濡れた草のにおいがする薄暗い路地で
過ぎる時を噛み砕くように佇んでいる女
背骨の終わるところ ....
若くして世を去れなかった
若くして世を去りたかった
訳でもないけれど
明日の方角が解らなく ....
今朝感じた冬の空気と
正午に感じた秋の陽が
喧嘩もせずに
ゆっくり交わった
夕暮れは
追い ....
耳鳴りが気になって眠れない
そう言う君の耳に自分の耳を当てて
同じ耳鳴りを聞き続けた
....
真ん中に大きくて変なオブジェがあり
周りには遊具がある
女の子は親とブランコに乗っていて
男の ....
元々SWJRERKには
興味がなかった
OPPIでも大きけりゃ
良いのだけれど
映画を見る限 ....
記者としての仕事は、楽しくやりがいがあっ
た。駆け出しの若僧でも取材先では一人前と
して扱って ....
薄いところから
濃いところまで
グラデーションは
絶えず動いている
置いてきてしまえ ....
「妻のトリセツ」という本を、買ってちょっと前読んで、
うろ覚えで、
昨日、妻の話を聞いていても、 ....
回転扉に入り損ねて、社会人になり損ねた。
せっかく書いた履歴書、せっかく晴れ渡った秋空。
長く歩けないほど腰が痛いので
近くの整形外科に行った
背中のレントゲンを撮られ
腰椎の圧迫骨折 ....
フィクションですから、誤解しないで下さい
彼はすでに仕事社会から引退していた
子供らは成長 ....
つかれはて
このままいきてゆくほどの
希望もないからしにたくて
しぬのもこわくていきて ....
覆盆子の歌が聞こえる
あれは遠い昔に覚えた和歌
単衣の袖は美しく赤く染みて
月 ....
閉店後の園芸店は
花達がゆっくり休む時間
子猫がやって来て
色とりどりのジュリアンに
....
宇宙の公園にいるみたい
あなたのまわりに
星だけが浮いている
すいこまれてしまいそう
あ ....
狭い喉に光を乗せる時は
ふるいにかける前の言葉でも
ガラスの内側で温めるから
飴玉みたいに ....
「二分割」「アキレスと亀」
「飛ばない矢」「運動場」
古代のパラドックスが暗示した
実無限 ....
白い部屋に横たわり
独り時が過ぎるのを
さっきからずっと眺めている
)右足の親指が急につり ....
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