もはや全然
会いたくはない

不在としての人型が
まとわりついて離れない

聞こえなくなれ
声が
見えなくなれ
影が
話せなくなれ
何も
気づかなくなれ


冥王星が
 ....
よく
耳を澄ませてみるんだよ
   
この世でどんな
音がしているか
   
君の耳はとがっている
もしくは
下に垂れ下がっている
いずれにせよ
素敵な耳だ

声なき声を
聞 ....
明後日会いましょう
   
それまではどうしても
時間が取れないから
   
今日は明日のことで忙しく
明日は今日の後始末
   
明後日はちょうどいい
日差しが射しているはず
明 ....
再び生きると決めたのに
わたしはわたしのまま
発しなければよかった
言葉ばかり刻まれてゆく

再び生きると決めたのに
今日も曇り空
聞かなければよかった
質問ばかり漂っている

わ ....
君も詩人なら
透明なペンくらい持ちたまえ
黒い万年筆とか
青いボールペンとか
そんな当たり前のペンで
満足しているようじゃだめだ
透明なペンなら
どこにでも言葉を書くことができる
しか ....
言葉に足が生えてどこまでも歩いてゆく
一日歩いて倒れる言葉もあれば
一か月歩きっぱなしの言葉もある
中には百年、二百年、いやもっと
歩きっぱなしのものもある
いったい何処まで行くのだろう
 ....
言葉には年輪がある
   
うそだと思うなら
誰かがはいた言葉を拾い
輪切りにしてみるといい
   
どんな言葉にも刻まれている
   
それまでに経験した悲喜こもごもが
出会いや別 ....
信じられないわ
双子の兄がいるなんて
私と同じ顔をした誰かが
この世のどこかで暮らしているなんて
家族はいっさい教えてくれない
両親は口を閉ざし
祖父母も目を逸らす
けれど間違いない
 ....
一生かけて思い出すんだ
これまで出会った人たちのことを
   
笑いあった人
いがみあった人
すれ違った人
もう会えない人
   
どの人も大切な
登場人物だった
   
私はそ ....

を待つ人が
落ち着かないのはなぜだろう
それはおそらく
どこからやってくるのか
見当がつかないからだ
そしてまた
どんな姿をしているか
想像するのが難しいからだ

を待つ人は ....
明後日の風が
薄い緑に見えるのは
わたしに宿る
かすれた色眼鏡のせい
閉店の知らせばかり舞い込む
メールボックスには
この世でたったひとつの
返信が届かない
山羊の顔して探すだろう
 ....
病室で虹を見た
手術を終えた父親と
年老いた母親と一緒に
三人兄弟の次男だから
私が彼らのすべてではない
ましてや今では
孫たちもたくさんいる
けれど私も
彼らの一ページであることに
 ....
私が暮らすのは
マスクの内側の日々

教室でも
体育館でも
運転中も
教会でも

マスクの中で話し
マスクの中で怒り
マスクの中で歌い
マスクの中で祈る

どれも届かない
 ....
別の星には
別の花が咲く
そこには別のじょうろがあって
何色の水をやるか
異なっている
だから
どんなふうに話し
どんなふうに笑い
どんなものを食べ
どんな寝相で寝ているか
知るよ ....
何度でも間違える
言っても直らない
直す気はあるけれど
その場になると抑えられない
何度でも間違える
何度も同じひとを泣かせる
自分も泣けてくる
毎回後悔する
毎回決心する
そして生 ....
HRの時間になると
黒ヒョウが教室に入ってきた
あ、代わったんだ
担任の交代は初めてではないので
生徒らは慣れっこだった

まさか黒ヒョウだとは
黒ヒョウは静かに
教室を歩き回る
 ....
黒ヒョウがやってきた
僕たちの学校に
なるほど、ネコ科らしく
足音ひとつ立てず
廊下をゆっくり歩く
生徒も教師も襟を正した
下手なことはできないよ
だってあの鋭い爪と牙
心中まで見透か ....
無人の駅で
日曜の校舎で
   
ページを閉じると
すべりこむ花びら
五年後に会うだろう
   
そのとき同じ細胞は
ひとつも残っていないのに
なぜだか同じ人のまま
   
性格 ....
一日を一生のつもりで
生きるなら
喜びばかりでなく
悲しみもなくては
どうかすべてのものに
五月が与えられますように
蒼くて淡い炎
透明なようでいて
匂いもする
何のため生まれたか
 ....
新種の蝶が留まったためか
髪型が変わったようだ
どの国の言葉で
あいさつをしましょうか
世界中いたるところで
黒ヒョウが増殖していて
会えなくなった旅人も多い
街中で出くわしたなら
小 ....
さようならは

何色ですか
真っ青ですか
真っ黒ですか
それともあの日の夕焼けの
だいだい色ですか

さようならは

どのへんですか
指先ですか
つま先ですか
それともア ....
わたしのペンは退屈している
わたしのペンは雲でできている
わたしのペンは折ると血が出る
わたしのペンには雨が降っている
わたしのペンは時に稲光る
わたしのペンは黒ヒョウに似ている
わたしの ....
近所に黒ヒョウの家がある
比喩とかたとえではなくて
実際に居住している
屋外に出ることはない
あくまで家の中だけだ
時折窓の内側に
黒いネコ科の横顔や
しなやかな毛並みがちらりと覗く
 ....
はじめに言葉が
なんて教えを
疑い始めることがある
口で話せることなど
いかほどのものだろう
同じ絵は二度ない
それが世界の敬虔さだと
せめて
あの人はなぜ
いつでも黒ヒョウを連れているのだろう
乱暴なわけでも
冷酷なわけでもないのに
あの人のいるところには
常に黒ヒョウが付き従っている
黒ヒョウはしなやかで賢明だから
周囲の邪 ....
あぜ道を歩いていた
ふと上空を見上げると
並走する何本かの電線の上に
おびただしい数の鳥たち
私は急いで
それを譜面に写し取り
部屋に戻ってピアノに向かう
なんという旋律
作曲者は誰だ ....
変なおじさんがいた
国じゅうの人たちが指差して笑った
眉をひそめる者もいた
変なおじさん
変なおじさん
その頃世界では
奇妙な出来事がたくさんおこった
変なせんそう
変なさいがい
変 ....
黒ヒョウが出没したという
知らせが町を駆け巡った
獰猛な肉食動物であるから
外出は自粛するよう要請がある
学校は休校
大抵の企業も在宅勤務
スーパーマーケットには
当面の引きこもりに備え ....
踵の電池が切れて
歩けなくなった
あの人にメールして
コンビニで買ってきてもらう

 乾電池お願い!
 でも君に会いたくないから
 玄関に置いてって

数時間後
ドアにノックの音が ....
あの人は
神を知らない
小市民

知りたいのは
明日の天気

傘を持って出たほうがよいのか
そうでもないか

昼は定食にしよう
少し早めに職場を出れば
あまり並ばずに済むだろう ....
やまうちあつし(484)
タイトル カテゴリ Point 日付
冥王自由詩021/6/11 14:00
福音自由詩321/6/3 10:26
明後日自由詩021/5/30 10:28
再生自由詩221/5/26 16:29
透明なペン自由詩521/5/15 7:32
言葉の旅自由詩121/4/21 5:18
ことのわ自由詩421/4/11 14:19
双子自由詩321/3/31 14:29
ライフワーク自由詩021/3/28 19:20
自由詩1*21/3/27 8:14
オムレツ自由詩021/3/15 15:58
病室の虹自由詩121/2/18 14:57
A DAY IN THE MASK自由詩221/1/13 15:56
別の星自由詩221/1/6 7:46
まちがいさがし自由詩121/1/4 8:17
担任代行自由詩321/1/4 8:12
私立黒ヒョウ学園自由詩021/1/3 12:57
愛着自由詩220/12/27 10:15
五月のサウンドトラック自由詩020/12/26 10:11
新しい髪形自由詩120/12/25 17:22
アラスカ自由詩420/10/4 17:33
This is a pen自由詩020/5/27 12:59
黒ヒョウの家自由詩120/5/9 17:50
せめて自由詩020/5/5 17:43
黒ヒョウの人自由詩020/4/18 15:30
ミュージック 2自由詩120/4/9 12:58
変なおじさん自由詩220/4/2 18:31
黒ヒョウ事件自由詩020/3/30 19:51
Battery in Your Leg(勇気は踵に宿る)自由詩020/2/5 9:53
小市民自由詩1*20/1/30 10:23

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