黒い虫が
路上で死んでいた

遠くお空で
天国が
キラキラと輝いていた

 ああ、もう
 あそこまで
 届きそうにないなあ
座ってパンを食べている
天使に近づき見てみると
頭の上に浮かぶ輪っかは
小惑星の集まりだった
カーリーヘアーの奥からの
不思議な引力で集められた
星屑だったんだ
なんだ、土星と同じじゃな ....
僕は上海の窓拭き職人になって
安い給料やままならぬ生活のことで
四苦八苦しながら生きていく
詩など作らず絵画も解さず
芸術などというものには見向きもせずに
思い描くのはせいぜい
昼の定食を ....
目のない鳥が
空を飛び回った。

どこへ行くのか
知らぬまま。

ある時鳥は
楽園に到達していた。

けれどもそれを知ることができず
素通りしてしまった。

豊満な果実も
豊 ....
君に楽器を聴かせよう
僕にはそれしか
とりえがない
青いアコーディオン
遠い異国の田舎の唄
君は行ったことあるかも知れない
お金などいらない
僕に不景気は
あまり関係がない
気に入っ ....

君の体を触る
まさぐっているうちに
ぐにゃぐにゃの体は
人のかたちを取り戻す
これでまた
明日も会社に
行けそうな感じだ
朝が来るまで起きていて
布団から這い出す
君はまだ眠っ ....
天使は近眼
俺がどんな表情をしているか
見えていないのさ
同僚の悪口を言うとき
明日への怯えを口にするとき
どんなに醜い顔をしているか
天使はだまってこちらを見ている
そしてふくろをがさ ....
君には誰かの面影がある
たとえば五月の風のような
たとえば素直な犬のような
ほとんどはじめて会ったのに
なつかしい気持ちがする
昔の画家の絵のような
どこかで聴いた歌のような
思い出そう ....
冷たい水をあげましょう
嫌な記号が消えますように

何もないこの星で
唯一の宝物

冷たい水をあげましょう
昔の歌を歌えるように

君を単なるいきものに
戻すのが僕の夢

虫た ....
おもしろい形の石
おもしろい形の石

子供の世界は続いているか
子供の世界は続いているか

おかしな声で騒ぐ鳥
おかしな声で騒ぐ鳥

子供の世界は続いているか
子供の世界は続いてい ....
タネもしかけもありません
(私は嘘をつく)
どうです
何の変哲もないハンカチでしょう
(ありふれたものが一番あやしい)
なんなら手にとってご覧ください
(私は視力を信用しない)
そうでし ....
天国が火事
放火魔は長い足で
山脈を跨ぎ逃走した
雲の上が赤々と燃えて
天使らはなすすべもなく
もだえている
白い裸体から
滴り落ちる汗、汗
まるでとろける
蝋のように
地上から空 ....
人質は天使
銃で脅して
無理やりコートの
ポケットに押し込んだ
鰐皮が冷たいと泣くので
真っ赤な頬を平手打ちした
頭上に浮かぶ輪っかは
使用期限の切れそうな
蛍光灯のようだった
つま ....
内ポケットから手帳を取り出し
暗号を記録する
一晩かかって嗅ぎつけたのだ
約束の時間まであと五分
場所はいつものX埠頭
ここ数週間奥歯が痛む
しかめ面はそのせいもある
トレンチコートの内 ....
豆腐を買いに行ったきり
帰らぬ夫に見切りつけて
妻は子供を兵隊に仕立てた。

子供は戦場で人を殺した。
戻らぬ父と待たぬ母のかわりに
何人も殺した。

そして勲章をもらった。
家に持 ....
サナギサヨナラ夏の庭

あだなをつけに飛び立った僕の蝶

声の遊びが続くなら
伝えよう
おはよう

終わらない円の上では
神様も仲間はずれになるという

愛の踊りが煮え立つ前に
 ....
ついに完成させよう
今宵のオブジェ
どのようにでも
変わるだろ
柔らかい土
虫歯の亭主
もう少し必要
無意味なティシュー
どんなお化けにも
どんなお花にも
おしべの唄
めしべの唄 ....
誰でも
それぐらいもっている
そんなのは
犬小屋の奥にでも
押し込んでおけ
近所のポチの
許可を得て
真夜中
あたりが深海に
変わる頃
手が何本も
ぶらさがっているような
巨大 ....
家に帰ると
娘らが星を食べている
お椀にいくつか
飴玉ほどの小さな星屑を入れ
テレビの教育番組など見ながら
気軽に口に運んでいる
おいおい、いいのか
と思ったが
今日日やってはいけない ....
右と左に
別れても大丈夫
それぞれしっかり生きていくから
夕焼け雲の下
二つの影がまっすぐに伸びていく
それぞれ信じた方角へ
そして生き延びる
不完全な生き物として
何千回も
夕焼け ....
窓を開けると
知らない動物がいる
手を伸ばして触れてみると
案外やわっこい
あんなところにまで
毛が生えていて
意外ときれいな瞳をしている
どんな声で鳴くのだろうか
孔雀の羽根で撫でて ....
まよなかにめざめて
カーテンを開けると
青白い馬が
庭をうろついている
少しだけ窓を開け
ライフルをかまえる
胸のあたりを撃ち抜いて
何事もなかったようにベッドへ
そんな夜には
眠れ ....
朝もやに煙る街中を
人影が通り過ぎる
一晩稼いで
これから逃走するところ

  昨夜あの娘は
  盗まれた
  二本の指で滴って
  絡み付き
  トランプの散らばった
  部屋の ....
女が買ってきた猫は
目を覚ますことがない
エサも食べず水も呑まず
常に丸まって眠っている
置物ではないかと
怪しんで触れてみると
確かに呼吸をしている
手触りも生き物のそれである
何し ....
一羽の鳥が
世界の果てを見に行った
そして
泣きながら帰ってきた

飼い主は訳を尋ねたが
何も言わなかった
いや
言えなかったのだ

そのかわり
鳥の羽毛は青く変わっていた
日 ....
想像の青い馬 
高速道路を駆けていく 
午前二時
夜の風に乗り
どこまでも行けそう
思春期の
次は氷河期
ほどけないのは
輪廻のリボン
だから待たねばならない
氷でできた
僕の駄 ....
悲しまないか
青いマントにくるまって
月明かりを頼りに
この世から逸れていかないか
喜びなんぞ
どこかのだれかにくれてやる
悲しみの中でこそ
きみはすっかり美しい
ぼくのことばもぎらり ....
眠れない 
夜の遊びは一つだけ 
寂しい沼地 
孤独な塔 
幸せ探し 
夜更かし
ここは海の底 
アパートのすぐ傍を 
誰か横切るよ 
とても大きなもの 
じゃらじゃらと 
宝石 ....
 夜 地球の上を這う 目的地は 一軒の家屋 家畜のように 這いつくばった 小さな平屋
 爪が土を削り しっぽが草花をなぎ倒す 下着をすっかり 汚してしまう 何でも捨てる まだまだ捨てる 俺は一番 固 ....
 悲しみをとぼとぼ辿っていくと、駅のホームに辿り着いていた。なんだ、もう一度出発なんだ。そう気付いた時には、もう旅人の顔をしている。ホームには、自分以外の人影は見えない。柱に繋がれた雑種犬と、自愛に余 ....
やまうちあつし(484)
タイトル カテゴリ Point 日付
黒い虫の死自由詩114/8/25 9:36
土星天使自由詩4*14/8/24 9:38
星霜都市自由詩8*14/8/23 7:54
RAKUEN自由詩314/8/22 8:11
青色楽器自由詩314/8/21 7:45
眠り姫自由詩2*14/8/19 13:11
近眼天使自由詩314/8/18 20:14
空似自由詩514/8/17 13:56
冷たい水自由詩214/8/16 16:34
チルドレン自由詩2*14/8/15 7:35
手品自由詩114/8/14 7:44
天国が火事自由詩314/8/13 11:13
人質は天使自由詩214/8/12 7:40
歯痛殿下自由詩514/8/11 10:20
幸せの庭自由詩114/8/9 5:24
輪廻で輪舞自由詩214/8/7 12:57
錬金術自由詩014/8/6 12:13
秘密自由詩514/8/5 12:07
おやつ自由詩1214/8/4 16:19
プラナリア自由詩5*14/8/3 19:54
知らない動物自由詩314/8/2 10:31
迷信自由詩114/8/1 8:28
ぬすびと自由詩514/7/31 9:07
眠り猫自由詩214/7/30 8:44
青空の起源自由詩2*14/7/29 8:45
夜逃げ自由詩414/7/27 19:09
悲しまないか自由詩214/7/26 13:24
夜更かし自由詩5*14/7/25 13:51
夜這い自由詩3*14/7/24 13:10
哺乳類の絶滅自由詩4*14/7/23 12:57

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