夢にずっと浸っていたかって
眠ると夢に行けるから眠りたい
運が良ければ前来た光景へもう一度行ける
そう願って、
日中ずっと
また、早く行きたいと
思っていて
目の前の事なんてどうでも ....
冷蔵庫のフリーザーのところにある
あの白いプラスチックでできた
板チョコレートをくり抜いたような形をした容器に
お茶を入れて凍らせて
それをふつうの氷のようにコップに入れて
そこに冷たい ....
ことばは不思議だ
受け止められかたによって
深く傷ついたり
深く響いたりする
ことばは不思議だ
人によって
鋭いナイフともなり
時にはこころの拠り所にもなる
滔々と流れる川の水 ....
磨かれた廊下に深海魚たちがゆらり
ゆらゆらとゆっくり泳ぐ
深い眠りに就いているのか
夢をみているのかわからない
天気予報では明日は雷雨
深海魚には予報も関係なくて
廊下をゆらゆらと泳いでる ....
小さな引き出しがたくさんあり
ひとつひとつ開けてみると
よく知ってるものが入っている
探しているものはそのどれでもない
どこへしまったのだっけ
そもそもしまったのかどうかも怪しい
引き出し ....
なんせすべてが朽ちてしまうのに、(――手をあげて。)柔らかいまばたきが 非情な拍手を熾していた。とぷんとくれた凪に、過ぎた谷間の火蓋も日当たりは欲、痩せた風もなく、あらゆる臭い そして、揃えた色もなく ....
白銀の輝き無数
漆黒から浮き立ち
魂のそれぞれの
深い懊悩を携え
不規則に円周辿り巡り
打ち叩きながら息し生き
この夜を前に佇む静かさに
意識視界の深き処に
自らの在るを創造ス ....
柔らかな衣のような波間が私をとらえ
夢をさらってゆく
それは束の間の安息
絶え間ない静粛の音
安らかに眠る赤子の笑顔のように
嵐のない幻を視る私の過去
腹水が溜まって
入退院を繰り返してためぐちゃん
北方派五分楽団の
解散さよならコンサートにも
参加できなかったから
五日前に会いに行って
初めてご両親とも会えたのに
今朝早く亡くなり ....
○「いよいよ11月」
今月は いい 月にしたいなあ!
今年は正月からいいことなかったから
○「夫婦円満のコツ」
なんでも俺のせいにしていたら
ワイフは落ち着くようだ
○「幸せ」
....
あたしんちの横断歩道では
いつも
ナオミが
間違った文法で
ごろごろ寝っころがっています。
まわりでは
あたしたちのことを
レズだとか
イモだとか
好き言ってます。 ....
この街の住人は
みな個性の固まりを持っていて
手のひらをこじ開ければ
様々な結晶が握られている
世間では狂気に満ちた街だという
ただ
それを人に見られるのが恥ずかしいのか
面倒なの ....
いますぐ君に電話して
「逢いたい」って伝えたい
連絡すら途絶えた糸
辿ればきっと君に辿り着くから
君と仲良く酒を酌み交わし
たわいのない話をして君と心通わした夜
もしまた巡り逢えるなら僕は ....
冬の気配を感じて
こないだ香った
金木犀を懐かしむ
何か答えた気もするけど
香りとともに消えて
それで
それから
....
ちん毛に白髪が混じるとき
私も老いたと涙ぐむ
ちん毛に白髪が混じるとき
妻に笑われ激怒する
ちん毛に白髪が混じるとき
抜いてなるかと我慢する
ちん毛に白髪が混じるとき
あの娘 ....
急激に季節が変わった
狂ったように暴食した
食べ過ぎ警報発令
ゲップ ゲップ
胃酸が大量に滲出
食道を遡上しようとする
油断できない
ゲップ ゲップ
喉元に上がってきたものを
慌てて ....
外に夜忍び寄り
内に明かり灯り
光帯び細途伸びて
涼やかな風、
すーっと一筋
開かれた硝子戸から
瞬きすること
二度、三度
見開かれた眼に
ゆるりゆっくり
時の留ま ....
柔らかな陽射しの中庭で
ぽつりとベンチに座っていた
ぼんやりとした記憶の狭間に
きみの面影が通り過ぎてゆく
あれから何回秋を繰返しただろう
水溜まりに突っ伏して夜明けを待ったあの日
ぼ ....
土砂降りで上手く泳げない
救難信号は震える手が届かない
重い
幸福を救えるほどにこの手が大きくないことに
気づいていないふりをして、今 溺れている
何もできない
声を上げる
....
そぞろ寒、とはこんな朝を云うのだろうか
毎朝の呼吸法
今朝は肩甲骨が痛むのでよしておいた
ほったらかしの肩甲骨
ほったらかしの体
ほったらかしの息
又自我が
目という穴から外 ....
どういうわけか米を売っていないので
じゃがいもを食うことにする
イモサラダの日々だった
狭い台所に立ってじゃがいもを
ひとつ
小さなまな板の上に置く
巻き尺で測ると
縦5.5cm
横は ....
蛍が飛んで
わたしは彗星になった
わたし、すいせいに、なったよ
言葉なんてまだ
よく知らなかったけれど
許された気持ちになった
彗星なんて、つまらないわよ
母はそう言 ....
一人暮らしの老婦人ばかりを狙うと聞いて
ただの悪者ちゃうんかと
若者に老人の悲哀はわからない
どうれ、教えて進ぜよう
教えなくていいんですよ
だから希望の未来へ向けて
遠く未来 ....
友情を讃えて寂寥を
人差し指で薄く引く
青空は地中にもあるんだってさ
波の月、海中の星
先輩、今日は快調ですね
田井中さ、今日は、快調じゃなくて
今日も、快調なんだよ
想像してみ ....
桜ばながおおいに散り、
けものたちの背に 描かれた
わたしは するどい雨になって
丸ノ内のビルを降っていく
記憶の 蓋に添えられた 女の髪の束
俳句のような
矩形
プリヴィズの夕日は歪む
ためらいがちに衣服をぬぐ
口づけは言葉の数をこえて重なる
朗読するマリオネット、解毒的なソナチネ、雨の路面に刻まれた幾つかの足跡は、澱み、歪んで薄汚いエフェクトになる、ジャムのパンクは衛兵を連想させる、銃を肩にかけてしゃきっと立ってるあいつらさ、雨はもう ....
鳥になれ
輝く太陽をめざして
大空に羽ばたけ
自由な翼で何処までも
青い空に染まりながら
悲しみの地平をあとにして
やすらぎの風を受けて
成層圏の彼方まで飛んでゆけ
さあ 鳥になれ
....
あらゆる場面の悲しみが
不変の透徹とした哀しみの
響きへと変わりゆく瞬間、
あゝ打ち付けられ心張り裂ける
あの瞬間の磔り付けにされた感覚
識る者ならば 、
それ以上を何を語れると云うの ....
電車に乗るとすぐにブランドバッグから化粧品を取り出し
のっぺらぼうに顔を描いていく妖怪
にんげんのふりをしているけど
もうぼくは騙されないぞ
顔を書き終えると座席に座り
派手なワンピースから ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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