[18]mizu K[2010 09/05 01:03]★1
読書感想文
■荻原規子・著『空色勾玉』徳間文庫 2010. (初出の単行本は福武書店 1988.)

その中学校はすこし風変わりなつくりで、5クラスのうち、日当たりのよい南東側の1−3組と日陰が多い北東側の4−5組を外側通路のない図書室が見事に分断しており、学年内で空間的断絶が起こっていた。普段のノートの貸し借りも、中庭の渡り廊下を使ってぐるっとまわって行かなければならず、不便なことこの上なかったのである。図書室は昼休みと放課後のみ解放されて、そのときは室内をほとんど通路がわりに行き来していたと記憶しているのだけれど、たとえばトールキンは北側の棚の低いところに、『空色勾玉』(単行本)は南側の
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