もうすぐ
月とスピカがすれ違う
昔から
すれ違う月とスピカに願をかける癖
月の女 ....
宝くじ売り場の前や忌野忌
売れ残った犬が尻尾振っている今日七杯目のコーヒー
十六の唇にさくらさくらさくらの血の味
割れた眼鏡が別れ際の川べり
「本日は晴天なり、本日は晴天なり
只今、マイクのテスト中
本日は晴天なあり」
朝礼が始まる ....
用の美から外れた私は
フルーツサンドイッチを頬張る
血肉にはあまりならないが
構わない ....
涙のささやきとキス
君の目は愛と言葉
真実がいつか救われる
嘘はいつか壊される
王冠の形 ....
一人ぼっちで世界に向き合う時には
マラソンランナーのような気持ちでいよう
僕は実際、血を吐きなが ....
星が
揺れる
みなと
水面に投げ入れられた小石が、
いくつもの、
浅い、とうめいな ....
この国では
国民が憲法を守るのではなく
憲法が国民を守っているのです
憲法は国民を縛るので ....
冬の雪よりも深い、春のかなしみを
憂えるあまり、咆哮も彷徨もせずに、
ただ、ひとり揺り椅子に眠っ ....
開放もしないくせに、閉じ込めもせず、
何が望みなのだ、世界よ
どうしろと言うのだ、世界よ
燃え ....
痛みのない世界の
封を切れば風は青白くふいて
ビルの合間を見つけては
切先をくねらせる
光が ....
デモでもね
でも
デモね
デモね
でもデモ ....
1
動物園の規則正しい給餌や
健康で安全なゲージに
拘束されることを嫌って
自然 ....
ムダイと読む
ムにアクセントをいれ、ダイは平たく流す
もちろん鯛の仲間ではないから泳ぎだすことは ....
公園のベンチにすわって深呼吸をする。
遠くに青い山が見える。山はいつも見る風景の中に、変わらずにあ ....
元気の無い人には
向日葵を 送ると イイ
出来れば 雪ん子も 添えて
小さなブーケを 作っ ....
ここへ ここへ 戻っちゃダメだ
帰っちゃ 帰っちゃ それは嘘だ
誰かが 誰かが 本当を歪ませ ....
おかあさんがドアを閉める
やさしくそっと閉める
すやすや寝る僕起こさぬように
みてたんだけどね ....
ものさしなんて
どこにもないのです
ずうっとむかしの
どこかのくにの
は ....
新しい財布を買ってから
不思議なことに
お金に困らなくなった
迷信かもしれない ....
加筆訂正:- めぐる/森川美咲[03:05]
- 偶数連の主語を春夏秋冬から風、せせらぎ、追憶…と変え、登場人物(擬人化された者たち)の動きをより鮮明にイメージできるようにしました。また、冬から春への展開をスピードアップしました。
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