お盆休みが来ると
街は色を変えていく
都会から若者が消え、生まれ育った静かな町が
....
句読点の多い僕の言葉がいつまでも果たされない遺書のように真っ白い画面の中でぶら下がってい ....
これからぼくは
いくつのことばを殺すだろう
それを
知らずに生きぬいて
いつか必 ....
一回分の歯ブラシ
一回分の石鹸
一回分のタオル
一回分のアルコール
一回分のコンドーム
一 ....
私の好きな人は
嘘が上手な人で
必ず日曜日の朝
遠くに出掛ける
ガラスの中 ....
暮らすように歌う
寒ゼミの最後の声が
あかるいよるの雲の腹の
内側であふれている
....
ゆるやかな緑の山稜から
墜落した日差しに
めまいがする
真昼の木陰はさらに黒くて
鳥たち ....
ポーリン、ポーリン
なんて可愛らしいカタカナでしょう
ポーリン
大地を
舞い降りる先を失 ....
せまい部屋の
小さな飯台をかこむ
家族がいる
いつもの朝だった
祖父はよく
僕の ....
十字架の下で貴方に会ったとき、私、
言い忘れてた事があったわ―
ピエタに寄り添う
....
夜空に大きな花が咲き乱れ
詠嘆する人々の声は
熱気とともに季節を彩る
私はまたあなたと二人 ....
かーわいーいー 声 でー 鳴ーくーけれーどー
ボーディはーハイーテクー 凄ーいー やーつー
....
ここは第六世界太陽系惑星地球・日本国東京都四丁目のバーの中。
私はバーテンに言った。
....
揺れてほつれた柔らかい糸
歩みは途絶えた
息絶えた骨は何処かへ
口角だけが笑ってる
....
君のみどり色のところを
ぜんぶ
静かにしてしまおう
僕たちのゆびさきは
そ ....
どうなってしまってもいいんだ
何時に目覚めようが
青白い光が
何時間も何時間も
....
夢追い男
パチンコで
一攫千金を夢見て
スカイジェットに乗って
ベジタリアンの坊主
本 ....
いちご味のアイスクリームが
水たまりに落ちて
七色の油が
水面を走って拡散していく
その上を ....
齢73にしてライトノベルに手を出した筒井康隆の作品が
読めるのはファウストだけ。やる気と本の厚さは ....
渦を巻き
留まった一瞬に
気づいていながら
私は見て見ぬふりをした。
スカートを膨らませ ....
国道を南下すると
海がひらける
それは
わかっているつもりだった
潮の香りがしている
目を ....
夢を見た
舟で落ち合う約束をした
あのひとはちっともわたしを迎えに来ない
わたしはちっとも ....
ピーナッツバター
塗りたくって
朝がくるよ
オレンジの太陽
頬張って
目を覚ますのだ
....
動物園でしか見たことのない獣の前で
動物園でしか見たことのない夢を見ていた
あれがニンゲンのコド ....
珈琲を飲むとスッとする
読み終えたばかりの分厚い本の背表紙を撫でながら
浮かび始めた著者の思 ....
鳴き方を忘れた
紙の羊の代わりに
今日は僕が
鳴いているらしい
窓の外には
長方形 ....
「なんか作ろうか」とか言うから、まじで作れんの、と思いながら口には出さないで、「肉じゃがが食べたい ....
この国には
たくさん神様がいて
全てのものには
それが宿っているんだって
太鼓と ....
{引用=実り豊かに微笑する大地であり、アジアのアルカディアである。自力で栄えるこの豊沃な大地は、すべ ....
ゴゴゴゴゴ
ズズンゴゴゴゴゴ
発射される
みじかいカーニバル
青い空、青 ....
深呼吸した肩を髪がくすぐる
淡い黄緑色のタンクトップは
夏を呼び出して
甘やか ....
柔らかな肉をはむ様に
どうしたって優しくしなくっちゃ
毎日が退屈になっちゃうから
目の前で小さ ....
日常にあふれる音の数だけ
日常は動き続けていることに気づく
それが小さな虫の音や
少女が練 ....
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