余裕のある人のための詩歌なんてまっぴらだ
そんなの奴隷と同じことだから
あなたのお城
まるでおとぎ話
とうちゃんはどぶ板通りのかんばんや
かあちゃんはモモエちゃん ....
凍てついた死体と古ぼけたペーパーバッグだけが転がっていたコンクリートのままの床の上で音楽が流 ....
人間の別の名前を鬼といういま笑っているあなたのことだ
ねえ父さんもう疲れたよいつまでも居たくはないよこの人の世に
ナツメ球一っつほしい暗闇に灯って護れ哀れな部屋を
『奇妙な世界』
奇妙な世界を
祝日の朝に聴きながら
ここしばらくおざなりにして ....
貧相な身体の中の
脆弱な心が
翼を拡げて飛び立とうとしている
行かせてしまって
いいのだ ....
風たちが姿を消した
――一瞬
井戸に落ちた片耳のリング
わたしの中のわたしのエコー
響か ....
すばらしかった
誰よりも
たぶん
これから
出逢うだろう
誰よりも
....
わたしのなかで
何者かが思考する、
あそこの森の樹木たちの
しんとした垂直性と
その垂直 ....
○「りっぱだから先生と呼ばれているわけじゃない
先に生まれたから先生と呼ばれているんだろう」 ....
人間を開けるための鍵は
どこにも売っていない
水道管から漏れ出た水とともに流れ出すように ....
このごろ
どこに行っても
何か
忘れている
ような気がする
唇が荒れたので
皮膚科に行った
ヘルペスだった
診察30秒で
診察代三千九百六十円だった
....
テレビのインタビューで
大きな賞を取り逃がした女優がつぶやいた
「タイムマシンができたからでしょ ....
グワッ、グワッ、グワッ
としか聞こえないので
その微妙な声音の違いで
判断してやらなきゃならな ....
ずっと眼に映っている
一本の茄子がうつくしい
煙のなかで尖っている薬缶
....
深みに足をとられ
身動きできないまま
世の中はプレミアムフライデー
前よりもエンゼル係数は増え ....
野の鳥のさえずり とだえて
空が深いなか から
巡回豆腐屋の拡声器だけが
....
やけにすっきりとした空
悩みが消えたわけじゃない
私の目の前の
朝の空気が現実味を消して行く
....
詩とは何ですか?言葉を織り合わせて
あたたかい心を響かせるものかと
思っていましたが。どこにも無 ....
さあ、涅槃の慌ただしさよ
目を見はる
目を見合わす
慌てふためくひとびとよ
....
尾道は檸檬で有名
特に因島辺りが有名
色んな料理に使われて
美味しさを高めて
人気が出る ....
愛するひととの悲しい別れを
少年のころ聞いた鳥の啼きごえを
れきしの谷間を
浮かば ....
愛を囁くと梢が揺れた。
協奏楽の流れる部屋に人は無口で
病人の枕元に一輪の花をかざした ....
夕暮れ
零
寒天
静かな朝六時東の空から
水平線から色づいていく
まばらな客乗せた一番列車
誰ひとり ....
爪先立ってみる
踵立ちはできないものと諦めた
不安定な気持ちがそうさせる
高みへと少し ....
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