昔、この国では
暴力が暴力を生み
二千万人以上の命を奪い
その血の代償として
「戦後」という{ルビ箍=たが}と共に
一時の平和が与えられた

しかし平和は数の暴力で壊され
司法は権力に ....
もう十年も経ってしまった
お互いの短い人生の中の
ほんの短い一瞬を交えた
あの日々の終わりから

ただの偶然だった
あなたが死んで
わたしが生きたのは

あなたのおかげで
わたしは ....
十年前、私はまだ子供だった。私は人を疑うことが極めて苦手な子供で、また嘘をつくことも苦手だった。音楽は私の唯一の友で、この年から楽譜に書くことを始めた。私が、はっきりと自分の曲を書き上げたのは、この年 .... 怖い時代になった

その日起こったことを
テレビが正しく報じなくなった

日本で暮らしている外国人が
自分の国籍を言えなくなった

放射能のことを口にすると
頭がおかしいと言われるよ ....
底知れない夜空の下で
じっと、空を見た
あまりに美しい星々の輝きの中で


わたし という存在が     消え去る

 震える身体で、私は必死に想う


         ....
精神は
狂った小作農たちが
村八分にしたおかげで

なくなりました
うしないました
山の中へ
すべて
置き忘れて
胸のつかえ

苦しみ

全て
だれのせい?
(おまえがわるい)

どうしてみんな
わたしをわるものにするの?
(おまえがわるい)

本当に悪いのは
(おまえがわるい)

 ....
顔も知らない
 データだけの
 “知り合い”

孤独じゃない


 ――フリをしていた
    ずっと
     ずっと


 隣で笑ってくれる
 人など
 いませんでした ....
異常

ひ と り

 でいること


…話し声がする

私はそんなに
不気味だろうか

私はそんなに
嫌な奴だろうか

或いは私のことなんて
記憶にない人のほうが
 ....
音のない静かな夜に
ぼんやりとした目で
窓の外を見た

あの空に光が戻るまで
どのくらい待てばいい

何も分からない
ここがどこで
今がいつなのか

陰に沈んで
見つめて ....
二元論の世界で
君はこっちだよと
区別される

男は群れ
女は群れ
けれど
区別された側に馴染めず

かといって
もう一方とも馴染めない



気づけば陰口を
叩かれるよ ....
抱きしめること

抱きしめられること

どんな感触なのか
わからない


四半世紀も生きてきて
中身は未だに
あいをしらず
あいを求める
幼い子供のまま

いつかみたアルバ ....
ここにあって
  ここにないもの

 疎 外 感

黒い瞳に混じった
しろいひと
 或いはひともどきは


  愛の記憶は
  この世に生きる
  ずっと前に
  捨ててきた ....
ワイン片手に
甘い愛の味

目まぐるしく廻る
夜に浮かんだ光の海に

堕ちて
  堕ち
    て


 闇の なか

優しい人の面影は
凍える身体の
記憶に染みて

 ....
時が経てば あの娘もきっと
汚れた女に なるんだろう

純真な心は 嘲笑われて
濁った泥に 溺れてゆく

またひとり、消えてゆく

正しいものは 潰される
すへては酔いの 醒める前 ....
幼い日 砂の上で感じた
うろおぼえの 愛の記憶が
繰り返される

青い青い
水平線の上

どこまで行ったら 追いつくの
あの日見た まぶしい
光の海の果てに
あなたは私に何を思って
私を見上げるのですか

 きっと
 知らないのでしょうね

そういう不用意な尊敬の眼差しが
私の{ルビ精神=こころ}を殺すのです

子供でもできる簡単なことが ....
 そこはカーテンで閉ざされた、暗く狭い部屋で、ドアは開けられず、ガラスで閉ざされた小さな窓が一つあるだけだった。無表情な少女が一人、ベッドの片隅で蹲っていて、携帯電話を片手に、足を組んで遠くを見つめて .... 自分の真実が
真理だと勘違いしてるんだ

誰もかも



そんなの違うのだと
それさえ認められなくて
不都合な真実から
いつも目を背けてる



 例外は
 自己責任
 ....
あの日の私は
何をしていたのか

思わなければよかったのだ
醜い私を受け止めて欲しいなどと

同じ日付が繰り返されて
あの日が遠く遠ざかる

あの頃からずっと
私は子供のまま

 ....
青空の描かれた箱庭の中で
或いは、人と時の消えた大都市で
僕はたったひとり歩いている

終わりのないこの場所で
あの日見た夢の続きを
まだ探している

皮膚は{ルビ嗄=しわが}れて
 ....
莉音(21)
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