花のひらく音が聞こえる
朝露に陽が落ちるような
庭に咲いた花を切る
母が好きだった花水木
....
好きだった人の家
レンギョウの生け垣の向こうに
あなたの部屋が見える
いつも通り過ぎて
部屋 ....
小手毬が咲いた
垂れ下がる花を
子猫が手を伸ばして
撫でている
花の声が聞こえない
雪の中 ....
要らぬ物が部屋の片隅で圧迫し
果てしない程の膿が溢れて噴火した
要らぬ家具の類に家賃なん ....
空気清浄機が夜を吸いこみ始めたから
眠たげな目をした太陽が今日も出勤する
夜はなんだか悪いような ....
「苦悩」
あかはちしろはゆき
あおはそらみどりはもり
まぜあわせないままに
絵を描い ....
ここに朝が
ものしずかに
何くわぬ顔で
並びはじめる
暗い間は よくわからなかった
私たち ....
忘れた人は
裏切者
そんな不文律の薫る口約束
春、音もなくみだれる
風のまにまに
....
首を絞められる夢を見る
そっと首に
誰かの手が触れる
のしかかるように力がこもる
顔は逆 ....
スペースコロニーとかで
コロナウイルスなんか
流行っちゃったら流星だろうね…
一雨 ....
陽の光満ち、
無数の銀の矢飛び交うなか
私の意識は泳ぎ出し
遠く貴女の声を聴く
久しく憧 ....
*
芝生の上で
むっくり起き上がる
一枚の落ち葉
長い間のしかかっていた重し ....
真夜中近く
巨大な目ん玉のお化け達
天を埋め尽くし
ピカピカピカピカ
青白く黄白くまた赤く
....
コウモリだか
センザンコウだか
知らないが
腹減ったからって
何でも食ってんじゃねえぞ!
....
風が強いから洗濯物を追いかけて
綿毛が背中を撫でていく、さよなら
踏みぬいてしまいそうな青い草地 ....
大きな旗を振れば
君はすぐに消えてしまう気がした
羽ばたいてゆく翼の前で
青いものは温度を忘れ ....
テレビの声が 音楽みたいで
きみの沈黙が 言葉みたいで
ぼくの目は みた ....
音楽が始まる。見過ごしてきたものを、ひとつ、ひとつ、記憶は、いつか逆流するものだし、私は私のふりをし ....
出逢いと別れ
多い春の時期
桜が満開になり
別れの寂しさを弱める
ピンク色の魅力
....
アルコールに沈んだ
世界がきらめいて
眩しさに
目を閉じてみる
ふわふわ夢の中で
遊ん ....
深夜
歯ぎしりの隙間で生まれた妖精が
空気清浄機に吸い込まれた
朝
部屋全域に稀釈された ....
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