暗黙の了解を経て今ここにいたる
....
知らない街の
知らない家で
殺人事件が起きた
知らない間に
知らない家族が
知らない殺人者に
惨殺された
凶器は知らない
動機は知らない
命は盗まれたが
他にも何か盗ま ....
いちめん真っ青な空
段差に躓いて転倒しそうになる
何してんだよ俺
足下には気をつけろ!
自分で自分に無性に腹がたった
怪我でもしたらどうするんだ!
いちめん真っ青な空の下にだっ ....
東京の場末の酒場でボックス席に座った。
俺は未成年だったが、社会勉強のいっかんだった。
そこへ連れて来てくれたのは俺の雇い主だった。
まだ何も知らない若造に「遊びのいろは」を教えるつもりだっ ....
昨夜遅く何のまえぷれもなく
母親があらわれた
彼女と最後に会ったのはいつだったか
彼女と最後に別れたのはいつだったか
薄情にもそれを忘れてしまった
十年か二十年か、それさえも分からな ....
人混みか人塵なのか初詣
自販機でエロ本なんて寒すぎる
寒いから上は脱げない営みに
radikoからカウントダウンの雄叫びが
紅白をビージーエムにラブホテル
はく息が悪臭に ....
ズボンの下にスカートの下に
ヒトは何でパンツを穿くんだ
そしてせっかく穿いたパンツを
何で脱ぐんだ
ズボンの下にスカートの下に
あるパーツは
そんなに特別なのか
そこは
凹凸の ....
娘よ
お前の遺伝子に
私の劣性が伝わらないかと危惧していた
訳じゃない
そんな事気にかける余裕なんてなかったよ
私は働く事に必死だったんだ
働く事で得られる生活の糧
そこから涌き ....
蝶が一匹蜘蛛の巣に引っ掛かって動けなくなっていた
飛んで巣にいる蝶って訳か
その姿が何とも哀れで、どうにかしてやりたくなった
しかし
既に死んでいる様子だ
どうせ死んでいるのなら
救っ ....
山肌に雉の鳴く声こだまする
銃声が雉の鳴く声黙らせる
水切りの石が未来に跳ねて飛ぶ
夜泣きする我が子に苛立つ冬夜中
子育ては女の仕事と寝たふりを
誤って我が子に火傷季語は ....
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