白と茶 誰もいない部屋のカーテンは開けられて 南向きの窓から差
し込む冬の低い太陽の明かりでとても明るい 雑然と散らばった請求
書、契約書、スーツ、ネクタイ、タオル、ビニール袋、文庫本、楽譜、
 ....
真昼の睦み
カーテンを開けた窓の外には
寒さを抱えた雲が形を変えながら去っていく
明るさだけを保ち
白けている光は差し込む
見下ろす背中にも冬の気色は映り落とされている
体温は皮膚の内側に ....
一つ一つを束ね
表出と潜航を繰り返す
三つ編みは季節に似る
切り落とした断面には
三つの方向に捻れ動く
層が見える
黒髪のうねるしきの香り
一束に内包される春の手触り
ユトリロの白のしじまに辿り着く  春はキャンバスの裏に萌し ユトリロの白の時代の終焉は
小さな教会を過ぎ
角を曲がれば
景色が変わり
曇りかけた空 薄暗い白壁が
もう見えなくなっただけのこと
かもしれない
道を挟んできょうかいと向き合い
キャン ....
はにかんだ朝日はすぐに色を変えて、ますます遠のいていくのだけど、
思い出すのはいつまでも遠ざかった後の明るさです。春はいつだって差
し込んできて、過去、常緑樹のようにそこから離れていかない。柔らか ....
理由なら)やわらかにますはにかみにはにかみかえすしかできません

絡まれて絡まるコード差し込んで音楽がなりまた絡まれて

ねえ聞いて、お隣さんが言ってたの、柔らかく刺す春は過去だって

 ....
彼の視線には光が細かく見えていた 夜が黒
く開いている時に青白い外光に筋を描く 森
の奥に連なる木々は幹だけを残し枝葉は夜に
溶けていて重ねて細かい葉を描く くっきり
と影を描く 迷い込んでい ....
指に指先を這わせて
忘れたい背中を撫でて
水を飲む
触れれば触れるほど青く染まっていく
フルートの音が響くように
海の色に浮かぶ
背中は遠くなって
見知らぬ街の中でやっと
消える波際
 ....
透明なんだ
体に積もる言葉の背景は
重ねるごとに同じ色のインクの文字は
読みづらくなる

言葉にするとき
一つの穴から覗き込み
探し出したものを読み上げているけど

その構造が遠くに ....
記憶は眠りで留められて思い出すときには一つの
うねる襞となっている


まずは糸の一番最後に玉結びを作ります
それから布に針を通していきます
縫い終わりましたら、
しっかりと玉留めをして ....
花火はまるく枯れていきます
ショーケースの中の目玉焼き


煙の輪
海月だよね

水族館で青い光に泳ぐ球形の
触手は意思もなく揺れていて
夜を渡る浮遊はそれぞれに
腕を伸ばす
 ....
木々の天蓋
墓標

隙間から降る明確な透明

風が髪を揺らしている
日が地面と繋いでいる

細く


  弛まず消えていく時間は薄く
    薄く体に積もり根を張る
     ....
規則正しく揺れる君
両方の靴が飛んでった
薄暗い部屋で少しの明かりに照らされた少女の瞼は俯いた睫毛に淵取られ表情を隠していて憂愁を湛えているがそれは一つの擬態かもしれない、と想像してみても何も得られるものもなく ただひたすらに隠れている欲望を .... 穴を二つ穿ちます
そこには明らかに風が吹き始めます

黒く二つ塗ります
そこにはぼんやりと意思があるように見えます

背景から切り出したところで
モチーフが現れます

背景から見つけ ....
まだらに響く蝉
そのすきまにかぜがふき
一滴の風鈴
あがけ


足掻け私の体
むちゃくちゃに大気を削り取れ

コンクリートのような大気から
私を絡め取る大気から

私が逃げれるように
時間を均等に振り分けるメトロノームのように
誰彼ともなく均等に
ジブン(アイ?)を振り分けるあの人は
誰の指針にもなり得なかった

デジタルなメトロノームの電池は切れたので交換しますね
俯いて歩く帰途で雨が降り始めた

ぽつ ぽつ 

街灯近くで
白い線が
流れていく

また俯き歩き出した

ぽつ ぽつ

一つの雨粒は歩道に落ちて
街灯の光を映し返し
次第 ....
ダンデライオンを
口に隠してキスをしたら
あなたは苦味に驚いて離れようとしたから
顔を抑えて あなたの口に移してあげた

慌ててむせながら吐き出した

私は「体にいいらしいよ」と教えてあ ....
高架の脚の隙間から西陽が差していて
線路の上にはまだ青い空が乗っている
僕の足元には脚の影が規則的に並んでいる

時折、電車の音だけが走っていく

のんびりと歩いている僕を
電車が追い抜 ....
好きの位を決めたいのだけど
大きさで決めるべきか
重さで決めるべきか

モノサシがないので
見えないので
困難です

見えない空気でも測れるのに
不憫です

好きはとても不憫です ....
歩いている
歩いている

歩いている

やはり
歩いている



のようなところを
雑草が茂っていて
誰かがいつか通った
だろうと思うけれど
他の人はいないから
分から ....
ロボットに生殖機能はあるのでしょうか

ロボットは
無性生殖なのでしょうか
有性生殖なのでしょうか
それとも
ロボットは増殖しないのでしょうか

もしも増殖しないとしたら
一つの絶対 ....
二つの部屋も50個入りのティーパックも僕には多過ぎる 木漏れ日がばらばらと散らばっている公園のベンチに座り
一息
吐いて背もたれまでゆるく体を沿わせるように空を仰ぎ
目を閉じる


一群れの風が


ちゃんと網膜には光が届くようだ
さ ....
夜中に文字の束を積み上げていて

他の人が作った僕の知らない世界がそこにある
はずの本や紙を
積み上げていて

僕の目が時間を掛けて
解いていく
何ヶ月も掛けて

そこに
どれだ ....
イマはミライを疑わない

風はココを吹きすぎてもなお
そのままソコも吹きすぎるもの
そしてぐるり巡ってきて
おはようと挨拶をする

顔のない明日も顔のない風が
巡ってくる

それは ....
街灯が揺れる黒い水面
何を湛えて波とする
はて(47)
タイトル カテゴリ Point 日付
目(10時24分〜32分,3月4日)自由詩2*17/3/7 21:08
事後自由詩1*17/2/13 3:20
黒髪を統べる自由詩2*16/11/5 22:40
春は皮下に萌す短歌016/11/5 22:39
自由詩5*16/11/5 22:38
からみかる自由詩1*16/11/4 20:10
からみかる(十首連作)短歌4*16/11/4 20:08
白い夜または群青の山の自由詩3*16/11/3 0:27
まぎわの波際自由詩2*16/11/3 0:08
口の背景自由詩015/11/13 22:07
不音自由詩1*15/11/8 22:02
自由詩315/11/5 22:14
ルーツ自由詩215/11/3 23:29
ぶらんこ自由詩015/8/10 23:56
擬態と観察 決して触れず自由詩015/7/30 22:03
モチーフ自由詩115/7/23 22:35
盛る夏の涼自由詩215/7/18 15:17
大気を削る自由詩215/7/16 23:31
博愛の人自由詩015/7/12 1:11
雨の観察自由詩1*15/6/30 23:27
forget me,not,forget-me-not自由詩1*15/6/29 21:33
影 走る自由詩1*15/6/28 1:24
好きのクライ自由詩015/6/25 22:57
見えないわけじゃないけれど見えるわけでもなくて自由詩4*15/6/22 23:33
完全計画世界自由詩1*15/6/21 1:36
雨音だけが聞こえる自由詩015/6/17 22:10
ゆめさき自由詩1*15/6/11 2:15
荷解き自由詩3*15/6/10 0:35
エマ自由詩2*15/6/6 1:05
波をつくる自由詩115/5/19 1:22

Home 次へ
1 2 
0.1sec.