いけんをいえと
あなたはいう
いけんはないと
わたしはいう
それでもいえ ....
全身麻酔の胸がメスで開かれ
肋間がスペーサーで広げられる
心臓に手が差し入れられる
教授クラス ....
古く錆びれた配管の中で
ライトを咥えて屈みこんでいる
作業服に目出し帽、ジーンズの尻は破れ
左 ....
４月に、
生まれてくる女の子（らしい）、
ぼくの子供。
名前を考える。
妻の語感を甘やか ....
パタゴニアに行って大土地所有をして暮らしたい 職業適性としては封建領主などが向いていると思う
こどものころ
やさしい
おばあさんがいた
となりのいえの
おばあさんだった
....
空は短く
銀の上に立ち
冬は冬をめがけ来る
次々と次々と突き刺さる
次々と次 ....
夢の中で君に会った
すごく優しくて笑顔が素敵な
いつもの君だった
でも
今の ....
一緒に食事をするときは
３つ離れたテーブルに座ります
電車はひとつ遅れます
あなたの姿 ....
はじまりは喉笛で、下から上まで続く階段が蜷局を巻きながら地球を埋めているときに、経血間際どもの血みど ....
野の兎
降る雪ものともせずに
跳ぶ
野兎にとって
視界のきく
晴れわ ....
番台の玩具イジリ。
退屈はいつだって二乗傾向。
練り込まれた時間を、あざ笑うかのような
冷 ....
あなたの闘い続けた十三年に深い敬意を覚えます
妻と愛児を殺されるという
私には計り知れないほ ....
世界が美しい花のように開く時
人々は皆沈黙している
言葉がそれを讃え 音楽がそれを表 ....
今、私の目の前に存在するネジを巻いたら
昨日西永福の駅で私に舌打ちをした中年と ....
超音速で舞い降りたガルーダの
尻尾の先にくっついたまま
世間を見てきた烏天狗の出来損ない
それ ....
うつくしい人の手はうつくしい形をしていて
やさしい人の声はやさしい響きで伝わって
かなしい人の瞳 ....
先月エアコンが壊れた
次の日炊飯器が壊れた
次の次の日Macが壊れた
次の次の次の日掃除機が壊 ....
食パンのみみが
初めて出会う言葉は
まだ星空が出ている時間から
働き始めるパン屋のおじさんの
....
残雪が疎らになった道から顔を上げると
紅い紅葉が目に飛び込んで来た
オヤと思って目を転ずると
....
空より吊された揺り篭
引き寄せられるのは
夜道に迷いし蝶か
光を求める蛾か
向かう先か ....
叶わない
あなたには敵わない
ゆるぎないモノ?
なぁにそれ?
雲 ....
血を求めるひとを死刑にしたい
血を顧みぬひとを殺したい
血を厭わぬひとを縊りたい
罪などど ....
子供はきっと大人になろうとしているのではない。
その頃
仕事の成績を上げることに必死だった男と
その頃
産声を上げることに必死だった少女
....
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